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ドクターK少女 光り輝く夢を追い掛け  作者: レザレナ
第二話 春の六大学リーグ、開催!
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第二話 第八部 姉が教えてくれたこと。

 試合が終わると私たちは荷物を持って球場を後にした。そして控え室に移動するとすぐにミーティングが始まった。

堀近「まず試合の内容だ。勝てたには勝てた。しかし皆力みすぎだ。イケイケムードになるのはわかるが…野本。このチームの打撃鉄則はなんだ?」

野本「落ち着いて、一つずつしっかり決めていくことです。」

堀近「そうだ。今日の試合は落ち着いていけたか?」

野本「…できませんでした。」

堀近「坂本、お前サイン間違えただろ? 落ち着いて判断してたか?」

坂本「いえ、打とう打とうと考えていました。」

 反省会だ。私はチームの状況がどのようなのかをしっかり聞いていった。そして私は姉の言っていたことが嘘ではなく、真実だということがわかった。それを知って私は悲しい気持ちになった。それと同時に悔しさもだ。あんなにボロクソ言われたら…悔しくて悔しくてたまらない。どうしても姉に勝ちたい…姉にかって見返してやりたい。そして元の姉に…。

堀近「椎葉、お前は自分のあることだけを気持ちに決め付けながらプレーしていないか?」

 図星だった。私はこの試合に勝つことはとっくに決め付けていたことだった。試合はいつどうなるかなんてわからない。目の前の試合を考えない人に勝利なんてものから遠ざかっていくだけだった。

佐奈「すみません…。そのせいで今日の試合、途中で連打を浴びてしまいました。心の問題です。」

堀近「お前の気持ちはよくわかる。それに姉妹なのはよくわかる。でも今はこっちのチームメイトだ。そんな一人勝手な都合に振り回されたくないんだ、俺たちも。」

 他のチームメイトが私を見てくる。本当に申し訳なかった。そして姉の言っていたことにもう一つの意味があることに気づいた。いまさらになっては遅いことだったかもしれない。自分も同じ立場にあるということを教えてくれていたのだ。だから周りを見て今の自分の気持ちもわかって欲しいということだったのだろう。

堀近「まあ、悔しい気持ちはわかる。俺だってそうだ。でもその気持ちがあるのなら、姉と戦うときにその気持ちを精一杯ぶつけたらどうだ?」

佐奈「そうですね…。」

 私は下を向いた。皆に見せられる顔なんてないと思ったからだ。

橘田「でも今日のピッチングはすごかったぞ。」

高坂「俺たちにはできないことだからな。羨ましいぜ。」

 皆は私を優しく支えてくれた。私は顔をあげた。そこには大丈夫だよと顔で教えてくれているようだった。このチームで勝ち抜いていくことを心に誓った。


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