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第二話 第六部 冷静な堀近さん
ギィン! バシン! アウト!
佐々岡「チッ。」
五番が倒れてツーアウト。この回も点が入らずになるのだろうか。でも次はこの試合六番になっている堀近さんだ。堀近さんがチャンスを作ってさえくれればきっと打線に火がついてくれるはず。落ち着いて打ってください!
シューーーバシン! ストライクワン!
堀近「(なかなか良い球だな。ストレートのノビも良い。でも四打席目だ。ここで打っていかないとそろそろまずいからな!)」
グググッ バシン! ボール!
堀近「(変化球は捨てたほうが良いな。無理に打とうとすると引っ掛けてしまう。ならストレート狙い!)」
バシーン ストライクツー!
堀近さん、すごく冷静だ。でもいくらなんでもピクリとも動かない。一体どうしたのだろう。でもアレは…作戦と考えてよいのだろうか。
シュゴーーーー
堀近「きたっ!」
ギィイイイイイン!!!
佐奈「いった!」
私は思わず立ち上がって、柵に手をかけた。打球はグングンと伸びていく。レフト方向にグングンと…。
ポーーン!
やった、ホームラン! 堀近さんが打ってくれた!
堀近「しゃああああ!!」