第二話 第五部 注目と心配。
ツーストライクと追い込んだ。堀近さんがどっしりと構えてリードしてくれている。この構えているところに!
シュバァアアア バシューン!
ストライクバッターアウト!
うおおおおおお!
佐奈「ふしゅー。」
私は息をスッと吐き出してベンチに戻った。ここまで11奪三振、球数も少ない。良いペースできている。これなら堀近さんが打ってくれれば…。
「椎葉真菜投手がすばらしいのは知っているが妹もここまでやるようになったとはな。」
「今から調査しても全く問題なさそうですね。再来年のドラフトはどれだけ集まってくるかな。」
「真菜投手と違うところはなんと言っても左投げだよな。」
「しかしその分、まだ荒削りな部分もあるけれどもな。」
「堀近のリードがでかいというのもあるかもな。リードがなくてもすごい投手なのは変わりないが。」
「堀近は良い捕手だよ。どこか上位で取るんじゃないか?」
私はタオルをぬらして顔を洗った。暑さと汗をふき取る。本格的な暑さにはなっていないけれども、やはり動くと熱くなる。私はゆっくりと飲み物を取って飲んだ。残り3回の攻撃で、点を取ることができるのだろうか。それとも延長戦にもつれ込んでしまうのだろうか…。