Zero Episode 手紙
コレからシリーズ投稿をさせてもらいますDream
Foreverという作品の最初の最初の物語デス。
ピッ、ピッ、ピッ、電子バイタルの音がこだまする純白に包まれたこの部屋の事が私は嫌いだった。
ピッ、ピッ、ピッ、お日様の眩しい日差しを遮るように音が鳴る。この音は私に残された時間を減らすかの様に止まる事なくゆっくりと音を刻んでいく。
『電子バイタルの音が遅く聞こえる様になるほど、近づいてるんだっけ。ふっ。』
いつかどこかで聞いた話を思い出しては、バカな考えだと思い思考することをやめ、はなで笑い飛ばす。
死の淵に立ったこともない人間様がなんてことを言っているんだろうかと思って。
そんなことを考えていたら、スマホからアラームが。
何のためにアラームをセットしていたのかも忘れていたため、スマホに手を伸ばす。
その指先は握ればホロホロと砕けそうなくらいに白く細長かった。
スマホを確認する。
そこには「手紙」という二文字が。
ああ、そういえば、彼のために手紙を書く時間か。
私は、テレビ台の上にある万年筆ととある本を取る。
高校生なのに万年筆を使ってるとか、どんだけカッコ付けてんだよ。
と自嘲しながら、私は、大好きな彼に向けて筆を走らせる。
「 拝啓 天王寺颯様
手紙なんて、私らしくないことをしてごめんね。
君はどう思うのかな?
でも、口にすることはどうしてもできないので、この手紙に私のこれからの想いを込めます。
まずは、君が初めてこの部屋に来た時のこと。
君が初めてこの部屋に来た時、死にそうな顔をしていたこと。
今でも、昨日のことの様に思い出します。
君が部屋に入ったとき、正直に言ってめちゃくちゃ嫌な予感がしたんだ。
そしたら案の定、カテーテルを抜こうとして。
私が止めなかったら君は今頃、大変な事になってたよ。
でも、君の夢を諦めなくてはいけなくなった話を聞いた時に、私が同じ立場だったら、私も死にたくなってたと思った。
でも、君は立ち直った。
そして、前に進んだ。
君からしたら、それは私のおかげだよと思ってるのかも知れないけど。
君は変わった。
出会った時じゃ信じられないくらい。
改めて読み返していたら、カッコつけばかりだと思ったからさ固い雰囲気をぶち壊していいかなぁ?
ここまでこの手紙を書いていて唐突に思い出した事がある。
君、私の胸見たよね?
さっき書いた君がカテーテル抜いた夜、君を止めるために自分の心臓の手術痕を見せたらって思って服脱いだ気が、、、
これを読んでる君はどんな顔をしているのかなぁ?
というのは冗談。
でも、もしかしたら君にとってのターニングポイントはあの夜だったのかもしれない。
あの夜、君がカテーテルを抜いた夜のこと。
私は、話の流れで君に自分の心臓病の手術痕を見せながら言った
『世の中には、君以上に辛い思いをしている人がいる。心臓カテーテルって人工的に作られた病気を治すための手術の中で一番辛いんだよ。だから、君はどんな理由があろうと死んじゃダメだ』っていう言葉は私の魂に残る言葉のTOP3くらいには入るかな。
でも、ここだからいうとね人工カテーテル手術が人工の手術の中で一番痛いっていうのは、嘘なんだ。
もっと痛い手術なんていっぱいある。
でも、私の中ではこの手術が1番辛かったのは本当。
それに、私には人が。
いや、君が。目の前で死んじゃうのが、嫌だった。
だから嘘をついた。
君は、そんな私を許せるのかな?
まぁ、この手紙を読んでる時点で多分許してくれるよね。
何だか、私にとっても、あの夜がターニングポイントだった気がする。
あの夜の前、私が話しかけても無口だった君は、よく私と話しをしてくれる様になったよね。
無口な君も嫌いじゃなかったけど、話しをし始めて笑う君の顔の方が好きだったなぁ〜
私が、君が夢を諦めたことを忘れて、私自身の夢を語ったとき本当に嬉しかったな。
君が『一緒に叶えようぜ』って言ってくれたこと。
実は、私の夢を話したのは君が初めてで最後なんだ。
君と出会う2ヶ月前くらいに好きだったとある月刊雑誌の新連載の漫画を読んでいたらその主人公たちの姿に憧れちゃって。
いつかこの部屋から出る事ができて、体力もつけられたら、その夢を叶えようと思っていたんだよね。
でも、それは難しいらしい。
そんなことを君に話したよね。
運命って私たちをめぐり合わせた様に時によくて、時に夢を奪う残酷なもので、不安定なんだよね。
でも、君はきっと私が目指してた夢を「継ぐ」っていう運命は見えるなぁ。
何としても。
君のやり方で。コツコツ、コツコツと。
でも、これだけは忘れないでほしい。
君は、弱くない。そして、どんな逆境に立ったとしても私が支える。
もし、この部屋から私が消えたとしても絶対!君と共にいるよ。
だから、いつもみんなに夢を見せて。
そして、私に会いに来て。
いつか、私の夢を叶えて。
私は、君に夢を託すことしかできなくなってしまった。
最期に君に一言
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君のこと好きだった。
敬具 見永 無夢
小説を書くのが久しぶりなので読みづらかったら申し訳ありません。
この作品が、さまざまな人に届き、さまざまな人の心を動かし、夢を見続けることが出来る事を願って後書きとさせていただきます。
この作品を最後まで読んでいただけると幸いです。




