第二十三話:王都の再会と、希望の架け橋
アッシュランドの視察を終えた第二王女フィリアは、見違えるほど晴れやかな表情で王城へと帰還しました。
王宮の奥まった私室。そこには国王、ラインハルト辺境伯、そして厳重な変装魔法で身を隠したアルスとロイの姿がありました。
「父上、アッシュランドはもはや『灰の地』ではありません。あそこは、この王国の、いえ、大陸の未来を照らす光の源です」
フィリアの力強い報告に、国王は深く頷きました。アルスはさらに一歩進み、具体的な提案を切り出します。
「陛下。我が領地で安定生産に入った『灰金麦』の一部を、同盟国であるサンライト王国へ支援物資として送る準備を整えております。第一王女セリア殿下が嫁がれたあちらの国は、現在、深刻な凶作に喘いでいると伺いました」
「おお……セリアの嫁ぎ先か。あそこを救えるなら、我がルミナス王国との同盟は鉄壁のものとなる。アルスよ、そなたの慈悲に感謝する」
国王の言葉に、アルスは不敵に微笑みました。
「慈悲だけではありません。これは『情報の武器』です。サンライト王国を味方につければ、貴族派のガストン侯爵も、容易には手を出せなくなります」
その傍らで、辺境伯がアルスに耳打ちしました。
「エドワード君からも、実家の動きが逐一届いているよ。あちらは、君が死んだと信じて、今は王宮内での権力固めに夢中だ。……今のうちに、もう一つの『切り札』を確定させておこうか」




