表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/68

第十九話:虚飾の帰還と、深淵の叡智

アッシュランドの境界線。サバスの手によって「北の地は依然として死の灰に埋もれ、アルスは野垂れ死んでいた」という精緻な偽記憶を植え付けられた精鋭たちは、夢遊病者のような足取りで王都への帰路につきました。

 その先頭を行くエドワードだけが、胸の内に「燃えるような真実」を秘め、実家という名の檻へと戻っていきます。

 一方、アッシュランド領主邸の地下深域。

 そこは、アルスの真骨頂である『知の実験場』と化していました。

「……リィナ、その『抽出液』を。分子構造を魔法陣で固定する」

「はい、アルス坊ちゃま。いえ、閣下」

 アルスが取り組んでいたのは、前世の分子科学と、修復した古代魔法の融合による新体系の構築でした。

 ただの火球ではない。空気中の窒素と酸素の比率を魔法で強引に変え、超高温のプラズマを発生させる『熱核崩壊プラズマ・バースト』。

 ただの障壁ではない。炭素分子をダイヤモンド構造で再結晶化させ、物理破壊を無効化する『金剛結界アダマント・シェル』。

「情報の最小単位……原子の並びさえ『修復(書き換え)』の対象に含めれば、この世界のことわりすら私の指先一つで再定義できる」

 アルスの瞳には、賢者としての冷徹な光が宿っていました。彼はもはや「紙」を直す者ではなく、「世界の設計図」を書き換える者へと至ろうとしていたのです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ