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3/45 倉田とナツー元カノ?と今カノ

神野と入れ替わるように、応接室に若い女が入ってきた


ミニスカートからすらりと伸びた長い脚、高い腰の位置、見事に成長した胸

比べてアンバランスな幼い顔は倉田よりひと回り小さい


「おっひさー、クラちゃん

 1年ぶりくらい?」


彼女の名は夏美・フローレス

母親がフィリピン人のハーフで、学生バイトながら会社所属のタレントの一人だ


「ナッちゃん久しぶり

 綺麗になったね、まだ神野と上手くいってんだ」


彼女と神野は会社組織になる前からの付き合いで、社内公認の恋人同士である


「クラちゃんは相変わらずお軽いわね

 カンちゃんは?」


そう言って彼女はテーブルをはさんで倉田の前に座った


「神野は花澤さんとこだ

 そこから見えるだろ」


神野のオフィスはすべてワンフロアで見通しがいい

応接室はパーティションで区切られただけなので、隙間からオフィスの様子が見えた


神野と少し年上の女性が談笑している


ナツは顔に出すまいとしているのだろうが、はっきりと膨れっ面になった


倉田はその顔を見て吹き出した


「まさか、妬いてるの?」


「だって花澤さんって、カンちゃんの元カノでしょ」


神野を支えた出資者は何人かいたが、最初から支え続けているのはメイクアップアーチストの花澤だけだ


すでに業界での知名度が高く、高収益のチャンネルを持っていた彼女は、神野の事業のベースを担っている


大学の先輩後輩の縁だというが、それだけで多額の出資を引き出せるのかと、周囲が勘繰りたくなるのも無理はない


「いやぁ、聞いてないけど」

(なんであんな陰キャがモテるんだ? イケメンでもないし目つき悪いし、やっぱアレかなぁ)


倉田はふうっとため息ついてナツの隣に座り直し、身を乗り出して彼女の前に顔を寄せた


「え、なになに、クラちゃん近い、近いって」


ナツが慌てて立ち上がろうとするのを、倉田は手を挙げて制止した


「例えば、いまここに神野が来たら誤解すると思わないか」


「しないよ、クラちゃんの悪ふざけだと思うだけ」


「だとしてもいい気はしないし、証拠もないからモヤモヤするよね

 神野だって、いま浮気してるならともかく、元カノがどうのって言われても困るんじゃね?」


「それは…」


「あいつは元カノと今カノを同じ職場に置けるほど器用じゃないだろ」


「そうなんだけど」


「僕たちはこれからちょっと難しい仕事を始めようと思ってる

 邪魔しちゃダメだよ」


頷いたもののナツはまだ不服そうに頬を膨らませている


(このコはぷんすかすると可愛いんだよなw)


「せっかくだからチューしていい?」


「ダメに決まってるでしょ!」


倉田がさらに顔を近づけて来たので、ナツは思わず叫んだ


そのとき、コンコンと応接室の壁を叩く音がした

「うちのオフィスでいちゃつかないでくれる?」


「ち、違うよ! カンちゃん」


入口に立つ神野の呆れ顔を見て、ナツが椅子から飛び上がった


「失礼しました

 久しぶりだし、僕もみんなに挨拶してこようかな」


倉田はヘラヘラ笑いながらナツから離れて、応接室を出ようとした


「後で一発殴らせろ」


すれ違いざまに神野が睨みつけた


「怖っ

 そういうとこ

 ナツのことになると頭に血が上るの直せよw」



【余計なお世話書き】

チャラ男の倉田くんですがナツには手を出さないという信頼はあるようです。

それでも神野くんはヤキモチ妬いちゃう可愛い奴です。

ちなみにこの人はタワマン31階に住んでいる設定です。特に意味はないので今回は出てきません。

花澤さんが元カノかどうかは、すごい微妙です。

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