10話
王子さまの冒険が終わった後のエピローグです。
こうして王子さまはついにおひめさまを助け出してふるさとのみずうみの国に帰ってくることができました。さいごまで人の血でよごれなかった剣と盾と、お父さんの王さまのたからものとこうかんに森のフクロウからもらった、新しいくびかざりと、さいごに小さなお友だちを連れて。
ずぅっと長い間会えなかった王子さまとおひめさまのすがたに、王さまもおしろの人たちも、国のみんなもおおよろこび。おいわいは三日三晩つづいたのでした。ゆうかんな王子さまをたたえるうたを詩人がうたい、おひめさまのかわいらしさに誰もがなみだを流しました。
大さわぎの中、王さまはふしぎそうに、その小さなネズミはいったいだれ、と王子さまに聞きました。王子さまは、魔女からいもうとを助けるのを手伝ってくれた、ゆうかんなお友だちだと答えました。ゆうかんな王子さまにゆうかんだと言われてネズミはびっくりしたけど、王さまはふかくうなずいて、王子さまに友だちができてうれしい、ネズミさんもおしろで一緒にくらしなさいと言いました。
ネズミはとてもとてもうれしくて、なみだをポロポロとこぼしながら、王さまありがとうございますと言いました。本当はネズミは、ずっとずっと王子さまのそばにいたかったからです。
王子さまのポケットからチョロチョロと出てきたネズミをそっと手のひらに乗せて、おひめさまはこれからよろしくネズミさん、と言いました。ネズミは王さま、おひめさま、おしろのみなさん、これからよろしくおねがいしますと言いました。
新しい友だちと一緒にいられる事になって、王子さまはニコニコ笑っていました。
めでたしめでたし
そしておいわいが終わったその次の朝の事です。王子さまとはべつのおへやでねむったネズミが王子さまにおはようございますのあいさつをしました。王子さまといっしょにおひめさまもいました。
ネズミは王子さまに、魔女の本当の気持ちをみんなにおしえなくていいのですか、と聞きました。王子さまは、魔女さんはそうしてほしくなさそうだったから、きっとさびしいをがまんできる強い人なんだ、と答えました。
お兄さま、何の話ですか、とおひめさまが聞きました。ぼくたちは仲良く助け合ってがんばろうね、と言う話だよ、と王子さまは少しウソをつきました。
でもそのウソはおひめさまをとってもうれしい気持ちにさせました。はい、お兄さま、元気よくおひめさまは返事をしました。
そうして王子さまとおひめさまとネズミは、仲良くおしゃべりをしながら朝ごはんのテーブルに向かって、歩いていくのでした。
これで「氷の魔女とみずうみのひとみ」終幕です。
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