表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪いのは誰?  作者: 茶樺ん
第二章 ミリとレント
652/785

ソウサ邸での集まり

 王都に戻りコードナ邸に帰ったミリは、ソウサ商会にいるバルとソウサ商会に遣いを出した。そしてラーラにも遣いを出すとミリは旅の汚れを落として、服を着替える。

 着替え終わって居室に向かうと、ミリからの連絡を受けて同じく着替えを終えていたラーラが出迎えた。


「お帰りなさい、ミリ」

「戻りました、お母様」

「さすがに疲れたかしら?」

「いえ、まだ大丈夫です」

「睡眠は取れていたの?」

「はい。問題ありません」

「そう。それなら直ぐに向かいましょうか」

「はい。よろしくお願いします」


 頭を下げたミリの背をラーラが押して、二人は居室を出る。そして玄関に待たせていた馬に乗り、ミリとラーラはソウサ邸を目指した。



 ソウサ邸の玄関前では、ラーラの次兄ワールと三兄ヤールがラーラとミリを出迎えた。


「おお!ミリ!」


 叫ぶ様に大声を出して、ヤールが両手を広げてミリに迫る。


「こんにちは、ヤール伯父ちゃん」

「今日も可愛いな!」


 そう言うとヤールはミリを持ち上げて一回転してから、胸に抱き留めた。


「それに一段とラーラに似て、綺麗になったな!」

「ありがとうございます」


 会えばいつものヤールのテンションに、ミリはそつなく微笑みを向ける。

 その横ではワールがラーラに手を挙げていた。


「久し振りだな、ラーラ」

「久し振り、ワール兄さん。忙しいそうね?」

「そうでもないよ」


 ヤールの腕の中からミリがワールに声を掛ける。


「お忙しいのに喚び出してしまって、ごめんなさい、ワール伯父ちゃん」

「いいや。ちょうど一段落付いたところさ。ほら、ヤール。ミリを寄越せ」

「もう、仕方ないな、ワール兄さんは。ミリに甘くて」

「お前に言われたくないよ。ほら、ミリ、おいで」

「はい」


 両腕を広げたワールに、ミリも両腕を広げて応えた。ヤールがミリを渡すと、ワールもミリを高く掲げる。


「確かにますますラーラに似てきたな」

「そうだよな」


 ワールに掲げられたミリを見上げているヤールに、ラーラは溜め息を吐いてみせた。


「そのラーラがここにいるのに、ヤール兄さんの目には映っていないのね?」

「なんだ?ラーラ?ヤキモチか?」

「いいえ、ヤール兄さん。久し振りだから妹の顔を忘れたのかと思ったの。どうやら覚えておいて貰えた様で良かったわ。お久しぶり」

「確かにしばらく会えてなかったな。元気そうで何よりだ」

「ヤール兄さんも相変わらずで何よりよ」

「なんでそんな溜め息を吐きながら言うんだよ?あ!ワール兄さん!ズルいぞ!ミリを連れて行くなよ!」


 ワールがミリを抱いたまま邸内に向かって行く事に気付いて、ヤールがワールの後を追う。


「ラーラは譲ったのだから、ミリは譲れ」

「いやいや、ミリを抱き過ぎだ。ほら、ミリ!おいで」


 両腕を広げるヤールに、ワールはミリを渡した。


「よし!ミリ!肩車だ!」


 そう言うとヤールはミリを肩に乗せる。


「ミリは帰って来たばかりで疲れているのだから、気を付けてね?」

「分かってるよ。だから俺が運んでやるんだろう?」

「ほら、ドア枠に頭を()つけない様にしろよ?」

「そんな間抜けな事、ミリがする訳ないよな?」

「いや、ヤールに言ってるんだよ。ミリが避けきらないだろう?」


 そう言うとワールはミリの背中とヤールの頭に手を当てて、ミリが打つからない様にヤールを屈ませて、玄関ドアを一緒に(くぐ)った。

 その様子を見て、ラーラは小さく溜め息を吐く。


「やっぱり、相変わらずよね」


 ラーラはそう呟くと、三人の後を追って邸内に入った。



 居室に案内されてお茶を出され、ラーラとミリがそれに手を付ける前にラーラの両親、ダンとユーレが入室した。


「おお!ミリ!」

「こんにちは、お祖父ちゃん、お祖母ちゃん」


 ダンがミリを抱き上げる横で、ユーレが挨拶する。


「はい、いらっしゃい。ラーラも久し振りね」

「ええ、母さん。久し振り。私は久し振りだけれど、ミリとは良く会っているでしょう?父さん?」

「たとえ毎日会っていたとしても、ミリの可愛さは変わらないだろう?なあ?ミリ?」

「ありがとうございます、お祖父ちゃん」

「うんうん。そうだよな」


 そこにラーラの長兄ザールの妻カンナが入って来た。


「ラーラちゃん、久し振りね?」

「カンナちゃん、久し振り。元気そうね?」

「うん。私はね。久し振り、ミリちゃん」

「こんにちは、カンナちゃん」

「本当にラーラに似てきたわね?」


 そう言うとカンナは手を伸ばして、ダンの腕の中のミリの頭を撫でる。

 ラーラがドアを見ながらカンナに問い掛けた。


「ザール兄さんは?一緒じゃないの?」

「ザールは急ぎの用事に捕まって、少し遅れるみたい。ミリちゃん?先に始めて良いからだって」

「分かりました」

「どうする?もう始めるかい?」


 ダンの問いにミリは首を少し傾ける。


「もう少し待ちます。まだお父様も来ていませんし」

「うん?本当だ」

「ミリが帰って来たとなったら、バルは真っ先に会いに来そうだけどな」

「俺達が先に会ったら、悔しがるんじゃないか」

「え?お父様が?」

「そうだよ」

「毎日の様に心配していたからね」

「そりゃあバルは心配するだろうけど」

「あれだけ護衛を付けても心配なんだよな」

「なんだ?ワールもヤールも心配じゃなかったのか?」

「いや、心配だったけど」

「まあミリよりバルの様子の方が、心配だったかもな」

「それは言えた」


 男達が声を上げて笑って、女達も苦笑しているところに、バルが入室して来た。


「ミリ!」

「お父様」


 ダンがミリを降ろすと、バルが歩み寄りミリを抱き上げた。


「お帰り、ミリ」

「戻りました、お父様」

「怪我とかしてないね?」

「はい」

「少し痩せたんじゃないか?」

「いえ」

「ああ、顔を良く見せてご覧」

「ええ」

「お帰り、ミリ」

「あの、はい。お父様」


 ミリはバルの腕の中で体を捻り、皆を見回すと宣言をした。


「ザール伯父ちゃんは先に始めて良いとの事なので、早速ミリ商会からソウサ商会とお父様とお母様への提案に付いて、話をさせて頂きたいと思います」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ