6,よる→あさ
朔夜:ちょっと変わった女子高生
守華:ぶっきらぼうで優しいお兄さん
なんで、こんなことに。
「ん…おやすみ、朔夜。」
「おぉ、おやふみなしゃいっ!」
なっちゃったんだろうか。
一人用の布団で、二人が眠る。
なんなら、枕もひとつしかない。
もちろん広いわけが無い。
いつもは広々とした俺の空間が、
来訪者をも優しく、暖かく包み込む。
ボクの背中が、お兄さんとくっついている。
お兄さんの体温が、ボクに伝わってくる。
ねぇ、ボク。
「…。」
この状況で、寝られる?
「……。」
いや、無理でしょ。
「……お兄さん?」
「…おー?」
俺とくっついている背中が、少し震える。
「……し、しりとりしません?」
「…何でだよ。寝かせてくれよ。」
「………でっ、ですよねぇ〜……。」
「……?」
……なんだ?どうしたこいつ。
お兄さんは寝れても、ボクが寝れないっ!
……なんて、言うわけにもいかないし。
いつもと距離感自体はそんなに変わらない。
膝枕だってしたことあるし。
…ボクたちの上にかかった1枚の布団だけで、
こうまで意識をかき乱されるとは。
いつもの比じゃないくらい、
体温、呼吸、骨格、香り……。
お兄さんの全てを敏感に感じる。
いつも使っている抱き枕、
布団が狭くなるから仕舞っちゃったんだよな。
お陰様で、違和感が凄い。
とりあえず腕を組んでみるが、落ち着かない。
まぁ、寝れないことは無いだろう。
「お、お兄さん。」
「えー?」
「…ちょっと、話しませんか?」
本当に、どうしたんだ?
……緊張しているのはわかるが。
「……いいぞ。何話す?」
「………えーっ…と。」
やばい。頭が真っ白だ。
なにか話題を出さなくちゃ。
「えと…恋バナ、とか?」
「…………。」
やばいやばい。地雷、踏んだ?
「…いいけど、面白くねぇぞ。」
「……それでも、聞きたいです。」
背中合わせで、変なことを聞く。
…お兄さんの、恋バナ。
ちょっと、いや。すっごく気になる。
どんなこと、話すんだろう。
「……俺、人生で恋人、一人だけなんだよ。」
「…なるほど。」
意外と、というよりは。やっぱり。
すっごく一途な人なんだな。お兄さんって。
「…まー、4年前?ハタチの時に別れたけど。」
「……何年くらい、続いてたんすか?」
「…………5年、かな。」
ほんの少しだけ、懐かしむような。
そんな冷たい声で、お兄さんは呟く。
「なんで別れたんすか?」
「……色々、我慢出来なくなってな。」
「………色々、って?」
「…。」
急激に、時間が遅くなる。
「……いろいろ、な。」
「…色々、っすか。」
なんでだろう。いつも通りの口調なのに。
やたらと言葉が、重い。
「……お前は?」
「へ?」
「お前はなんか、色恋話無いのか?」
「……えーと…。」
……切り返されるのを予想してなかったのか?
「いや、その…この質問しといてアレっすけど、
……ボク、誰かと付き合ったこと無くて…。」
「……え、何かないのか?
ほら、あのネルクとかいう坊ちゃんとか。」
「なんでそこでネルくんが出てくるんすか。」
「あ、いや。なんとなく。」
……なんとなく、似てるんだよな。
……ボクの初恋は、小説のキャラクターだ。
13歳の時に読んだ、『拝啓、クソッタレ共へ』。
………物黒先生の、処女作。
それに出てくる主人公の友達、『鷹野』くん。
誰かがいじめられているのが許せなくて、
相手がいっぱいいても絶対に引かない。
…あの少年、見た目が鷹野に似てるんだよな。
髪色は鷹野は黒、坊ちゃんはプラチナだが、
どっちも中性的かつ身長が低い。
鷹野は高校三年生時点で159cm。
坊ちゃんは目測だが、150半ばだろう。
それだけじゃない。
一目見て分かる善人オーラというか。
少なくとも、俺なんぞより余程真っ当というか。
ちょっと朝真さんに雰囲気が似ている。
……まぁ、頑固親父の前に連れて行っても、
一発で結婚許可出してくれそうな。
何故朔夜が告白を断ったのかがわからない。
「…なんか、前にも言ったっすけど。
そう、じゃないんすよねぇ。」
確かに、タイプとしてはネルくんはドンピシャ。
髪さえ黒ければ鷹野くんに生き写しだろう。
けど、違う。
小説は小説だし、ネルくんはネルくん。
初恋の人に似てるからって、
重ねるのはネルくんに失礼だ。
「………なんか、ね。」
まぁ、恋愛なんて往々にしてそんなもんだろう。
タイプでも好きにならないことなんて、
いくらでもある事は言うまでもない。
「……ま、まぁボクの話はいいじゃないすか!
次の話しましょうよ!」
「…だな。」
初恋なんて、したことない。
したことない、はず。
「じゃ、質問。」
「うす。」
「なんでお前、ウチに入り浸るんだ?」
「……えと。」
一人暮らしの男の家に、
何が面白くて入り浸るのか理解できない。
せいぜいメシくらいなものだろうか。
それでもマスターや朝真さんの方が、
料理の腕前は間違いなく俺なんかよりも高い。
プロに勝てるだなんて思っちゃいない。
「…なんか、落ち着くんすよねぇ。」
いつもより少し低い声で、朔夜はそう答えた。
「……ふーん。」
「…お邪魔、っしたかね。」
いつも以上に、不安な声に変わる。
「……邪魔だったらとっくに追い出してる。」
正直、朔夜のお陰で生活リズムは安定している。
木曜と日曜日はバイトで来ない。
それ以外の日は大体17時くらいに来る。
だから、俺はそれに合わせて飯を作る。
そんな生活がひと月くらい続けば、
不健康な生活リズムもだんだん治ってくる。
お陰様で、7時前に起きて23時前に寝る、
非常に規則正しい生活を送っている。
「…だから、あんまり気ぃ遣うな。」
それに、俺もコイツ相手だと気が楽だ。
何にも気を配る必要も無い。
何考えてるかは顔と声色で大体わかるし。
「そー言ってくれると、有難いっすけど…。」
お兄さんといると、すごく安心する。
けど、どうしようもないくらい不安になる。
お兄さんは、ボクが頼んだことを絶対断らない。
いや、たまにちょっと嫌そうな顔するけど。
それでも、絶対引き受けてくれる。
…今日だって、そうだ。
お家に押しかけても、ご飯恵んでもらっても、
一緒のお布団で寝ても、寝る前にお喋りしても。
全部全部、許してくれる。
……ボクは、お兄さんのために、何かしたかな。
「…朔夜、俺らってさ。
何きっかけで仲良くなったんだったか。」
「え?」
たかが2ヶ月ほどしか経ってないはずなのに、
嫌って言うほど遠い昔に感じてしまう。
小説ばっかり書いてた4年間に比べて、
朔夜と出会ってからの時間は余程長く感じる。
「…えーと、深夜にお兄さん追っかけて…。
コンビニ行こうって言ったら本当に来てくれて…。」
「ちょろいなぁ、俺。」
「…で、コンビニ飯おごってもらったから、
代わりと言っちゃなんすけど膝枕して……。」
「ちょろいなぁ、お前。」
お兄さんの反応に、くすっと笑ってしまう。
「ははっ、考えてみれば変な関係っすね。」
「あぁ、妙な繋がりだよ。ホント。」
んはは、とお兄さんの静かな笑い声が響く。
「…変な関係スタートなら、
別に変なままだって、良いのかもな?」
「え?」
ひとしきり笑い終わったあとに、
お兄さんがいつもの重い声で語りかけてくる。
「ほぼ毎晩、晩飯食いに来る女子高生も、
そいつに料理作ってる俺も。
ぜーんぶ、変なままでいいんじゃねぇか。」
優しく、語りかけるように。お兄さんは告げる。
「……いい……いや、そう…っすね。」
少しだけ、安心したような口調で朔夜が呟く。
「…お兄さん。」
「どうした?」
視点を、変える。
お兄さんの背中が、目の前に広がる。
「…こっち、向いてくれませんか?」
背中を軽く触られる。
「………はい?」
「…こっち、向いて欲しい……っす。」
聞いたこともないほど、切ない声。
下手したら泣くんじゃないかって、
そう思わされるくらいの、少し掠れた声。
「…いい、ぞ。」
ほんの少しだけ上擦った声で、
お兄さんから答えが返ってくる。
声の後、見つめていた背中が、胸に変わる。
「…もう少し上に上がってこい。
せっかく枕あるんだし。」
「……えと。」
今、顔を見られると、困るのだ。
「………何で俺の胸に、顔埋めるんだ。」
「…にゃんとにゃく。」
自分でこっち向いてとか言ったのに。
「…お前の体、結構冷たいんだな。」
「……っす。」
お兄さんの背中に手を回す。
敷布団とお兄さんの間に、手を強引に入れる。
「…おにーさんは、意外とごつい…っすね…。」
「それなりに鍛えてるからな。」
何で、声の調子変わんないんだよ。お兄さん。
「……朔夜?」
「…なん、すか?」
火照った顔を、お兄さんに擦り付ける。
「………抱き締めたいって言ったら、怒るか?」
「…んえ?」
胸から視点を離して、お兄さんの顔を見上げる。
「…ぎゅってしても、いいか?」
「…。」
暗くて、よくわかんないや。
「……やっぱり、嫌、か?」
「…。」
答えろよ。ボク。
「…どうぞ。」
「……ん?」
願ったり叶ったりだろ。
「……ボクの貧相な身体で良ければ…どうぞ。」
「…フフ。」
お兄さんが、呆れたような笑い声を上げる。
途端、視界がお兄さんの胸に埋まる。
「んぶっ。」
「…あ、少し強すぎたか?すまんすまん。」
もう、逃げ場なんてどこにもない。
逃げるつもりなんて、それ以上にない。
「……ばーか。身体なんてどうでもいい。
……お前だってことだけに意味がある。」
ずるいよ。それは。お兄さん。
それじゃまるで、ボクのこと…。
淡い期待は、持たない主義なのに。
少しづつ、体をせり上げる。
見てみたい。今のお兄さんの顔を。
「…ホントに冷たいな、お前の体。
まぁ、この時期には有難いくらいなもんだ…。」
お兄さんの顔は、今まで見たことないくらい、
すごく安心しきってて。
だからこそ、ちょっとだけ腹が立つ。
お兄さんの首元に、顔を預ける。
「……ん、随分近付いて来たな。」
「良いじゃないすか。変な関係なんだし。」
「………まぁ、そっか。」
そんな問答の後に、またお兄さんは目を瞑って、
完全に安心しきった表情になる。
「んじゃ…おやすみ……。」
「…おやすみ、なさいっす。」
眠りの挨拶を告げてすぐに、
お兄さんは静かな寝息を立て始めた。
前に膝枕した時は、お兄さんは30分くらいは、
ずーっと寝れなさそうにしてた。
…あの時よりは、
ボクのこと信頼してくれてるのかな。
…まぁ、自分の使い慣れたお布団だから、
寝付き早いだけだろうな。
お兄さんのそばにいると、それだけで暖かい。
体だけじゃない。
なんでだろうな。自分でも不思議なくらい。
好きだとか嫌いだとか。
そんな言葉でこの関係を測りたくない。
もう、いいや。考えるだけ無駄。
せっかく暖かいんだから、
そのまま寝ちゃえばいい。
二度目があるかもわからない好機だから。
だから、もう少しだけ許して欲しい。
神様とか、知らない。
もう少しだけ、そばに居させて。
ぼんやりと、明かりが見える。
重い瞼を、嫌々ながら開く。
「…ん………?」
腕の中には朔夜が居る。
…寝顔は、初めて見たかもな。
どうやら、リラックスして眠れたようだ。
幸せそうな寝顔が、その事実を語っている。
「……ふふっ。」
少しだけ、頬をつついてみる。
ぷに、ぷに、と柔らかく反発してくる。
滑らかな肌の触り心地は、とても良い。
これくらいは、駄賃として貰ってもいいだろう。
……まぁ、事案であるのには違いないか。
「…あ……んぅ……す…ぅ………。」
左手で頬をいじりながら、右手でスマホを取る。
時刻は午前七時。
「……朔夜、起きろ〜?学校だぞー。」
左手を頬から離し、朔夜の華奢な体を揺さぶる。
「おーい、起きろー?」
「んぁ……ぅ…ねむ………。」
「学校どうするんだ〜?」
「ふぁえ………?」
幸せそうな目が、半開きになる。
「…ん……おはおぉ、ござーます……。」
「……そろそろ登校の時間だろ?急げ〜。」
「んぇ…? きょう、どよーびっすよ…?」
「あれ?」
もう一度、スマホの画面をのぞき込む。
確かに、カレンダーは土曜日を示していた。
「…あー……すまん。」
「……にどね、するっすねぇ………。」
半開きの目が、ゆっくりと閉じる。
…閉じていく瞼が、途中で止まる。
「…おにーさんも、にどね、するっすかぁ?」
甘えた声で、朔夜はそう問いかける。
…二度寝なんて、滅多にしないのだが。
「………じゃ、お言葉に甘えて。」
「…いらっしゃぁ……い。」
また、幸せな夢の中。
夢なんて見る歳では、無いと言うのに。
次に目が覚めたのは、午前九時だった。
我ながらぐっすりだったらしい。
「……ふわ…ぁ。」
流石にそろそろ起きるか。
立ち上がろうとしたら、左腕を引かれた。
朔夜ががっしり掴んで、抱き枕代わりにしていた。
「……フフっ。」
丁寧に、起こさないように。
左腕をゆっくりと動かして解放する。
「んにゃ…やぁ……。」
まるで、赤ん坊だな。
寝起きでぐずらないだけ有難いものだが。
「……よし。」
…朝飯、作るか。
今日は簡単でいいな。別に。
いい、匂い。
ベーコンでも焼いてるかな?
…けど。
……まだもう少しだけ寝ていたい。
このお布団が、ボクを離してくれない。
離して欲しいとも、思ってないけど。
「……い。」
……お兄さんかな?
「…おーい?」
でも、
「………起きないのかー?」
まだもうちょっとだけ……。
「起きろ。」
「あぅ。」
布団を強引に剥がれる。
「…おやすみなさぁい……。」
「起きろって。」
「あぅ。」
頬っぺたに優しく、暖かい手が載せられる。
「……今、なんじっすか?」
「11時。」
「え?」
「ん〜…美味ひい〜っ!!」
ベーコンエッグ、小松菜の味噌汁、
茹でたほうれん草に、白米。それだけ。
それだけの朝飯でも、
ニッコニコで頬張る朔夜の食べっぷりは、
本当に作り甲斐がある。
目玉焼きの、ピンク色になった黄身だけを、
優しく箸で切り取る。
…それを、丸ごと口に入れる!
「…ん〜っ!焼き加減最高っす〜!」
半熟の黄身が、どろりと口の中を支配する。
上にかかった塩胡椒が、甘味を引き立てる。
白いごはんとの相性は、最高以上。
朝ごはんとして、これ以上があるだろうか。
「…この程度で喜んでくれるなら、有難いな。」
「いやぁ、朝メシまで作って貰っちゃって、
ホント……頭上がんないっすよ。」
「気にするな。妙な関係なんだから。」
次は白身の部分を箸で切り取る。
もちろん、ベーコンも一緒に。
部屋に差し込む朝日が反射して、キラキラ輝く。
箸の先を、口の中まで運ぶ。
ベーコンのほどよい塩っけと強い食感、
白身のぷるんとした優しい歯触り。
こんな真逆なのに、なんで合うのかな。
料理というものは、本当に不思議だ。
「……ホントにお前…な。」
「え?なんすか?」
「………いや、何でもない。フフっ。」
変なお兄さん。
お味噌汁を口に含む。
塩分が、起きたばかりの体に染み渡る。
小松菜もシャキシャキしてて美味しい。
一味唐辛子だろうか?程よく辛味もある。
「…あんまり急いで食うなよ〜。」
「大丈夫っす!
もしも喉詰まらせても、お兄さんが居るんで!」
「……そのまま放っといてやろうか。」
お兄さんは、優しい。
口ではこう言ってるけど、絶対助けてくれる。
……ボクは、甘えっぱなしだ。
ほうれん草には、鰹節と醤油がジャスティスだ。
「…あ、マヨネーズ使うか?」
「え?」
お兄さんの首元を見つめる。
「……あれ、やったことないか?」
「…鰹節しか、かけたことないっす。」
「マジか。試してみるか?」
「やってみるっす。」
お兄さんが冷蔵庫から、マヨネーズを取り出す。
マヨネーズをかけてから、お醤油を垂らす。
初めての、体験。
「…いただきますっ!」
「おう。」
ぱくっ、とほうれん草に食いつく。
マヨネーズの酸味、お醤油の塩味、
ほうれん草の甘味がお互いに支え合っている。
鰹節は旨味が添加されるものだが。
…これは、美味しい。
「……美味い、っす。」
「…ん。なんか、不服そうだな。」
この組み合わせ、何で思いつかなかったんだろ。
冷静に考えたら、絶対に合うじゃん。
なんか、ちょっと悔しい。
「………ふぅ、ご馳走様っした!」
「おう。食器は下げとけ。後で洗う。」
「いや、今日は自分で洗うっす!」
「ダメ。」
お兄さんに、バッサリ切られる。
「…うぅ、何でさせてくれないんすか。」
「なんとなく。」
「食器割ったりなんてしないっすよ!絶対!」
「それは心配してない。」
食器をシンクに下げたら、
横からお兄さんがぬっと現れる。
「…まぁ、帰るなら帰るでいいし。
ゆっくりするならゆっくりしてけ。」
「……いや、流石にそろそろ帰るっすよ。
泊めてもらった上に居座る訳にはいかないっす。」
「そっか。」
食器を洗いながら、お兄さんが話しかけてくる。
「…服、どうする?」
「あ…仕方ないんで制服着て帰るっす。」
「そのパーカーは?」
「いや、返すっすよ。洗って。」
「いい。そのまま置いてけ。
その服は今度から、お前専用だな。」
黒のロングパーカーは、ボク専用になった。
「……なぁ、朔夜?」
「え?」
「…次は、いつ来るんだ?」
暖かい声が、ボクの耳に飛び込んでくる。
「……いつ、来ていいっすか?」
少女の声は、どことなく暖かい。
「…あー。LINEとか交換しとくか?」
「……しましょっ、か。」
ホント、ボクたち。
……変な関係だよなぁ。
「…そいじゃ、マジでお世話になったっす。」
「おう。気にすんな。」
玄関先で、2人揃って笑い合う。
「……また、来いよ。」
「もちろんっす!」
一段下がった朔夜をぼぅっと見つめる。
「…じゃ、また、な。」
「うす!今度からはLINEしますからね!」
「好きにしろ。」
「じゃあ!また今度!」
ぺこり、と頭を下げて朔夜はドアを閉めた。
……我ながら、とんでもない事をした。
お兄さんと一緒の布団で寝るとは。
…これから、まともに顔、見れるだろうか。
……本当に、アイツは変わってるなぁ。
まぁ、多少変わってる方が面白い。
人世は所詮、享楽。人生は賭場への入場券。
………俺が夢を見ることは、許されていないが。
…まぁ、これから下書きの推敲を頼むくらいは。
良いんじゃないだろうかとも思うが。
「あめ」って言われて、
あなたは何を思い浮かべますか?
私は常識人なので「雨」でした。
友達は「アメンドーズ」でした。
どう思いますか?
啓蒙が溜まりすぎてると思いませんか?
キャンディの方の飴はどうにも、
すぐに思いつかないんですよねぇ。
多分、雨が好きだからなんでしょうけど。
さて、今回はちょっと変わった形式でした。
朔夜の視点からも見せてみました。
ちょっと読みにくいですよね。
私もそう思います。
夜、ホントに一緒に寝るだけの2人でした。
まぁ、2人ともヘタレなので。多分。
今回の更新、1日遅れてしまいまして、
大変申し訳ございませんでした。
以後このようなことはないように、
徹底致します。申し訳ございません。
さぁ、改めまして、
ここまで読んでくださった皆様、
マジで感謝以上の感情がございません。
これからも、
あなたの素晴らしいストーリーライフを
心の底から願っております。
いだすけさんでした。