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第2話 ドラゴン退治

 馬車を乗り継いで、後少しで帝都と言うところまで来た。

 

「お前さんも帝都の魔法大学へ行くんかい?」


「魔法大学?」


 合同馬車で揺られていた所、隣に座る若者が話しかけ来る。

 彼の格好はローブに杖を持っていたので魔導師だろう。


「あんた知らないで魔導師してたのか? 信じられねー」


 何やら呆れられてしまったが、本当に魔法大学なんて知らない。

 だから彼にその説明を求めてみた。


「リシア魔法大学って言えば帝国民だけじゃなく周辺諸国に住む魔法に携わる者なら憧れの場所だぞ」


「そう言えば聞いたことがある様なない様なー」


 部下の誰かが魔法大学に行きたいとか言ってた気がした。

 だけど実際に行く様子はなかったしあまり気にしてなかったので覚えていない。


「俺は魔法大学に入学して帝国の魔導師になるのが夢なんだ!」


「いい夢じゃないか、頑張れよ!」


 俺よりも年齢が若いものが大志を抱く姿に感銘を受けたと同時に、俺も魔法大学に興味を示した。

 彼から詳しく聞いた結果、受験は誰もで出来るし実力主義だから身分も一切問わない。


「君の話しを聞いて俺も受けたくなったからライバルだね。俺はクラトス、よろしくね」


「げっ!ライバル増やしちまったよ! まぁ俺は絶対に合格するからいいんだけどね。俺はダニエル、よろしくなクラトス!」


 ダニエルは帝国の辺境の貴族の子息で魔法の才能に恵まれ育った。

 今年で18歳になるので魔法大学を受験する決意をしたそうだ。


 意気投合した俺たちは色々と語り合った。

 魔法の使い方やその応用方法まで様々だ。


 王国と帝国では別の進化を遂げているのでとても勉強になるし話していて飽きない。


「それじゃクラトスは王宮の魔導師を辞めて帝国に来たのか」


「まぁそうなるかな」


 正確には辞めさせられたという方が正しいかもしれないが、恥ずかしくて言えなかった。

 そんな事を話している時だった。


 前方の方で大きな爆発音が響いて、馬が停止した。

 馬車に乗る人たちも突然の事でパニックになりかけている。


「あの音は――」


「ああ、多分火炎魔法だろう」


 俺が言おうとした事を当てたダニエルはきっと凄い才能を持っているだろう。

 音だけで魔法の類であると分かり、その上火炎魔法とまで絞り込んだ。


「何かトラブルかもしれないし行くぞ」


「分かってる!」


 馬車が走る道で普通、火炎魔法なんて使用しないから事件である可能性が極めて高い。

 俺たちは馬車から飛び降りて音のする方に視線を向けた。


「ドラ……ゴン!?」


 視線に飛び込んできたのは山の様にでかい身体をした緑のドラゴン。

 それに対するは数台の馬車と一人の女性だ。


 察するに馬車が突然現れたドラゴンに襲われ、魔導師の女性が戦っているのだろう。

 現に彼女は杖を持って魔法を放っていた。


「助けに行くぞ!」


「待てクラトス! 相手はドラゴンだ! 勝てっこない!」


 ドラゴンは魔法だけでなく物理攻撃も生半可な攻撃は効かない。

 奴に対抗できるのは勇者と呼ばれる存在や魔導師よりも更に上の存在である賢者くらいだ。


 その事を知っているダニエルは自分が勝てないとすぐに察したのだろう。

 相手の力量を図り勝てない相手に挑まないのは悪い事じゃない。


 命を無駄に散らす必要はないし、戦略的撤退も作戦の一つだ。

 しかし、目の前で襲われている人を助けないというのは俺にはできなかった。


「ダニエル! ドラゴンは俺が相手をするからお前は倒れている騎士達を助けてやってくれ!」


「クラトス!? 正気か!?」


 俺は飛行魔法で空を飛びドラゴンの背後に回り込む。

 そして特大の氷魔法で作った槍、『アイスランス』でドラゴンを串刺しにした。


「グオオオオオッ!!」


 いきなり攻撃され血を流したドラゴンはよろめきながらも俺の方に首を向けてくる。

 攻撃したのが俺だと分かるとすぐに口から火を吐き応戦してきた。


 モロにくらえば人間である俺は灰も残らないだろう。

 だけどそれはくらえばの話で、魔法障壁を展開し火を逸らせばいいだけのこと。


「そこの魔導師さん、今の内に仲間達を遠くへ!」


「え、あ、はい!」


 茫然と立ち尽くしていた魔導師に仲間を連れて遠くへ行く様指示する。

 こちらも少しずつ後退しドラゴンを馬車から遠ざけて行く。


「そろそろ大丈夫かな?」


 火を吹きながら俺についてくるドラゴンが馬車とだいぶ距離が取れたのを確認した。

 魔法障壁を展開しつつ、もう一つの魔法を行使する。


 内容は土魔法で作り上げた大きな岩を遥か上空から落とすだけ。

 それでも凄まじい威力があるのは間違いない。


「それじゃこれでも食らっていろ!」


 杖を振りかがし勢いよく岩がドラゴンに襲いかかって行く。

 空を飛んで逃げるにしても間に合わない。


 凄まじい音と共に岩はドラゴンの身体を圧し潰してしまい、命を奪った。

 ほとんど体の原型が保たれていない状況で生きているのはあり得ない。


「今の魔法は……流星群でいいかな?」


 安直かもしれないけどとりあえず名前を決めた俺は、騎士達を介抱している女性魔導師のもとへ向かった。

読者様へ。



楽しんで頂ければ幸いと思っていますが、その際に少しでも面白い・続きが読みたいと感じてくだされば、広告の下にある☆☆☆☆☆を★★★★★の様にして評価して貰えると嬉しく思います!


読者様一人ひとりの評価が、八女のやる気に繋がります笑


長くなりましたが、どうぞよろしくお願いします。


以上、八女かえでからのお願いでした

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