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第1話 国王からの解雇宣言

纏めて投稿していきますのでブックマークの方よろしくお願いします。

「クラトス、今までご苦労様でしたね。これからは来なくていいよ」


 俺に解雇を言い渡したのはこの国の新国王デニス陛下。

 半年前に前国王が崩御され即位されたお人だ。


「どういう事ですか陛下? 何故私を解雇するのです!」


「人員整理だよ、君の給金で他に数人雇った方がいいと思ってね」


 俺はアトラス王国の王宮で魔導師団長をしていた。

 先代の国王陛下であるノア陛下に抜擢され20代という若い年齢で団長までかけ上がれた。


「ですが、今私が構築した魔法はどうな――」


 どうなるかと聞こうとしたが。


「うるさい黙れ! 俺は国王だぞ! 逆らうなら反逆罪で引っ捕らえてやる!」


「っ……」


 相手が国王陛下であれば俺は逆らえない。

 仕方なく受け入れるしかないのだ。


「貴様に与えられていた道具は全て国の物だ。持って行く事は許さんからな」


「畏まりました……」


 帰り際にデニス陛下にそう言われたが持って行くつもりなんて元々ない。

 謁見の間からでた俺は一度部下達に会う為、魔導師達に与えられた部屋へ向かう。


「クラトスさん辞めちゃうんですか……」


「せっかく色々と教えて貰おうと思ったのに……」


 俺を慕ってくれている部下は「なら俺も辞める!」と言い出す者までいた。

 しかし、全員から慕われていた訳じゃない。


「先王のコネで団長になっただけだし当然だよね」


「やっといなくなって清々する」


 デニス陛下を慕っている者や貴族出身の者は俺を嫌っていた。

 俺は貴族出身ではないのでそれも仕方ないとも言える。


「まだ居たのかクラトス」


 後から部屋に入ってきた40代くらいの男性マルロー。

 今まで副団長を務めていた人物だ。


「マルローさんどうしてここに?」


 彼は侯爵家出身の魔導師で個室が与えられている。

 その為この部屋には滅多に来ない。


「最後くらい別れを言いにきたと言ったら?」


「マルローさんが?」


 少し意外な事だったので俺は驚き、感動しそうになったのだが。


「んな訳ないだろ! 最後にお前の顔を拝む為だよ! そしてお前達聞け! 今日から団長はこの俺だ!」


 そのセリフに俺は唖然とする。

 バカにする為だけにここに来たマルローは俺の肩に手をいて「今までご苦労さん」と小声で呟いた。


「……あとの事はお願いしますよ」


 はっきり言ってマルローさんは苦手だ。

 貴族と平民というのもあるだろうが、とにかく新しい物に偏見を持つ。


 俺たちが新しい術式を発明しても容認してくれない上、効率が悪い旧式の魔導具を崇めているのではないかと思うほどこのむ。


 ここにいても辛い思いしかしないので、俺は足早に王城を去る事にした。

 王都にある屋敷に戻り、一人でお茶を飲みながら今後について考える。


「この国で働くのも厳しいかなー」


 魔導師の仕事は限られている。

 元々魔力を持つ人間は珍しいので判明すれば王宮に召し上げられる。


 しかしその王宮から追放された俺に魔導師の仕事なんてないも同然。

 平民である俺にできる仕事は農民とかになる。


「少し気分転換するか」


 家の中にいても気分が晴れないので王都を散策する事にした。

 ノア陛下が崩御され今まで忙し過ぎて休みなんてない様な物だった。


 これからは毎日が休みだし、職探しも兼ねて散歩をしてみる。

 

「王都も随分と変わったな」


 魔導師が開発する魔導具を利用した街づくりは俺が力を入れていた分野だ。

 街灯などを使えば夜でも明るくなるし、馬に頼らない移動手段の確立などにも言える。


 ブラブラと歩いていた所昨日の夜から何も食べてないことを思い出し、適当なレストランにはいった。


「聞いたかい? 隣国の帝国が今凄いらしいぞ」


「知ってるさ、だが実力主義過ぎて俺には向いてないわ」


 アトラス王国と接しているリシア帝国。

 噂では聞いたことがあるが、来るもの拒まずを掲げていて、どんどん発展しているそうだ。


「帝国か……行ってみるのも悪くないかもしれないな」


 噂通りであれば魔導師としての職があるかもしれない。

 仮にダメだとしても旅行だと思えば失うものもない。


 俺は手早く昼食を食べ終えて家に帰った。

 帰って寝るだけの家だし必要な物は殆どないし、家は売っ払ってしまおう。


「でもこれだけは持っていかないとな」


 俺に魔法を教えてくれた先生から貰った杖。

 王宮では使う事はあまりなかったが、旅をするには必要だしこれだけは持って行く。


 家の引き渡しも済ませ大きめのカバンに食材と着替えを入れてアトラス王国の王都を発つ。

 目指すはリシア帝国の帝都。


 俺は新たな人生を掴むべく踏み出した。


 

読者様へ。



楽しんで頂ければ幸いと思っていますが、その際に少しでも面白い・続きが読みたいと感じてくだされば、広告の下にある☆☆☆☆☆を★★★★★の様にして評価して貰えると嬉しく思います!


読者様一人ひとりの評価が、八女のやる気に繋がります笑


長くなりましたが、どうぞよろしくお願いします。


以上、八女かえでからのお願いでした

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