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第9話 バカップルなクロウ&アリスベル

 昼過ぎ。



「朝からしちゃったし!」

「朝からしちゃったな」


「明るいからめっちゃ恥ずかしかったし!」

「おかげでアリスベルの身体を余すところなく隅々まで見れたよ」


「ううっ、股間もお尻の穴も全部見られちゃったよ……」

「安心してくれ、全部綺麗だったよ、感動した。それにアリスベルだって俺のを見ただろ? おあいこだよ」


「見たけど! たしかにおにーさんのチン〇ンを見ちゃったけど! っていうかアタシの目の前で、これ見よがしにピコピコ動くの見せてきたよね!? 見せつけてきたよね!? 男の人のチ〇チンがピコピコ動かせるなんて情報、アタシ知りたくなかったんだけど!?」


「すまん、アリスベルに見られてると思ったらどうにも興奮しちゃって、ピコピコ動かしてしまったんだ」


「おにーさんの変態! 見せたがりの露出狂! 淫魔! 『俺ももういい大人だからな』って言ってたのに! なにが『盛りの付いた10代の盛りのガキじゃないからな』よ。完全に盛りの付いたガキだったじゃない!」


「俺もまだまだだなぁ」

「なんかしみじみ言ってるし! まったく反省してないし!」


 なんて会話をしながら俺はアリスベルを布団に押し倒すと、さらに3回戦に突入するべく覆いかぶさった。


「まだもうちょっといいよな?」

「もう……おにーさんってばほんとえっちなんだから……ほんと全然反省してないんだから……」


 とかなんとかアリスベルは言うものの。

 なんだかんだでアリスベルは甘えたように俺にくっつき返してくると、首に手を回してチュッとキスまでプレゼントしてくるのだった。


 まったく口では俺をえっちだのなんだの言いながら、こうやってキスまでしてくるんだもん。

 ほんとうもう可愛いヤツだなぁ、こいつぅ。


 ――などとアリスベルと抱きしめあってキスをかわしながら、俺がにやにや思っていると、


 チリーン、チリーン。

 唐突に玄関で呼び鈴が鳴った。


「あ、誰か来ちゃった」

「えっ、出ないとダメか?」


「接骨院のお客さんかもだし。一応本日休業のプレートはかけてあるけど。はーい、ちょっと待って下さいね、今出まーす」


 アリスベルはさっきまでの甘い雰囲気をパッと捨て去ると、するっと俺の腕の中から抜け出して、ささっと服を着て玄関へと向かった。


 一瞬の早業に俺は未練たらたら、手持無沙汰で布団に一人取り残されてしまったのだった。


「女の子の切り替えの早さってすごいなぁ……」


 すぐにガチャリと玄関のドアが開く音がして、


「ごめんなさい、今日は接骨院はお休みなんです~」

 アリスベルの営業用の明るい声と、


「接骨院にかかりに来たわけではないんです。町長殿よりこちらのお宅に勇者クロウ=アサミヤ様がいらっしゃると伺い、依頼のためにやって参りました」

 来訪者と思しき女性の声が聞こえてきた。


「おにーさんにお客さんだってー。女の人が、なんかの依頼って」

 さらにはアリスベルが俺を呼ぶ声も聞こえてくる。


「わかったー、すぐ行くよ」


 エルフ自治領に俺の知り合いはいない。

 ということは、おそらく昨日の魔獣退治に関することだろう。

 町長に聞いてきたって言ってたしな。


 行政機関から聞き取り調査にでも来たのかな?

 俺は相手の目的に当たりをつけると、布団から起き上って玄関へと向かった。



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― 新着の感想 ―
[気になる点] ご近所の親切なお年寄りがお赤飯を焚いてお祝いしてそうですね。
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