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第20話 グレートタイガー討伐戦

 単身踏み込んだ俺を、グレートタイガーたちは仲間と連携して返り討ちにせんと襲いかかってきた。


 単に戦闘力が高いだけでなく、高い知恵まで兼ね備えたやっかいな上位魔獣──それがAランク魔獣グレートタイガーなのだ。


 しかし、


「そらよっと、はい、ほい、それ、はい、ほい、えいやっと」


 俺は敵の連携なんぞ全く意に介することなく、襲ってきたグレートタイガーを片っ端から返り討ちにして(ほふ)っていった。


 グレートタイガーの6メートルはあろうかという巨大な身体から繰り出される、鋭い爪による殺意の高い攻撃も、俺にとっては小さな子猫の可愛らしい猫パンチみたいなものだ。


 軽く見切って避けると、すれ違いざまに胴体を真っ二つにする。


 そんな俺の攻撃の終わり際を狙い、固く鋭いキバで左右から噛みついてこようと2体のグレートタイガーがほぼ同時に襲いかかってきた。


 しかし俺は右から来たグレートタイガーのあごを強烈に蹴りあげると、その間にもう片方の首を一瞬で斬り落とす。


 さらにあごを蹴り上げられて胴体ががら空きになっている右のグレートタイガーの身体に向かって『破邪の聖剣』を横薙ぎに振い、これまた真っ二つに斬り裂いた。


 戦闘と呼ぶのをためらうほどに、あまりに一方的すぎる俺の討伐劇。

 総数42体のグレートタイガーを全討伐するのに、大した手間も時間はかかりはしなかった。


 もちろんピンチなんて一度もないし、苦戦することすらない。

 文句なしの完全勝利だった。


 ま、腰さえ問題なければ、俺は魔王を討伐したSSSランクの勇者だからな。

 これぐらいは当然なのだ。


 疲労を覚えることすらなくあっさり戦いを終えた俺が、静かに見守っていた2人のところに戻ると、


「まさかこれほどの戦闘力とは……おみそれしました勇者様、これが魔王を討伐し世界を救った勇者様のお力なのですね」


 フィオナが心底感心したように目をキラキラさせながら言ってきた。

 頬も赤くなっている。

 エルフって肌が白いから、照れたりして顔が赤くなると結構分かりやすいんだよな。

 フィオナは透き通るような白い肌をしているから、それが特に顕著だった。


「いいっていいって。数十体いるAランク魔獣を瞬殺するとか言われても、そりゃなかなか信じられないだろうしさ」


 俺は全然気にしてないよと伝わるように、なるべく軽い感じで言葉を返す。


 勇者の力は世界を滅ぼしかねない強大な敵と戦うための、文字通り人知を超えた規格外のスーパーパワーだ。

 その圧倒的なまでの強さは、一般的な価値観や常識を完全に逸脱している。


 だからあれやこれや口で説明するよりも、こうやって実際に見てもらうのが一番手っ取り早いんだよな。


「そうとは知らず、なにかあったら言って下さいなどと不敬極まりない発言をしてしまったこと、全て私の不心得にございます。私の不明をどうかお許しくださいませ」


 しかしフィオナは腰から大きく身体を折り曲げると、深く頭を下げて誠心誠意の謝罪の言葉を述べてくるのだ。


「だから全然いいってば。言葉で説明するより、実際に見てもらうのが一番早いってだけなんだからさ」


「しかもそこまでの力を持ちながらまったく偉ぶるところがない、人としての高い徳。私は今、真に仕えるべき生涯の主を見つけた気がします」


「ま、まあそこまで誉められると俺もまんざらではないかなって……ふふふ」


 フィオナはすごく美人だし、胸も大きいし?


「ちょっとおにーさん、フィオナさんに手を出したらダメだからね? フィオナさんがおにーさんの活躍に見惚れちゃったからって、ちょーしにのってえっちとかしたら、これは完全に浮気なんだからね!」


 すると突然アリスベルが横からそんなことを言ってきたのだ。

 俺の超カッコいいシーンをバッチリ見たはずなのに、まったくなにをそんなにプリプリしてるんだろう?



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― 新着の感想 ―
[一言] 主人公が強すぎるからモンスター達が雑魚丸出しですね ドラクエに例えるならもょもと(LV48)状態でマンドリルを撲殺してる感じかな
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