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感想などなど、お待ちしております。
「セーシルッ♪」
切り倒した木に、一本、一本、丁寧に水分を抜く魔法をかけていくと、マリアから楽し気な声で呼ばれた。
「どうかしたか?」
「あれ見てよ、あれ!」
マリアが指さす方を見ると、そこには二羽の野ウサギが赤色の木の実を食べていた。
「可愛いね~」
「そうだな。それに、あんな低い所に木の実があったのか」
周りの木に比べてだいぶ低い木。そのさらに下面には、赤色の実が成っていた。
低すぎるその枝になっていたので、野ウサギが食べているのを見て初めて気づいた。
「あっ、行っちゃう、行っちゃう」
俺たちの視線を感じ取ったのか、野ウサギは俊敏な動きで木々の間を潜り抜け、草むらの向こうへ走って行ってしまった。
「待って、待って~!」
「あまり遠くに行くなよ!」
子供のように野ウサギを追いかけて行ってしまうマリア。
あの野ウサギは俺たちにだけ怯えていただけだったようなので、周囲には巨大な猛獣は居ないんだろうと予想できる。
まぁ、猛獣が襲ってきたところでマリアの敵ではないが。
しかし、注意は必要だと思い声をかけたのだが、マリアは「分かった~」とこちらを振り向きもせず奥へと駆けて行ってしまった。
★
魔法をかけ終わると、手持ち無沙汰になってしまった。魔法をかけたからといって、一瞬で木の水分が抜けるわけではないからだ。
なので、その隙間時間で何ができるだろう、と少し考えて思い至る。
家の近くに池を作るのはどうだろうか?
飲み水は井戸から確保すればいいので、池は俺たちの憩いの場として利用するだけとなるが。
しかし、それだけではもったいないので魚を放流して釣りができるようにする。
昨日、空を飛んだ時に近くに川があるのを視認している。そこで釣った魚を池に放流して、魚が食べたくなった時は、そこから再び釣り上げる。
その場合、ただのため池では水質が悪くなるので、地下水脈の流れを少し変えて池の底から湧き出るようにすることで、常に水が循環した状態となるので魚が臭くない状態にできるだろう。
そうと決まれば、池作りだ。
★
先ほどと同じように、池を作る場所を確保するために周辺の木を伐採して、土地を確保していく。
ここで切った木はすぐに使わないので、枝葉を打ち払い丸太にした状態で、適当にその辺に
池用の土地が出来たら、池の大きさを考えて目印をつけ、そこへ目がけて爆発魔法を撃ち放つ!
ドォォォォォォオオオオ!!!! という、大地を揺さぶる震動と、鼓膜を一時機能停止させるほどの爆発音が響く。
視界をふさいでいた土埃が晴れると、爆発によって地面は大きくえぐれ、弾け飛んだ土は天高く舞い上がっていた。
それから一瞬遅れて、時間が止まったように静かだった森の木々から小鳥たちが一斉に飛び上がった。
「ふむ……。なかなか綺麗に掘れたな」
爆発魔法によって掘り返された池は、やや人工的な見た目が否めないが、それでも周囲の景観を損ねない程度には上手くできたと思う。
あとは、ここに水を溜めるだけだ。
しかし、このまま水を溜めては掘りたての柔らかい土が溶けて流れてしまうので、硬質化の魔法をかけて土が水に溶けださないようにした。
最後は、地下水脈の流れを少し弄って、底から常に湧き出すようにして池の完成となった。
このままでは殺風景な水たまりになってしまうので、土が安定してきたら近くの川から水草なりなんなり持ってきて移植しようと思う。
これで、池は一時完成として良いだろう。
次話は、本日午後5時に投稿します。




