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暗殺神

革命派序列第87位『暗殺神』


革命派の切り札とも言えるこの神は、唯一中立派序列第2位『戦神』や保守派序列第1位『管理神』、序列第3位『創界神』を屠ることができる可能性を持つ。黒で身を覆い、仮面を付けたその姿はさながら死神を思わせ………というか、俺である。

前世の記憶を持って俺が神界に生まれた時、神界は戦争真っ最中だった。今現在の我らが革命派のトップ、序列第5位『道祖神』が停滞し古くなった制度を一新しようと若き神々を煽動して起こした戦争は瞬く間に神界全土に拡大し、多くの犠牲者を出した。『管理神』率いる保守派と革命派は総力を挙げて神界自体が軋み悲鳴を上げるまでぶつかり合った。

そこで流石に中立派のトップ、『武神』が介入、争いの規模は縮小していった。

俺は戦時中にたまたま『道祖神』に拾われて革命派に入り、今に至る訳である。


俺は会議室に向かっていた。非常に面倒臭いが、一応俺は革命派の中でも重要な位にあるため出席しなければならない。

会議室の扉を開けると、既に俺以外の神が着席していた。俺も軽く頭を下げ椅子に座る。

俺が席に着いたのを確認した女神が口を開く。


「シュオも来たようだな。ではこれより、革命派参謀会議を始める。二礼!二拍手!一礼!」


「「「「「二礼!二拍手!一礼!」」」」」


俺も一応やっておくが、何年経ってもやはりこの儀式には慣れない。俺から見たら完全に参拝なのだ。神が神に祈るとはこれいかに。


「うむ、では最初にシュオから、今回の成果を聞かせてもらおうか」


俺に問いを投げるこの女神が、序列第5位『道祖神メステル』その人だ。

沢山の神々からの視線を感じながら今回の成果を言う。


「天使7匹に圏外の神3柱だ。やはり管理神のお膝元はやりにくい」


「そうか……良く頑張った。次、ニメア、今後の作戦について変更………」


これで俺の仕事は終わりだ。後は他の神々の発表が延々と続く。

少し時間があるから、お前らにも分かりやすいように神界の事をもっと詳しく解説するとしよう。お前らとは、もちろん覗いているお前らだ。


この世界は、神々が住まう世界だ。神々が住まうと言っても別に真っ白な訳ではなく、普通に緑豊かだ。よくあるフャンタジーの登場人物を全て神に置き換えた感じ、と言えば分かるだろうか?

次に、この世界に住んでいる神々には序列がつけられている。強さ、影響力、神界への貢献度などで総合的に序列は決められる。ちなみに神界には神が三億ほど暮らしているため、序列第87位の俺は超エリートだ。序列101位からは圏外と呼ばれる。

神々は女性ばかりだ。詳しくはよく分からないが、生み出す側の存在である神と同じく生み出す側の女性の存在が反応しているらしい。男は俺と第11位『鍛治神』だけだ。

中立派、保守派、革命派についても話しておこう。中立派は、力無き神や戦争に興味がない神々が大半を占めている。トップは序列第2位『戦神』。

保守派は力がある神が多く、その大半は昔から神界に貢献している。創造神の教えを忠実に守っている。トップは序列第1位『管理神』。

革命派は若い神々が多く、最も数が多い。今ある法を作り変えることが目的で、さらなる神界の発展を目指している。トップは序列第5位『道祖神』

次は魔獣だろうか。

神界にも魔獣はいる。ペットみたいなやつから凶暴なやつまで。今回は、数多いる魔獣の中でも特にヤバイ4匹を紹介しよう。

『神峯』オルテガ

『翔海』ラフュ

『崩界』ジラル

この3匹は神界最強を誇る『戦神』とサシで互角に戦うほどの怪物だ。特にオルテガとジラルは普通に街なども襲うため、特に危険視されている。ラフュは知能が高く、海の神を娶って大人しく暮らしている。友好的なので害は無いとされている。


『邪神』ラバスヴェルディナ


前に述べた3匹よりも遥かにヤバイ。邪神とあるが、神では無い。序列持ち全員でかかっても勝てるかどうか分からない化け物だが、何故か男に弱いという弱点がある。300年前に戦神と戦って深手を負ったのを最後に行方不明になっている。

最後に神々が持つ『特性』についての話をしよう。神はそれぞれ別々の力を持っている。暗殺神ならば暗殺に特化し、戦神ならば戦いに特化する。重複はありえないし、同じ特性持ちが二人いるのもありえない。

大体こんな感じだが、理解できただろうか。


「会議はこれで終わりとする。解散!」


どうやらちょうど会議が終わったらしい。女神達が解散していく中でメステル様が俺に話しかけてきた。


「ご苦労であった。次の仕事が控えているゆえ、今日は休むと良い」


「ありがとうございます」


俺にとっては理想の上司だ。





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