表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とある少女がネトゲをやりまくった件(くだり)  作者: 葉月 優奈
八話: とある少女が呪いを解こうと奔走する件
80/122

080

気が付くと僕は机の前で眠っていた。

ゆっくり起きるが、体がいかんせん重い。

周囲を見回すと、パソコンの置いてある部屋だ。

ゲーム内の部屋と違い、手狭な和室の部屋は窮屈に感じた。


目の前にはHPゲージもなければ、コマンド画面も出てこない。

両手で顔を触って、リアルの自分であることを確認しいた。

だけど、体が重かった。鉛のように重かった。


「戻ったっ!」思わず両手を突き出して、自分の体に戻ったことを表現した。

「みたいね」僕の隣には幽霊のロゼだ。羨ましそうな目で、僕を見ていた。

そのまま僕は、ぼーっとパソコンデスクに座っていた。


「お兄ちゃんは、あたしを助けられなかったのね」

「それは……なんだ?」

「ううん、仕方ないよ。

あたしの装備は重いから吹き飛ばすの、大変だもんね」

それでもロゼは少しがっかりした顔を見せた。

なんとなくだけど、僕はロゼの頭を優しく撫でた。


「なんか優しい……」

「ああ、なんかわからないけどごめん」

ゲームはどうやらログアウトしているみたいで、パソコン画面は真っ暗だ。


「なんで?」

「いや、なんとなく」

「まあ、そういうことにしてあげる」

そういいいながらも、ロゼは膨れた顔を見せた。

でもすぐに、半分泣き出しそうな顔に変わった。


「でも、本当に良かった……お兄ちゃんまでいなくなったら、あたし」

「ロゼ……」

「ありがとう、お兄ちゃん。よかったね!」

「こら、泣きつくな」

泣き出して、僕に抱きつくロゼ。

それでもさっきまでゲームの中で感じられたロゼを、実態として感じられない。

アバターでなければ、ロゼを認識できないということか。

涙を流したロゼの、涙を拭うことさえできな自分がもどかしかった。


「ねえ、クリアしたんだよね」

「当初の目的は、リッチ・クイーンの討伐だから」

「クリアしたんだから画像を見れらる」

「そうね、見られるはずだから見よっ」

そう言いながら、僕はパソコンで再びマジック・クロニクルを立ち上げた。

だけどそんな僕はなにかモヤモヤしたものがあった。


(なんだかさっきまでの記憶がない)

そう思わずにはいられなかった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ