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とある少女がネトゲをやりまくった件(くだり)  作者: 葉月 優奈
八話: とある少女が呪いを解こうと奔走する件
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~~バイエル公国・魔王アルゴル墓地~~


かつてバイエル公国の前は、アルゴル帝国と呼ばれる国があった。

そのアルゴル帝国を倒したのが、三英雄だ。

三英雄によって、魔王アルゴルが倒されてバイエル公国が作られた。

そんな魔王アルゴルは完全に死滅することはない。

そこで墓地を作り、忌み嫌われるものと一緒に封じた。

これがバイエル公国の建国の歴史でもある。


そんな墓地で、一匹の敵を倒すのが今回のクエストだ。ゴモリが指定したクエスト。

そして最新部のバトルフィールドで、クエストの標的と戦っていた。

僕とロゼ、ロートに久々ログインしたオランジュ、ゲルプに、ヴァイオレットとシュバルツも。

最近、ヴァイオレットがよく来るな。強くて助かるけど。

薄暗い墓の中で、出てきたのは文字通り幽霊だ。


「攻撃当たりにくいわね」

ロゼは光るライトセイバーを振り回していた。

一体の巨大な幽霊に斬りかかった。敵は、骸骨の頭をした大きな幽霊。

リッチ・クイーンという名前の敵だ。


「基本は魔法攻撃だからね」

「そうそう、でもロゼたんならダメージを与えられるから」

「ロゼたんじゃないわよっ!」

オランジュとヴァイオレットが魔法を使って、リッチ・クイーンの体力を一気に減らした。

さすが廃人のヴァイオレット。騎士の他に、魔術師もできる。

オランジュと同じようにミストルテインをしっかり持っていて、魔術師装備もぬかりない。


「ふう、倒せた」

そして、出てきたのが宝箱だ。


「よし、出番だ。ロート」

「はーい」

小さい体で宝箱の前に立つロート。

盗賊であるロートの仕事の見せ場だ。

いつもどおり、ピッキングツールを使って開けようとしていた。


「罠なし、後は鍵開けるだけだね」

ロートがそう言いながら、宝箱の鍵を開けようとしていた。

そんな時、僕に一通のメッセージが届いた。同時にメッセージを開いて、僕は顔を青くした。


「ダメだ、この箱には呪いがかかっている!」

それを見て、僕は大慌てでロートに駆け寄った。

だけどロートはゆっくり開けようとしていた。


「ロート開けるな!」

スローモーションのように駆け寄る僕。

だけど、ロートは声に反応するまもなく宝箱が空いてしまった。

そんな僕はロートのことを突き飛ばした。


「え、ああっ!」

僕が体を張って、吹き飛ばした小さな体のロート。

それと同時に僕が宝箱を見ると、そこには怪しげに光る赤い目が見えた。

『汝の魂を喰らおう……』

赤い目から出てきたのは髑髏だ。

そのまま、髑髏が僕の全身を赤い光で包む。


「うわああっ!」

「ちょっと、お兄ちゃんっ!」

ロゼが急に叫ぶと、僕の視界が一気に暗転していた。


それからリアルの僕はすぐに気を失った。

パソコン前の僕もまた、その場にぐったりと倒れたのだ。



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