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~~バイエル公国・魔王アルゴル墓地~~
かつてバイエル公国の前は、アルゴル帝国と呼ばれる国があった。
そのアルゴル帝国を倒したのが、三英雄だ。
三英雄によって、魔王アルゴルが倒されてバイエル公国が作られた。
そんな魔王アルゴルは完全に死滅することはない。
そこで墓地を作り、忌み嫌われるものと一緒に封じた。
これがバイエル公国の建国の歴史でもある。
そんな墓地で、一匹の敵を倒すのが今回のクエストだ。ゴモリが指定したクエスト。
そして最新部のバトルフィールドで、クエストの標的と戦っていた。
僕とロゼ、ロートに久々ログインしたオランジュ、ゲルプに、ヴァイオレットとシュバルツも。
最近、ヴァイオレットがよく来るな。強くて助かるけど。
薄暗い墓の中で、出てきたのは文字通り幽霊だ。
「攻撃当たりにくいわね」
ロゼは光るライトセイバーを振り回していた。
一体の巨大な幽霊に斬りかかった。敵は、骸骨の頭をした大きな幽霊。
リッチ・クイーンという名前の敵だ。
「基本は魔法攻撃だからね」
「そうそう、でもロゼたんならダメージを与えられるから」
「ロゼたんじゃないわよっ!」
オランジュとヴァイオレットが魔法を使って、リッチ・クイーンの体力を一気に減らした。
さすが廃人のヴァイオレット。騎士の他に、魔術師もできる。
オランジュと同じようにミストルテインをしっかり持っていて、魔術師装備もぬかりない。
「ふう、倒せた」
そして、出てきたのが宝箱だ。
「よし、出番だ。ロート」
「はーい」
小さい体で宝箱の前に立つロート。
盗賊であるロートの仕事の見せ場だ。
いつもどおり、ピッキングツールを使って開けようとしていた。
「罠なし、後は鍵開けるだけだね」
ロートがそう言いながら、宝箱の鍵を開けようとしていた。
そんな時、僕に一通のメッセージが届いた。同時にメッセージを開いて、僕は顔を青くした。
「ダメだ、この箱には呪いがかかっている!」
それを見て、僕は大慌てでロートに駆け寄った。
だけどロートはゆっくり開けようとしていた。
「ロート開けるな!」
スローモーションのように駆け寄る僕。
だけど、ロートは声に反応するまもなく宝箱が空いてしまった。
そんな僕はロートのことを突き飛ばした。
「え、ああっ!」
僕が体を張って、吹き飛ばした小さな体のロート。
それと同時に僕が宝箱を見ると、そこには怪しげに光る赤い目が見えた。
『汝の魂を喰らおう……』
赤い目から出てきたのは髑髏だ。
そのまま、髑髏が僕の全身を赤い光で包む。
「うわああっ!」
「ちょっと、お兄ちゃんっ!」
ロゼが急に叫ぶと、僕の視界が一気に暗転していた。
それからリアルの僕はすぐに気を失った。
パソコン前の僕もまた、その場にぐったりと倒れたのだ。




