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とある少女がネトゲをやりまくった件(くだり)  作者: 葉月 優奈
六話:とある少女が祭りに参加する件
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~~ハロウィンエリア~~


ここはハロウィン限定で出てくる、復刻クエストのエリアだ。

三年前のハロウィンイベントで、戦った『ロード・オー・ランタン』と再戦できる。

真っ暗な闇の町並み、シルエットだけの城。


人のいない街を、我が物顔で飛び回るカボチャの王。

王なのは王冠をつけているからだ。

僕とオランジュは、そのエリアに三年ぶりにやってきた。


「おっ、いるいる」

「三年前に戦った時は、ボコボコだったよな。何回も全滅したよな」

「そうそう、戦士六人盗賊二人のパーティとかバランス悪すぎだって」

オランジュが笑うと、僕も笑っていた。

そんな僕らを誘うかのように、カボチャの王はゆらゆらと飛んでいた。


「そういえばノイさんは、どうなったっけ?」

「たまにインしているみたいだよ。最も夜中だけど。

フレンドリストで朝三時の時に入っているを見るよ」

「そっか、俺は十二時前には落ちるからわからないな。

でもあの人も続けているんだな、『マジック・クロニクル』を」

「ああ」オランジュの言葉に僕は頷いた。

そんな僕らの前の上空を、面白い飛び方で飛んでいるカボチャの王。


「結局、倒せたんだっけ?」

「何回もやったけど、倒せなかったよな。

ベータ版の人ぐらいしか倒せないって、批判も多かったみたいだし」

「そうそう、今のレベル80と比べるとあの頃は無謀だったよな。

当時のブラウは、レベル上げ自体していないから」

「あの頃はパーティ組んで戦うだけで、すごく新鮮だったから……」

「そうだな」

僕の言葉にオランジュの笑顔が消えた。

そんな僕らに構うことなく、カボチャの王は飛び回っていた。

その王の下に行けば、敵が気づいて襲って来る。それまでは襲ってこない。


「今の冒険、楽しいか?」

「三年目だから、始めた時の新鮮さはない。

だけど……グリフォンシグマも、みんなといるときも楽しいよ」

「そっか、ならよかった。俺もこのゲームを誘った甲斐がある」

オランジュは胸を張っていた。

金ピカのスーツで、カボチャを指さした。


「オランジュは、なんで僕を誘ったんだ?」

「それは、お前の才能を、可能性を俺は知っているからな」

「どういう意味だ?」

「ブラウは、いや蒼一はリアルに埋没する人間じゃない、リアルを悲観する必要はない。

蒼一はできるんだ、出来るやつなんだ。だけど、そのことに気づかないで諦めようとする。

だから、できるやつだってことを理解して欲しかった」

「すごいな、すごい買いかぶりだよ」

「むしろ蒼一は信用していなんじゃないか?自分を」

「ああ、信用できない」

「だった信用しようぜ。俺が保証する」

オランジュは、僕の肩を叩いた。

いつもどおり爽やかな笑顔で、それを僕はじっと見ていた。


「でも、オランジュはこのゲームを辞めるよな?」

「ああ……そうだな。スゲエ、めちゃくちゃ楽しい。

このゲームは最高だよ、この仲間は最高だよ!」

オランジュが叫んだ。力強く叫ぶ叫びは、彼の心境を表していた。


「本当のところは、迷っているんだろ」

「正直迷っているさ、引退を」

オランジュは俯いていた。オランジュの心変わりを、僕はわかっていた。

これもリアルを知っているが故のことだろうか。


「だから引退は、まだブラウにしか言っていないんだ」

「わかっているさ」

「ブラウ……」

「君が最初に僕を誘った時に、同じことを言った。

だから、ゲームを時々でいい。引退しないで欲しい」

それは僕からの言葉だ。オランジュに対しての僕の感情だ。


「ブラウ……」

「やっぱり僕には我慢ができない、僕はオランジュが必要なんだ」

「そうか……」

オランジュは僕の言葉をかみしめていた。

僕はオランジュの顔を見ながら、自分の気持ちをぶつけていた。


「インは今までほどできなくなるが、いいか?」

「うん」

「お荷物になるかもしれないが……」

「オランジュの夢は知っているし、僕は構わない。

だけど時々でいいから、顔を見せて欲しい」

「リアルで会えるだろ、俺たちは」

「それでも……だよ。みんなもいるし」

「しょうがないな、うっし!リーダーの頼みじゃ断れないし。いいよ」

「オランジュ……」

「そうと決まれば、決意のカボチャ狩りだ。

お互いの悩みもなくなったことだしな」

「そうだね、カボチャも待ちくたびれているからね」

そういいながらオランジュは、宙に浮くカボチャに照準を合わせていた。


「俺の魔法で、叩き落としてやるから」

「ああ、僕は戦士で一気に倒すから」

「戦士もちゃんとレベルあげているんだろ」

「もちろんさ」

僕はレヴェラッソで戦士に変えていた。

そのままオランジュが氷の魔法を詠唱始めた。

僕もまた剣を抜いて構えた、そのままカボチャに切りかかる。


「氷の刃よ、かのものを切り刻めっ、氷刃(アイスエッジ)

オランジュの魔法が命中した、カボチャは氷の刃を食らって青白くなった。

そのまま、地上に降りてきたカボチャの王。

そのまま、降りてきたカボチャの王は目を怪しく光らせた。


「気をつけろ、もう『フレイムレーザー』の構えになっているぞ」

「大丈夫、なら僕の剣で……トドメっ!」

僕が飛びかかって切り込むと、レーザーのモーションになったかぼちゃの動きが止まった。

そう、僕の攻撃がカボチャの頭を真っ二つにしたのだ。



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