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~~ハロウィンエリア~~
ここはハロウィン限定で出てくる、復刻クエストのエリアだ。
三年前のハロウィンイベントで、戦った『ロード・オー・ランタン』と再戦できる。
真っ暗な闇の町並み、シルエットだけの城。
人のいない街を、我が物顔で飛び回るカボチャの王。
王なのは王冠をつけているからだ。
僕とオランジュは、そのエリアに三年ぶりにやってきた。
「おっ、いるいる」
「三年前に戦った時は、ボコボコだったよな。何回も全滅したよな」
「そうそう、戦士六人盗賊二人のパーティとかバランス悪すぎだって」
オランジュが笑うと、僕も笑っていた。
そんな僕らを誘うかのように、カボチャの王はゆらゆらと飛んでいた。
「そういえばノイさんは、どうなったっけ?」
「たまにインしているみたいだよ。最も夜中だけど。
フレンドリストで朝三時の時に入っているを見るよ」
「そっか、俺は十二時前には落ちるからわからないな。
でもあの人も続けているんだな、『マジック・クロニクル』を」
「ああ」オランジュの言葉に僕は頷いた。
そんな僕らの前の上空を、面白い飛び方で飛んでいるカボチャの王。
「結局、倒せたんだっけ?」
「何回もやったけど、倒せなかったよな。
ベータ版の人ぐらいしか倒せないって、批判も多かったみたいだし」
「そうそう、今のレベル80と比べるとあの頃は無謀だったよな。
当時のブラウは、レベル上げ自体していないから」
「あの頃はパーティ組んで戦うだけで、すごく新鮮だったから……」
「そうだな」
僕の言葉にオランジュの笑顔が消えた。
そんな僕らに構うことなく、カボチャの王は飛び回っていた。
その王の下に行けば、敵が気づいて襲って来る。それまでは襲ってこない。
「今の冒険、楽しいか?」
「三年目だから、始めた時の新鮮さはない。
だけど……グリフォンシグマも、みんなといるときも楽しいよ」
「そっか、ならよかった。俺もこのゲームを誘った甲斐がある」
オランジュは胸を張っていた。
金ピカのスーツで、カボチャを指さした。
「オランジュは、なんで僕を誘ったんだ?」
「それは、お前の才能を、可能性を俺は知っているからな」
「どういう意味だ?」
「ブラウは、いや蒼一はリアルに埋没する人間じゃない、リアルを悲観する必要はない。
蒼一はできるんだ、出来るやつなんだ。だけど、そのことに気づかないで諦めようとする。
だから、できるやつだってことを理解して欲しかった」
「すごいな、すごい買いかぶりだよ」
「むしろ蒼一は信用していなんじゃないか?自分を」
「ああ、信用できない」
「だった信用しようぜ。俺が保証する」
オランジュは、僕の肩を叩いた。
いつもどおり爽やかな笑顔で、それを僕はじっと見ていた。
「でも、オランジュはこのゲームを辞めるよな?」
「ああ……そうだな。スゲエ、めちゃくちゃ楽しい。
このゲームは最高だよ、この仲間は最高だよ!」
オランジュが叫んだ。力強く叫ぶ叫びは、彼の心境を表していた。
「本当のところは、迷っているんだろ」
「正直迷っているさ、引退を」
オランジュは俯いていた。オランジュの心変わりを、僕はわかっていた。
これもリアルを知っているが故のことだろうか。
「だから引退は、まだブラウにしか言っていないんだ」
「わかっているさ」
「ブラウ……」
「君が最初に僕を誘った時に、同じことを言った。
だから、ゲームを時々でいい。引退しないで欲しい」
それは僕からの言葉だ。オランジュに対しての僕の感情だ。
「ブラウ……」
「やっぱり僕には我慢ができない、僕はオランジュが必要なんだ」
「そうか……」
オランジュは僕の言葉をかみしめていた。
僕はオランジュの顔を見ながら、自分の気持ちをぶつけていた。
「インは今までほどできなくなるが、いいか?」
「うん」
「お荷物になるかもしれないが……」
「オランジュの夢は知っているし、僕は構わない。
だけど時々でいいから、顔を見せて欲しい」
「リアルで会えるだろ、俺たちは」
「それでも……だよ。みんなもいるし」
「しょうがないな、うっし!リーダーの頼みじゃ断れないし。いいよ」
「オランジュ……」
「そうと決まれば、決意のカボチャ狩りだ。
お互いの悩みもなくなったことだしな」
「そうだね、カボチャも待ちくたびれているからね」
そういいながらオランジュは、宙に浮くカボチャに照準を合わせていた。
「俺の魔法で、叩き落としてやるから」
「ああ、僕は戦士で一気に倒すから」
「戦士もちゃんとレベルあげているんだろ」
「もちろんさ」
僕はレヴェラッソで戦士に変えていた。
そのままオランジュが氷の魔法を詠唱始めた。
僕もまた剣を抜いて構えた、そのままカボチャに切りかかる。
「氷の刃よ、かのものを切り刻めっ、氷刃」
オランジュの魔法が命中した、カボチャは氷の刃を食らって青白くなった。
そのまま、地上に降りてきたカボチャの王。
そのまま、降りてきたカボチャの王は目を怪しく光らせた。
「気をつけろ、もう『フレイムレーザー』の構えになっているぞ」
「大丈夫、なら僕の剣で……トドメっ!」
僕が飛びかかって切り込むと、レーザーのモーションになったかぼちゃの動きが止まった。
そう、僕の攻撃がカボチャの頭を真っ二つにしたのだ。




