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とある少女がネトゲをやりまくった件(くだり)  作者: 葉月 優奈
六話:とある少女が祭りに参加する件
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~~バイエル公国・魔映写室~~


――それは、真っ暗なところから始まる。

まるでホラー映画のような、闇の中。

闇のなかだけど、かすかな明かりが窓のカーテンから漏れた。

それにより闇が、徐々に分かるようになってきた。


何もない部屋だ。寝室なのだろうか、ベッドがある。

そして、聴こえてくるのが

「助けてください」嗚咽にも似た声だ。

ベッドらしきもののそばには人がしゃがんでいた。

薄暗くて顔は確認できないが、長い髪の人物だ。


「この世には神はいないの?」

この声も鳴き声だ、声からして女の声だ。

声の主であるしゃがんだ女は、体育座りをした。


「誰も助けてくれない、こんなにあたしが嘆いているのに」

「……あなたは……」弱々しい声が聞こえた。

「ママっ!もうダメなの!」

少女は立ち上がって、ベッドの方に近づく。

そのベッドには、よく見ると人が寝ていた。いや、寝ていた表現は正しくない。

寝かされていたのだ。


「ごめんね、あたしには何もできない。

この現実に向き合うことも……この現実を変えることもできない。

あたしは……」

「誰?なの」弱々しい声が聞こえた。

「ママっ!」少女らしきものは、眠っているママの顔に手を伸ばした。

しかし、ママらしきベッドの上に横たわっている者は起き上がろうとしない。


「起きて、起きて、起きてっ!あたしを一人にしないでっ!」

そのあと少女の叫び声が、暗い部屋に何度も響いていた――



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