表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とある少女がネトゲをやりまくった件(くだり)  作者: 葉月 優奈
五話: とある少女が最強の敵と戦う件
52/122

052

~~サタルカンド・イースト三番街~~


グリフォンシグマの攻略から三十分後、僕はオークション会場に来ていた。

深夜二時でも、オークション会場にはプレイヤーが多い。

といっても寝落ちのプレイヤーがそのまま表示されているので、動いているプレイヤーはごく一部だ。


あの激戦、僕の深い眠り(ロストスリープ)は見事に決まった。

決まれば勝利は約束されていた。


「それにしても見事に決まるとはね、あんな原始的な手が」

「原始的でも効果的だよ」

僕の隣には、真っ白な鎧のヴァイオレットだ。

この真っ白な鎧も、キュベレー系装備という廃人仕様の装備だ。

重厚だけど優雅な鎧は、騎士の最高装備なのだ。持っているイージスの盾も最高クラスだし。


「寝てしまえば、敵のモーションがキャンセルされる。

それがこの作戦のキーポイントだ」

「後は寝た瞬間に離れる、攻撃を加えるとすぐに起きてしまう……か」

「そういうことよ」

と僕の背後から、真っ黒な鎧をまとったロゼが歩いてきた。

ロゼの称号も僕の称号も、グリフォンシグマ討伐により『シグマキラー』が追加された。


「火力押しだけが全てじゃないわ、あたしがブラウに教わったこと」

「本当に倒せるとは思わなかったよ、あの作戦で」

「ええ、感心しました」

さらに、ヴァイオレットのそばには白いドレス姿のシュバルツもいた。

ヴァイオレットやロゼと違い、表情はあまり崩さない。


「でも、やると思いましたよ。弱体のスペシャリスト」

「そんな名前で呼ばれると、恥ずかしいです」

「前に野良であなたと組んだとき、あなたの戦いには一目置いていたんです」

「そうだったかな?」

「ええ、私も野良パーティはよく行きますよ。レベル上げは野良の方が面白いし」

「シュバルツさん……」

「まあ、ほとんどがクソ神官、雑魚戦士ですけどね」

「そうですか……ははっ」僕は苦笑いをした。

やっぱり廃人は、上からくる人ばかりだ。


「それでも……あなたは違っていた。あなたは持っている武器を最大限に鍛えていた。

あなたは強い、グリフォンシグマに弱体を成功させられるプレイヤーは皆無だと思っていたから。

どうですか、我ら疾風艦隊(シュタイフェ)に入りませんか?

ここなら、あなたの力を存分に発揮できる場所です」

シュバルツが僕に手を差し出してきた。


「いえ、それはしません」

「ロゼたんも疾風艦隊(シュタイフェ)に戻るんだぞ」

ヴァイオレットが口を挟むが、ロゼがむすっとした顔になった。


「あたし、戻らないわよ」

「ロゼたん……」

「あの時の罪を、思い出したの。アイテムを間違ってとってしまったこと。

ズイーバーと喧嘩して出て行ったこと。

そして、今回も逃げた。あたしは疾風艦隊(シュタイフェ)にもどる資格はない。

それにね……」

「それに?」

「今は、ブラウの『小黒鷲旅団』の家族の一員だから」

ロゼは笑顔で、ヴァイオレットに言った。

それを見て、さすがのヴァイオレットも言うのをやめた。


「それはしょうがない、ロゼたん」

「それじゃあ、あたしたちは行くわ」

「ああ、ロゼたん。たまには『疾風艦隊(シュタイフェ)』にも顔を出してくれ。

ボクが心配なんだよ」

「なんで?」

「ロゼたんに、悪い虫がついていないかって」

「大丈夫よ、あんたこそしっかりしなさいよね」

ロゼが笑顔を見せたとき、ヴァイオレットはやっぱり照れていた。

そんなヴァイオレットのとなりで、シュバルツが口を開く。


「そういえば、ロゼ。聞きたかったことがあるの」

「どうしたの?」

「ロゼって、いつからゴモリと知り合いなの?」

「ゴモリってあの?」

「そう、GMゴモリ」

シュバルツの言葉に、ロゼは驚いた表情を見せた。

驚きと同時に恐怖のようなものも見せていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ