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とある少女がネトゲをやりまくった件(くだり)  作者: 葉月 優奈
五話: とある少女が最強の敵と戦う件
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047

マジック・クロニクルはパソコンでやるネットゲームだ。

だからゲーム画面を開いたまま、ネットに接続ができる。

マジック・クロニクルはまた、いくつものサーバーがあった。

僕はすぐさま別の画面を開いていた、ゲームの画面を小さくして。

心配そうなロゼが、僕に近づいて言ってきた。


「いいの?あんな事を言って」

これはロゼの個別チャットだ。僕にしか聞こえない。


「仕方ないさ、ロゼが死ねないのは僕も知っているし。

ゴモリの言葉を信用するのは、起きた当人にしか理解できないから」

「でも、どうやってやるの?

覚醒したら、『ジェノサイドブレス』を使ってくる。

そこで一気に体力を削らないと戦いにならないけど……」

「さっきはどれぐらい削れた?」

「うーん、モーションに入られる前にHPが三割ぐらく残っていたわ。

明らかに火力不足ね。メンバーを廃人オールスターにしないと削る前に使われるわ」

「そこなんだよね、一応候補がある。鈍足時間(スロウ)だ」

「なるほど、弱体ね」

「そのパーティを見て僕は気になっていたんだ。

妖術師が、なぜ第一パーティにいないのかを」

僕はロゼの言うとおり、パーティメンバーをメモ帳に書いていた。

記入したときに、キャスパルも書いていたのだ。


「さあ、それは……」

「当然、グリフォンシグマに鈍足時間(スロウ)が入っていない。

入っていればモーションは遅れるからね。後、麻痺(パラライ)も。

弱体には相手の攻撃を遅らせるものがある、これを利用しない手はない」

「さすがは弱体オタクね」

「むしろ僕は、それが大事だと思う」

僕の言葉に、ロゼはなるほどと相槌を打つ。


「問題は、それがあくまで遅延だけの処置だけだということだ」

「そのまえに削りきればいいじゃない」

「……そうだな。少し僕も研究してみるよ。なにせウルトラモンスター戦は初めてだから」

「必要なキャスパルいたら教えてね、深夜帯の時間だから早めに。」

「ああ、わかった」

「期待している……から」

「ん?」

「なんでもないっ!じゃああたしはバイエルに移動するわ」

ロゼはすぐさま僕から逃げるようにバイエルへと転移していった。

僕もまたゲーム画面を閉じて、別に開いたネット画面を大きく広げた。



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