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とある少女がネトゲをやりまくった件(くだり)  作者: 葉月 優奈
四話:とある少女が大人数パーティを組む件
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~~キュベリオン・アラビス高原~~


リアルは夜の十一時になっていた。

僕はバイトを終えてゲームに入っていた。

猿楽場こそオランジュもまた、アラビス高原に来ていた。

高原に来ているオランジュは、派手な金ピカスーツだ。

バトルフィールドだけど、かなりの目立ちたがり屋だ。


そしてなにより、僕に取り付いていたロゼとは今日もパーティを組んでいた。

真っ黒なケルベロス装備に身を包んだ『万能戦士』のロゼが華麗に舞う。

その姿がまるで真っ黒な蝶が華麗に舞うかの如く。

相手は巨大な象、文字通りグレートエレファントだ。


今、僕らはゲルプの合成品集めに来ていた。

目的は象牙刈りだ。素材の『黒象牙』を手に入れるためだ。

日本では取引が禁止られているらしいが、マジック・クロニクルの世界では関係ない。

僕たちよりはるかに大きい象は、僕たちを踏みつぶそうとしていた。


「こっちよ」

それをロゼが華麗に避けていく。

ロゼがマンモスの注意を引きつけながら、攻撃を加えていく。

持っている両手斧(グランドアクス)を、大ぶりさせていた。


「たあっ!硬いじゃない」

それでもロゼの一撃は、グレートエレファントの体力を大きく削る。

それにしてもダメージ高いな。

後ろで魔法を放つオランジュの氷弾(アイスボール)のダメージが霞んでしまう。


「やばいな、これ」

「すごいですぅ」

オランジュとゲルプも感嘆の声を上げていた。

体力のあるグレートエレファントも、ロゼの一撃で一気に削られていく。


「意外とたいしたことないじゃない」

「そろそろ覚醒するぞ」

ロゼが戦うと、敵の覚醒タイミングが早い。

前に戦ったキングイエティも、覚醒した途端に仲間を呼んできた。


「何かするっけ?」

「『エレファントアタック』、大地ダメージだ」

「そうか、じゃあ俺は急いで錬金にするか」

レヴェラッソでオランジュが錬金術師になった。

それとほぼ同時に、グレートエレファントが覚醒した。


「やばい、もう覚醒かよ!」

「だったらゴリ押しよ」

「一旦離れて、ロゼ!」

僕が叫ぶと、ロゼは驚いた顔を見せていた。


「なんでよ?覚醒したんだから相手のHPは半分以下よ。

このまま攻撃でゴリ押しをしたほうがいいわよ」

「あの一撃を食らったらみんな死ぬ、離れろ!」

僕の言葉に、ロゼは渋々従った。

意外とロゼは素直なのかもしれない。

そのまま攻撃をやめて、バックジャンプでエレファントから離れる。


オランジュの飛翔(フローラン)の魔法詠唱は長い。

グレートエレファントが『エレファントアタック』モーションに入った。


(ならば)

僕は素早く魔法を詠唱した。

「コイツは入るっ!」

僕が唱えた魔法で、エレファントの動きが止まった。

それと同時にエレファントアタックのモーションが解除された。


「あれ、こない?」

「『深い眠り(ロストスリープ)』で寝かせた、少したったら一撃加えていい」

「寝かせたって、相手は起きたら……」

「その前にオランジュ魔法を」

「オッケー!」

錬金術師のオランジュが『飛翔(フローラン)』を完成させると、僕たちの体が少し浮いた。

両手斧を構えると、そのまま大きく振りかざした。


「じゃあ、後はあたしがボコボコにしていいわね」

「おねがいしますですぅ」

ゲルプに頼まれて、ロゼは嬉しそうな顔で攻撃を再開した。



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