025
ゴールデンフルーツを二個も売れば、あっという間に目的達成だ。
一億ゴルダを渡すと、新しい画像を手に入れた。
そして、僕とロゼは二つ目の画像を見ていたのだ。
――そこは夕暮れの浜辺だ。
海岸には三人の男女が見えた。人もその三人しか見えない。
といっても、かなりの視線で、男と女と車椅子らしきものは確認できた。
スカートやズボンを履いているのがかすかに見えた。
だけど、顔まで確認はできない。
画面の引きが少し遠かった。
「待って……殺さないで」可愛らしい女の子の声が聞こえて、画面が揺れる。
走っているのだろうか、呼吸が激しくなった。
遠くにいた三人の姿が、徐々に大きくなる。
「彼女のためにならない」
男の声らしきものが遠くから聞こえた。
「そう、娘もいるのだから」
「でも、あたしは大丈夫……だから」
「大丈夫なものか!」男の一人がこちらに向かって叫んだ。
「君はこれから不幸になる、残酷な現実が待っている。
それでもいいのか?つらくてつらくて逃げ出したくなるぞ。
君にはなんの自由も与えられないんだぞ。
それでもいいのか、真衣!」
「あたしは……」
「ならば選べ!これから……」
そう言いながら言葉の途中で目の前が曇った。そして、画像が終了していた――




