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とある少女がネトゲをやりまくった件(くだり)  作者: 葉月 優奈
二話:とある少女が競売所で悩む件
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~~サタナカンド共和国・イースト三番街~~


イースト地区で唯一、ここにはオークション会場がある。

オークション会場には多くのアバターが集結して、売買の成り行きを見守っていた。

僕はロゼと一緒に、オークション会場の前で絶句していた。


ロゼが出てくるだけで、人目の引くエリアで注目を集めた。

さすがは伝説の装備を持ったソロプレイヤーだ。

だけど手に持った黒い結晶は、その輝きを失いつつあった。


「くそっ、値下がっている」

僕が見ていたのは、『ブラックダイヤモンド』の履歴情報だ。

出品する前に、落札前の履歴情報を見るのは当然だ。

ネットゲームだから、常にプレイヤーの需要と供給で成り立つ。


「あら~、下がっちゃったわね」

「まずいな、1億は無理。出品数もあるな……少し下げるしかないな」

「もしかして出やすくなったのかも」

一緒に来ているロゼが、冷静に判断していた。


「最後の履歴が8500万、さてどうするか?」

「7000万よ、これで売れなければ暴落するわ」

「ロゼ……それは安すぎじゃあないか?」

「それしかないわ。一回目の出品で売れないと、今度は半値以下に落ちるわ」

「どういうことだよ?」

「おそらくは……昨日のバージョンアップじゃないかしら」

ロゼの言葉に、思い当たる節があった。


「バージョンアップの影響か、ありえなくはない。

一回やっただけでネットゲームの経済を変えてしまうからな」

「本当よ、全くとんでもないわ」

出品は、設定価格の低いのからオークションにかかるシステムだ。

当然低いのが売れやすいわけだが、今回は目的の金額が決まっていた。


「また出るとは、限らないぞ。レア仕様だし」

「とにかく今すぐ売りなさい、売らなければ絶対後悔するわよ」

「わかった、わかったから」

僕はロゼの言うとおりに、『ブラックダイヤモンド』を7000万で設定していた。



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