表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とある少女がネトゲをやりまくった件(くだり)  作者: 葉月 優奈
一話:とある少女がいきなり現れた時の件
10/122

010

~~デモニース帝国・クロッカ森林~~


デモニース帝国という国がある、魔法帝国と呼ばれていて魔法文面が盛んな国だ。

その領地の一つが、クロッカ森林。

深すぎる森は、結構強いモンスターもうろつくエリアだ。

だけど、敵が強いだけにここには魅力的なアイテムも取れる。


「クロッカ森林、通称『グランドヒノキ材』エリアだな」

「そうね、あんたも詳しいじゃない」

「採集系は得意分野だ」

僕は離れることのできない、ロゼと一緒にここに来ていた。

ここには『グランドヒノキ材』と言われる高額素材が手に入る。

手に入る素材は、高額で売れるのでソロが採集目的で人が集まるからだ。

とりわけ人と集まるゴールデンタイム(夜七時から十二時)を避けて、僕は深夜二時にここに来ていた。


「でも、目的は『グランドヒノキ材』じゃないんだろ」

「そうね、クリアアイテムは『ナラ材』。制限時間は昨日の夕方四時からの二十四時間。

『キコリ斧』、ちゃんと装備してきたでしょうね」

「ああ、斧は持ってきた。キコリなんて久しぶりだな」


キコリ採集というソロプレイがある。

それはエリア内に現れる、『伐採ポイント』をマークすると木材をゲット。

ただし、プレイヤーは『キコリ斧』という武器を装備しないといけない。

ポイントはエリア内でわずか一箇所しか出てこなく、でてきたら取り合いになるわけだ。


尚、斧は壊れない限り無限に使える。

どんなキャスパルでも出来るのでソロプレイで、暇つぶしや金稼ぎやるのが多い。


「お前もやるのか?」

「そうよ、二人の方が早いじゃない。それに……あそこ」

僕たちの前には、一人の男がいた。

大きな男が、木材を切っていた。

おそらくここで『グランドヒノキ材』狙いのソロをしている達人だ。


「ライバルもいるわね」

「見たところ、ライバルは一人だから楽かな。

僕たちも、さっさと目的のアイテムを取って終わりにしよう」

「そうね、『グランドヒノキ材』よりレア度が低い『ナラ材』でしょ。

なにげに売れない、買えないアイテムを取って来いって面倒なクエストだわ」

「当然だ、買えるアイテムならわざわざクエストにしないって」

「それもそうね。早くクリアしましょ!」

「お前たち、やるのか?」

すると、木こりの男は僕たちの方に声をかけてきた。

髭を生やしたいかにもおっさん風の男は、この森の主のようにさえ見える。

木を切る手を止めないで、アイテムを手に入れていた。

いきなり髭男が手に入れたのが『ナラ材』だ。


「ああ、悪いけど採集が僕は苦手ではない」

「それに、あたしはソロの天才だから覚悟しなさいよ」

キコリ斧を持ったロゼが、悠然と森の中に突入していった。

それは、ライバルの男との戦いの始まりでもあった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ