白い仔馬
15.5.17 推敲(一連一行目微細)
木蔭に佇む白い仔馬。
夢に現れるその姿は、
祈りににている。
真摯さだけが呼び寄せる。
恐れることはない。
古いけれど輝いているその鼻面を撫でて、
濡れた草の小道を歩けば、
辺りは靄の中。
遠く嘶きを聞く。
耳をそばだてる仔馬の背に手を置いて見る、
霞む太陽は微細すぎるグラデーションの円。
乗れはしないほどに華奢な仔馬の足は裸。
少しぬかるんだ坂道を登り、高みへと。
靄は足元へ沈んでいく。
青く明るい空は、多くを語らない。
見えるがままを見せるだけ。
遠く小さく茶色の仔馬が見えた。
野の馬の伸びやかさ。
跳ね回り躍動する身体。
見る内に一頭二頭三頭……と、
ばらばらと群れが帰ってきたようだ。
黒、茶、白、灰、斑……大きな馬もいる。
馬群は蹄を轟かし、目の前を横切っていく。
この白い仔馬も放とうか。
やがて巨大な体躯となって会えるだろうか。
駆けていく、駆けていく……
艶やかな毛並みを輝かせて、
自由なきもちで。
仔馬よ、仔馬。
いつかまた会える日まで、お互い元気でいよう。