砕壁
文才がほすぃ・・・
一応、学園モノに移行する予定です
きっと、たぶん・・・
カタンカタン、と馬車が揺れている音で目を覚ました。
「お、頭。目が覚めましたか?」
「ん・・・ふわぁ、あ、あ・・・今、どの辺だ?」
あくびをして、目をこすりながらたずねる。
「コーラル渓谷を越えたとこです」
「そうか・・・明日にはつくかな」
「ええ・・・」
「・・・不安か?」
「そりゃぁ、そうですよ。なにせあの悪竜ドゥードゥラですから。しかも、頭抜きでですよ?不安になるなってのは無理な話です」
そう、悪竜ドゥードゥラは、俺を抜いた5人で討伐するよう言った。
随分無茶を言ったものだと、自分でも思う。
しかし、この5人を残して旅に出るとなると、どうしても不安になってしまう。
俺も、そしてこいつ等も。
だからこそ俺抜きで倒すよういったのだ。
「大丈夫さ。自分を、そして仲間を信じろ」
「頭・・・」
カタンカタン、と揺られながら、もう一度俺は闇に意識を落とした。
――――――――――――――――――――
『ふむ・・・』
初老の男性―――神、パーニセルは静かに鼻を鳴らした。
ここは、天界。唯一、他の世界に干渉できる世界と、彼、玖恩大和という少年にはいったが、少し違う。
ここは世界ではない。
全ての世界の外。
別次元、とも違う。特別な空間。
ここが、どこなのかはパーニセルにもわかってはいない。
創世神、破壊神。原初の二神しか知らぬことだろう。
「どうされました?」
天使、ラファエルが聞いてくる。
神、とはいっても世界を見守ったりはしない。『断罪神』それがパーニセルの役柄だ。
神は多様にいて、それぞれ役目を務めている。
『断罪神』たる彼にはあまり仕事がない。
死者の魂は然るべきところで判定される。
彼の仕事は、抑えられない罪人だけだ。
故に、彼は暇なのだ。
『あの少年のことじゃ』
「ああ、彼ですか。どうやら順調そうですよ?」
『そっちについては心配してないんじゃがのぉ』
「では・・・?」
『もう少しで、思い出せそうなんじゃが』
「・・・・・・」
『ムッ、なんじゃその『ぼけたかコイツ?』と言いたげな目は?』
「さすが神。一言一句間違えていません」
『正直に言うな!そういうのには気をつかえ、と言っておろう!』
天界は今日も平和だった。
――――――――――――――――――――
さて、あれから一日。俺たちは目的地、つまりラテオ火山に到着した。
きりたった岩肌、それらの隙間から覗かせるマグマが赤く輝いていた。
熱波がジリジリと肌を焦がしている。
「・・・・・・」
後ろを見ると、5人がいきを飲んで火山を見上げている。
辺りにはなんともいえぬ緊張と、殺気が漂っている。
「よし、いくぞ」
俺はそう促し、火山に入っていった。
――――――――――――――――――――
俺―――カインは一応、このシャリオ傭兵団のリーダーを務めている。
頭はいるが、戦闘で頭は出てきたことがないし、傭兵団を結成して一週間ほどたった時に、『ずっとここにいられない』と聞いていたからしかたない。
頭はそのとき、頭のしてきたことと、今何をしているかを話してくれた。
頭は、独りだ。
だからこの仕事を達成して、少しでも頭に近づきたい。
それがせめてもの恩返しだった。
ラテオ火山に入ってから、頭は周辺の魔獣を片付けに行った。
頭ならドゥードゥラも1人で相手できるのではないか?
そんな事を思いながら、気を引き締める。
俺がリーダーなんだ。
「よし!いくぞっ」
そういって、俺等は山を登り始めた。
悪竜は人を襲いはしない。もちろん、こちらが手を出したり、縄張りに入らなければの話だ。
しかし、悪竜自ら人里に降り、力を振るうことはない。
ならばなぜ、悪竜といわれているのか?
それはその30メートルを越す黒い身体と、暴れだした時の特性のせいだ。
ドゥードゥラは暴れだすと自分の縄張りの命、全てを根絶やしにするまでは終わらない。
その凶悪性こそが、悪竜の悪竜たる所以だ。
それを俺たちは実感していた。
頂上付近の比較的平らなところに奴はいた。
すでに俺たちが侵入してきたのはわかっていたのだろう。俺たちを見た瞬間、襲い掛かってきた。
それを何とか避けて、クジャが得意の火炎魔法を放つ。
ボォォ、と音を立てながら鱗を焼く。しかし、その身体に傷一つつくことはなかった。
「ギギャォォォォォォォォォォォォオォ!!」
ドゥードゥラの咆哮だけで身体が吹っ飛びそうになる。グッとこらえ咆哮が終わるのと同時に駆け出す。
一気に近づいて、おもいっきり大剣を振り下ろした。
ガキッ、と鈍い音がしてはじき返されるが、ほんの少し鱗に傷がついた。
「よし、いける!」
勝てる!
そう確信した。そのときは。
甘かった。そうそう簡単に倒せる相手じゃなかった。
今は岩陰に隠れて、攻撃のチャンスをうかがっている。
トールが雷を、クジャが火炎を放った。
バリリィィィィ!
ボアアァァァァ!
「ギギャアアァァァ」
ドゥードゥラの口から黒い靄が吐き出される。黒い靄が雷を包み込み相殺する。
炎があたり、鱗を燃やす。
その瞬間、俺とイーシュは岩陰から飛び出し剣を振るう。
コウツールは、補助系魔法で俺たちの一撃を強化する。
ガッ!!
「ギギャアアァァ」
鱗を数枚弾き飛ばしたが、ドゥードゥラの大木のような腕に薙ぎ払われる。
「うがっ」
「うおぉぉ」
50メートルほど吹っ飛び、すぐに岩陰に隠れる。
こちらの攻撃はとおる。
しかし、あちらの一発が重過ぎるのだ。
もう5人とも、後10回攻撃できればいいほうだろう。
だからこそ、伝える。
「みんなぁ!!」
「くっ、どうしたカイン!?」
「アレをやるぞぉぉ!」
「アレをっ!?・・・いや、分かった!」
「リョーカイ!」
「・・・分かった」
「わ、分かりました!」
5人がドゥードゥラの攻撃を避けながら集まる。
そして全員が俺の剣に全魔力をかける。
俺の剣『ブルー・リーディング』は、かけた魔力を倍にして打ち出す、魔剣だ。
俺たち5人の残った全魔力を注ぎ込み、撃ち放つ。
赤色の光弾がドゥードゥラを穿つ。
ドゴォォォォォォォォン!!
「グギャアアアアアアアアアアアァァァァァァァァ」
巨体がゆっくり倒れこむ。
「・・・ッハァハァ、や、やったか?」
いきも絶え絶えに、土煙を上げ倒れたドゥードゥラを見る。
やがて、土煙が晴れたそこには―――
「グギャアアアアアアアアアアアア!!」
「「「「「・・・・・・なっ」」」」」
いた。たしかに息絶える寸前、といった感じだが、確かにそこにいた。
もう、俺等の身体は動かない。魔力ももうない。
ああ、死ぬのか。漠然とそう思った。
横を何かが駆けた。
その瞬間、ドゥードゥラの頭が吹き飛んだ。
次の更新はちょっと遅れます。
もう、ネタが尽き「ドゴ」ぐはぁっ!
あ、あとがきのネタがナイダケデスヨ?ホントウデスヨ?