表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人鬼  作者: EKAWARI
第二章 夜月・襲撃編
10/19

08.金の鬼

ばんははろ、EKAWARIです。

今回の話は、書いててちょっと楽しかったとです。青雷の出番は少なかったですが、火水さんが出ましたしね。ちなみにちょっと関係ないかもですが、火水さんのお母さん=僕が小学校5年の時にノートに描いていた漫画の主人公なんて設定があったりする。

金斗は不幸が平常運行なんだぜ。色んな意味で。そんな感じの夜月・襲撃編2話目です。




 平素は銀の髪に金の瞳、尖った耳の異彩なる人外、人間に似て非なるもの。

 初めの三人の人鬼ジンキが1人、その俗称の由来となった男、鬼人オニヒトは、一度狩りや戦いとなれば、涼やかなる美貌に狂乱を宿して、銀の髪を金に染め、艶やかに舞うように、あるいはただ静かに呼吸をするかのように人々を殺してのけたという。

 金の髪の鬼人に出会いて、生き残ったものはなし。ただ、カメラに残った映像のみが姿を伝える。

 そう、それは名の通りに人に似て非なる鬼であった。

 疾きこと風の如く、しずかなること林の如く、侵しかすめること火の如く、動かざること山の如し。そんな大昔の格言を体現するかのような戦い方をするその男は、他の2人の人鬼、妖狐アヤコ龍牙リュウガのようなあからさまな異能はなく、されどまさしく最強であったという。

 何故髪色の変化以外に明らかな異能を匂わせるものをもっていないというのに、最強と恐れられたのか。

 否、彼は人鬼固有の異能を持ち合わせていないのではない。彼は他の二人とは間逆の方向性の異能を持ち合わせていた、それだけのことだった。

 自然を顕現させ、自然を操り支配下に置く異能をもっていた妖孤と龍牙。対して、鬼人は、自然を自分の身体に取り込み、己が糧としていたそれだけのこと。自然に干渉するのではなく、自然そのものと一体化出来るのであらば、ならば彼こそが人鬼の王であった。

 一度ひとたび金を纏った鬼人を倒せるものなどなく、38の彼の生涯において殺めた人の数は1000をゆうに越えていたという。

 今はもう、300年ほど昔の御伽噺である。






 08.金の鬼



 虚ろな意識、はっきりしない思考。

 ゆらり、ゆらりとまるで夢遊病患者に自分がなってしまったようだと錯覚するほどに、人鬼の青年・・・金斗羅カナトラにとって、今の状態はあまりに現実感を欠いていた。

 自分が何をしているのか実感がなく、ただぼんやりと映画のフィルムを見るかのように遠く自分である筈の金の男の姿を見ている。そんな気がしている。

 そんな中で、何かが自分に語りかけている。何が・・・それは人ではない。思念。

 嗚呼、この感覚は昔からよく知っている。と、そう感想とすら言えぬほどのおぼろげな意識で金斗羅は思う。

 それは生まれたときから、呪いのように自分と共にあり続けた能力。『感応共鳴』だ。幼い頃は御し方がわからずに、息をするかのようにそこいらに残った念や記録を見ては、怯えて母へと泣き縋った。遮断の仕方を覚えるまで、自分にとってはただ厄介で怖くて恐ろしい力でしかなかったものだ。

 ・・・だって、死者の声が聞こえるんだ。歴史上のあらゆる人物、あらゆる人間の死がまるで見てきたかのように響いて聞こえる。嘆きも慟哭も、何百年も昔にこの地上にかつていた人々の死が視えてしまう、聞こえてしまう。それは途方もなく恐ろしいこと。何故ならそれを背負えるほど金斗羅は強くなどない。そんな自分を彼はよく知っていた。

 しかし、はて、一体自分は今何に共鳴をしているのだろう。自分が視るのは物に染み付いた記憶だ。その残留思念から過去に起こったことを見てきたかのように知ってしまう、それが自分の異能である『感応共鳴』なのだ。

 もう少し、もう少し深く探らないと視得ない。わからない。いつもは知りたいとは思わないし、聞きたいとは思わない。だというのに、金斗羅は無意識にとはいえ、それに耳を傾けた。正気ではありえない。夢うつつであればこそ、無意識にとった行動であった。

 あと、少し、あと少しで視える。聞こえる。誰かの・・・大昔の記憶が。


 金斗羅の目には、まるで砂嵐が吹き荒れる画面を見るかのように、その光景は映った。

 初めに映ったのは、誰かに向かってゆっくりと歩み寄ってくる、茶色いショートカットの若い女だった。

 大人びた雰囲気と化粧をしてはいるが、顔立ち自体はあどけなく幼い女だ。年は10代半ばくらいであろうか。可愛らしい丸顔に、ぱっちりとした茶色い目の人間の女。白衣を身に着けた女は、少女とすら呼べる年齢であるにも関わらず、どことなく艶やかな風情があった。

 ゆっくりと歩み寄ってくる少女。

『こんにちは』

 にっこりと、まるでどこかの誰かを思わせるような笑みを浮かべて、少女は目の前にいる誰かに向かってそんな言葉を投げかけた。

『貴方が、鬼人ね。初めまして、わたしは天地火水テンチヒスイ。貴方を作り出した女の娘よ』

(・・・オニ・・・ヒト?)

 その名は、伝説の名だ。何故、その名がここで出されるのか、碌に思考も出来ぬ頭で金斗羅はその映像に動揺した。

 未来の観客など知る由もなく、女はくすくすと笑いながら、目の前の鬼人だれかへと見覚えのある金色の短剣を差し出すように掲げながら、少女と本来呼んで差し支えない年齢だろう火水と名乗った女は、まるで男を誘うかのような色を乗せた声でゆったりと次の言葉を言った。

『ねえ、わたしと賭けをしない?』

 視点が男から女に移る。其処にいたのは・・・銀の髪に金の瞳の人鬼。作り物めいた美貌の、朱き衣を身に纏った1人の男だった。

 視た瞬間、理解する。

 今は銀を纏ったこの男こそが、金の鬼、人鬼の王、伝説の鬼人のかつての姿なのだと。

(俺は・・・何を、視ている・・・?)

 理解した瞬間、ぞっとした。それは上の領域だ。俺が見てはいけないものだ、と。

 自我こそが己の特異能力に対せる最後のライン。己を取り戻したのと引き換えに共鳴が解かれていく。

 嗚呼、漸く現実に帰れる。そう、ほっとして。

「え・・・?」

 己がしでかした惨劇を彼は目にする。


 

      * * *



 その男は、まるで大昔の鬼人伝説のように、満月の光を受けて輝く黄金きんの髪を靡かせて、地上の王者のように静かに立っていた。

 そう、静かに。まるで今誰かを手にかけたなんてことを想像すらさせないような自然さで、返り血で己を化粧しながら、息を吸うような気軽さで、たった今他人の命を吸った金の長刀を弄ぶ。

 にぃぃと微笑む顔は無邪気さと艶を兼ね揃え、逆光の中見えるその顔は残酷なまでに美しかった。


 挿絵(By みてみん)


(なんだ、あの化け物は)

 ぞっと、ともすれば震えが走りそうな自分を必死で抑えながら、此度の任務でリーダーを務めることになった人妖ヒトアヤの女、藤紫トウシは、何も為せずにただ立っていた。

 ・・・動けない。動けば、アレの標的になる。そんな確信が足を竦ませていた。

 人はあまりにも恐怖と想像外のことがおきれば、混乱すら出来なくなる。そんなことを証明するかのように、誰1人として動かない。動けない。

 藤紫は今あの人鬼、金斗羅が弟分である茶霞チャガスミの心臓を貫いて、首をもはねたのを目にした。だが、それ自体が本来信じ難い行為なのだ。人鬼は人妖を意図して傷つけられない。それがこの100年のルールだった筈だ。なのに、何故、あの男は茶霞を殺せた。

(・・・あり得ない・・・!)

 そもそも、なんだ、あの姿は。アレは誰だ。誰なんだ。静かに、息をするかのように人を殺せる金の髪の人外たらん美貌。まるでそれは、あの鬼人のようではないか。

(あり得ない・・・!)

 確かに、あの男は黒髪だった。黒髪の人鬼、金斗羅。10年前の夜月襲撃でただ1人生き残った長の息子。逃げることしか能のないそんな男であった筈だ。各地で残された金斗羅の映像と証言、全てでそう残っている。鬱屈とした顔をした不機嫌そうな表情が常の黒髪の人鬼。それがあの男だった筈だ。だというのに、なんだ、あれは。なんだあれは。あんな表情をもっていたというのか。あんな途方もない化け物であったというのか。

 湧き上がってくる感情がキモチワルイ。吐き気すらしそうなほどに藤紫の胃がキリリと傷む。殺気すら放たない男だというのに、1mmでも動けば殺されると、こんな感覚ははじめてだった。こんなものは初めてだった。

 こんなのは想定外だ。イレギュラーだ。こんなのはありえてはいけない。

(数では勝っている)

 そんなことは関係がない。

(私たちは人妖!人鬼の天敵だ!)

 あれが鬼人ならば、そんなことは些細に過ぎる。

 動けない。動けばられる。これほどの数の差があるというのに、藤紫には欠片も自分達が勝利するビジョンが見えない。見えてこない。こんなことは・・・初めてだった。

「在りえませんわ・・・!」

 ぶるぶると震わせた声で、そんな言葉を吐かれたのを聞いて、藤紫ははっと、声の方角を見た。いけない。

「駄目だっ、蘇芳岬スオウミサキ!」

「お消えなさい!!」

 藍紫色の髪に蘇芳色の瞳の少女が、ぶるぶると小柄な身体を震わせながら、その身体に似合わぬ大口径銃を抱えて、マグナム弾を男に向かって発射した。自分を撃とうとする少女、ソレを眺めながら仄かに笑った金斗羅の姿を藤紫は見た。

「蘇芳岬!」

 トンと、まるで先ほどから其処にいたかと錯覚させるような静けさで、金斗羅は蘇芳岬の後ろにいた。いつ、移動したのか、瞬きすらしていないはずの藤紫にすらわからない。そんな馬鹿な。50mはあったはずなのに、なのに、何故、いつ移動したのか?にぃと笑う、金の髪の男。

「え?」

 金の長剣がさくりと綺麗に少女の首を撥ねた。

「う・・・」

 その声は誰が最初にあげたものだったのだろう。

「うわあああああーーーー!!!」

 それらの声を皮切りに、彼ら彼女らは口々に叫びを上げて、思い思いの武装をぶっ放した。もう、作戦も何もない。ここにあるのは恐怖だけだった。獣の本性に戻って、ただ、その恐怖の対象を駆逐せんとするばかりだ。1対28。だというのに金の男に怖れはなく、それが最初からあるべき結末であったかのように血塗れの遺体ばかりが積み上げられていく。まるで散歩をするような気軽さで、息を吸うような当たり前さで金色を纏った鬼は己が剣に血を吸わせていく。

 何を思い上がっていたのだろう。

 狩られる獲物は・・・私たちだった。

 皆、死んでいく。恐ろしいほどの勢いで死んでいく。昨日まで同じ釜で飯を食べていた仲間が、だ。時には笑いあい、冗談を言い合った仲の奴もいた。時には喧嘩をした相手もいた。それら皆が目の前で肉塊へと変えられていく。

 だというのに、そんな恐ろしい光景の筈なのに、何故か。

 藤紫はその光景に見惚れて、動けない。血を浴びれば血を浴びるほど金色に輝き艶を増すそんな男の様から目を離せない。彼女に起きた衝動、それはまるで血を吸われるのをまつ吸血鬼の獲物にさえ似ていた。

 永く短い30秒。

 血の海に変わった世界で、足音すら立たない静かさのまま、金を纏った鬼・・・金斗羅は藤紫の前へとふわり、舞い降りる。

「あ・・・」

 ガクガクと、体が震える。自分が腰を抜かしていたことに始めて気付いた。にぃと、男の口元が薄く笑う。

「・・・あ」

 服の袂に手をかけられ、一気に左右に割り広げられた。ふるりと、藤紫の白い胸が露出する。其れを愛撫とすら呼べぬ手つきで手にかけながら、男、金斗羅は彼女の首元に噛み付いた。

「あ・・・ぅぁ・・くっ」

 じゅるりと、生命の源たる血が吸われる。飲まれていく。破られた皮膚が痛い。その筈なのに、触れられた皮膚が熱い。奪われる。それは恐ろしいと同時にとてつもなく快楽で、わけがわからなくなる。

「ぃ・・・ん・・・ぁあっ」

 血を啜られていく。当たる牙の感触が甘い。何故、そんな風に感じるのかすらわからないままに、縋るように藤紫は自分を喰らう男の首に腕をまわした。まるで、夜の床で恋人に甘える女であるかのように。明らかにこれはそんなものとは違う、一方的な略奪行為である筈だというのに。

 喉を鳴らして男が女の首元から離れる。間近で見た顔はやはり人ならざる美貌で、金色の瞳は正気とは程遠く、残虐にして無垢。獣性を湛えた表情は、まるで理性をどこかに置き忘れてきたかのようだと言うのに、妖しくも美しかった。口元に滴る血がまるで紅を塗ったかのようだ。月光を受けて輝く黄金きんの長い髪が、藤紫のむき出しの白い肌を擽る。

 彼女のズボン越しの谷間に、ごりと押し付けられるようにして男の怒張が存在を主張する。こいつは欲情している。其れを知って尚、この人外の鬼の姿に彼女は見惚れ、動けない。

 相手は自分の弟分や妹分を含め、仲間を皆殺しにした奴だ。それをこの目でみて、知っているにも関わらず、藤紫は憎むことすら忘れて、ただそこにあった。まるで、そうなるのを待ちわびているかのように。獲物おんなはただ、喰われる時を待っていた。

 それを、嗚呼やはり私はどうやら狂ってしまったらしいと、なけなしの理性でそんなことを思って、そして女は金の鬼に全てを委ねた。



      * * *



「え・・・?」

 わけもわからずに、混乱のままに出した金斗羅の第一声はそんな間の抜けた声だった。

「・・・・・・・・・え・・・?何・・・が」

 一面に漂うのは血の匂いだ。凄く濃い。それは1人や2人などですむような匂いじゃない。

(どうして、こんなことに・・・なっている?)

 あちこちにバラバラの人妖の死体が散らばっていた。あまりの惨状に思わず血の気が引いた。これはあまりにも、酷い。

(俺が・・・やったのか?)

 信じられないように、信じ難いかのようにそう自問自答しながらも、金斗羅にはちゃんと自分が犯人だろうことはわかっていた。今日は満月だった。それに、何より、もっとも濃い血の匂いは自分からしているのだ、間違いはないのだろう。しかし、わかっていても、キツイものはキツイ。

 そもそも、彼には・・・青雷ショウライと最後に話してからの記憶が殆どないのだ。あの見た目だけならば天使のように愛くるしい顔をした少女に何かを言われた。そこまでは記憶がある。だが、其処から先はマトモな記憶などありはしない。覚えているのは・・・感応共鳴を起こして、最古の人鬼、先祖たる伝説の人鬼の鬼人オニヒトと火水と名乗った女の記憶の一部を見たことくらいだ。いや・・・そもそも何の記憶から共鳴した。そこではっと右手に目をやった。

 金色の宝石細工がついた剣、金皇鬼カナオウキ・・・これの記憶だ。そうだ、確かにあの火水と名乗った女がもっていた剣こそが金皇鬼だった。

 だが、どういうことだ。確か、この剣は長さ30cmほどの短剣ではなかったか?其れが今や日本刀ほどの長さがある。どういうことだ?と、そこまで思って前に青雷が言ったことを思い出した。

『その剣は元々人鬼専用兵器。持ち主の力に反応して大きさを変え、持ち主の力になってくれる』

 つまり、文字通り、戦闘能力に反応して大きさを変えるというのか、これは。

 そこまで考えて金斗羅は、目の前に今まで考えていた茶色い髪に青い瞳の少女が来ていることに遅れながらも気付いた。

「やっ、吃驚しちゃったよ。金斗、想像以上に愉しんじゃってたみたいでー。ボク、てっきり金斗はチェリーちゃんかなーって思ってたよ?」

「・・・あ?」

 何を言っているんだこいつ、と青い顔のまま苛立たしげに少女を見ると、彼女はくすくすと子猫のように笑いながら、「全く、まだ気付いてないなんて本当ニブチンだなあ、金斗は」なんて言いながら、青い瞳を細めてくすりと笑った。

「レディ~にいつまでも跨ったままなんてどうかと思うなぁ?」

「お前、何言って・・・」

 と、そこまで言ってから下を向いて金斗羅は言葉を失った。

 そこには裸で白い肌を赤く染めた藤紫色の髪の女が、金斗羅のモノを咥えこんだまま、絶命していた。

 片腕がなく、片胸もなく、片目もなく、思い思いに奪われ、元の面影さえわからなくなっている女。まだ暖かい。死後何時間も経ってはいないだろう。腹は白濁に乱れ、身体中についている痕からも何があったのか聞かなくても想像はつく。でも何よりも金斗羅を打ちのめしたのは、それをやったのが自分であるという事実だった。

「・・・ぁ」

 カタカタと体が震える。金斗羅には、自分の沽券にかけて、こんな趣味はない。その筈だった。だが、これは間違いなく、自分がやったんだってこともわかっている。わかった。

「う・・・ぐ・・・」

 こんなのは、犬畜生にすら劣る。外道なんてものじゃない。こんなのは酷過ぎる。間違いなく自分は、この見知らぬ人妖の女を犯しながら喰らったのだ。

「とりあえずさー、金斗、ソレから抜いて、服着たら。いつまでもその格好なのはどうなのかなあ?」

 青雷は相変わらずあっけらかんと、ともすれば無邪気にすら聞こえる声と表情でそんな言葉を言う。それに怒りのような感情はあれど、それ以上に気が滅入っている金斗羅は、言われたままに自分の萎えきった一物を女の内からずるりと抜いた。湿り気を感じるその感触すら今は気持ち悪くて仕方がない。

 見れば、服はぐちゃぐちゃになっていた。何故そうなったのか、考えることすら放棄してしまいたい。

 のろのろと服を整える。そうして、もう一度周囲を見渡した。

 一面の血の海。

「は・・はは・・・はは」

(全くなんだこりゃ・・・今まで俺が守ってきたもんは・・・・・・なんだったんだろうな)

 10年前、夜月族が滅んでから1人で生きてきた。自分が最底辺にいることは知っていた。それでも、それでも・・・やってはいけないことはあるんだと、そう思って生きてきた。争うくらいならば、逃げてでも守りたいルールだった筈なのに。

 いつだってそうだ。其れが何にしろ守るというのはこんなにも難しく、逆に砕けるのは何て簡単。なんてあっけない。なんで・・・こうなるのだろうか、いつも。

 空が白み始めている。間も無く夜が明ける。だから、頬を伝い落ちるこの水滴もみんな、空が眩しいせいにしてしまいたかった。




  続く




というわけで、2話でした。

藤紫さんとの微エロシーンが書いてて楽しかったです。・・・本番は書いてないからセフセフですよね?つか、これくらいのエロスなら15禁で充分っすよね?とか自分で書いておいて今更ちょっと不安になってみたりもする。

いや、大丈夫な気がする。問題ない。某トラブル宇宙人ハーレム漫画に比べたら余裕余裕。うん、きっとね。そんな感じ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ