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最終話 因縁を振り切った後

 ダンジョンでの戦闘から一週間後。


 窓から差し込む日差しによって、ルークは目を覚ました。


「……むぅ、うーん」


 ベッドから起きて、大きく伸びをしてから立ち上がる。

 そのままドアを開け、階段をゆっくり降りつつリビングへと向かった。

 そしてリビングのドアを開けると。


「お、おはようー」

「おはようございます!」


 メリッサとエマが既に起きて、朝食の準備を始めていた。

 ルークも手伝うため、エマから皿を受け取ってテーブルに並べていく。


「しかし、まだ怪我が完全に治らないんだよな……二人はどう?」

「私は結構動けます。固有スキルの効果なのか、怪我の回復も早かったですし。メリッサさんとシャノンちゃんは完治するにはもう少しかかるかもしれませんが」

「とは言っても、私ももう十分動けるぐらいには治ったけどねー」


 一足早くテーブルに着いたメリッサが、コーヒーを飲みつつ答えた。


「あれだけの戦闘を行って、一週間で傷が治るのも奇跡的というか。やっぱ相当上手くいってたんだな」

「ですね……」


 ルークとエマも席に座りながら、一週間前のことを回想した。


 ― ― ― ― ―


 ロブレンやラウドと戦った一週間前のあの日。

 満身創痍の状態でダンジョンから出てきたルークたち、それを見たダンジョン警備の冒険者は、急いで街に救援を呼びに行ってくれた。

 直前まで意識を保っていたものの、エマ・メリッサ・シャノンはダンジョンから出たと同時に気絶してしまい、ルークも疲弊してその場を動けない状態だった。

 

 辛うじて歩けるセレナとバレットを横にして、ルークたちは担架に乗せられメイラスの病院まで運ばれた。

 やがて、病院のベッドでルークが目を覚ますと、横にはセレナたちが並んで座っていた。


「よかった、目が覚めたようね。ここがどこかわかる?」

「……メイラスに戻って来たのか」

「そう。メイラスの中央にある病院よ」


 セレナはルークの手を取ると、固く握った。


「今回ロブレンとラウドを無力化出来たのは、あなたたちのパーティのおかげ。本当にありがとう。冒険者協会を代表してお礼を言わせていただきます」

「いや、そんな。役に立てたのならよかったよ。何より、俺個人の因縁も片をつけられたし」

「? そう……とにかく、これで私たちの仕事は終わった。私とバレットは明日メイラスを発ちます。あなたたちの病院代は協会が払うから、心配しないで。それと別途で報奨金も送るわ」

「そうか……色々ありがとう。セレナ、俺に稽古をつけてくれた礼を言うのまだだったよな。恩に着るよ。おかげでラウドにも勝てたし、俺の中の可能性にも気が付けた」


 ルークは痛む体を何とか起こしつつ、頭を下げて礼を言った。

 それに対し、セレナは微笑すると首を振る。


「私がやったのはあくまでサポートだけ。ルーク君の力が大幅に伸びたのは、ルーク君自身の努力によるものよ。貴方はもっと強くなれる。それは私とバレットが保証する」


 頷くバレットと共に、セレナは立ち上がった。


「エマちゃんたちには既に挨拶を済ませたから。また縁があれば、どこかで会いましょう」


 それじゃ、という風に軽く手を振って、セレナとバレットは病室から退出していった。

 しばらくドアの方を見ていたルークだったが、やがてゆっくりと横になると、右手を上へ伸ばした。


「本当に、終わったんだな……」


 しばらくすると、ルークは穏やかに寝息を立て始める。

 激闘の後、時間は緩やかに流れていた。


 ― ― ― ― ―


「まぁ、これでメイラスが襲われるようなことはなくなったわけだ。ひとまず安心だな」


 食パンを薄く切って口に運びつつ、ルークはほっとしたように呟く。それに対しエマとメリッサも頷いた。


「そういやシャノンはまだ寝てるんだよな? 起こさない方がいいよな」

「いや、シャノンちゃんは既に依頼受けに行きましたよ」

「こんな朝早く!? というか、もうそこまで動けるのか。元気だな……」


 のんびりと各々で朝食を食べ終わり、食器を片付けに入る。


「それにしても、ロブレンたちとの戦いに時間を割きすぎたな。魂測戦抜までもう少ししかない」

「ですね……でも、あれだけの戦いを制したんですから、魂測戦抜も楽勝ですよ!」

「そうだと良いんだがな」


 ルークは、メイラスを出る前にセレナたちから魂測戦抜について気を付けておくよう言われていた。


『ロブレンは魂測戦抜に『組織』が来ると言っていた。その組織がどのようなものかはわからないけど、警戒しておくに越したことはないわ。ルーク君たちも、今度王都に行くならくれぐれも気を付けてね』


 セレナの言葉を思い出して若干不安になるルークだったが、しかしエマたちのキョトンとした表情を見ると、すぐに笑顔を取り繕った。


「ま、俺たちもシャノンに続くか! 皿洗ったらギルドに行こう」

「そうですね!」

「私も暇だし、一緒に行くよ。リハビリがてら、簡単な奴をこなそうかな」


 ルークたちはワイワイと今後の展望について話しながら、ギルドへ行くために支度を始める。

 激闘を制し因縁を振り切ったルークたちは、再び新しい日常を送っていくのだった。

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