浮気
・・・一途。
私は彼と結婚した。
かつて彼には恋人がいた。
どうしても私はあの人が欲しかった。
だから、あの手この手を使って、彼女から彼を奪い取った。
愛する人と結ばれるというのは、素晴しい事、多少の犠牲は払ってでも欲しいものは手にしないといけない。
幸せな結婚生活、思い描いた日々だった。
だけど、変な噂が耳に入った。
ゴシップ好きの団地妻たちの戯言・・・はじめはそう思っていた。
まさか、あの人が浮気するなんて、ありえない。
断言できる、だって、私は愛されている。
だけど・・・。
もし・・・。
あの人が・・・彼女に未練があったなら・・・。
それはあり得る。
彼は一途だ。
私に一途であるという事は、かつては彼女にも・・・。
ひょっとして、別れされるだけでは足りなかったかもしれない。
彼の愛を一心に受けるには彼女は邪魔でしかなかったのだ。
なんで気づかなかったの。
私と彼の為に、かつての恋人はいなくなるべきだ。
私はバックにハンカチに包んだ包丁を入れる。
サングラスをかけて別の顔になる。
急がないと・・・。
一刻も早く・・・。
彼女ヲ・・・。
コロス・・・。
シンデモラワナクッチャ。
・・・も。




