宇宙人
こんなの。
まさか?
まさかね。
親友のまさみが宇宙人だなんて・・・。
とんでもないうわさ・・・デマだわ。
確かに彼女は不思議ちゃんではある。
たまに授業中天井を見上げ、ぶつぶつ言っているし、昼休みに弁当を食べる時は、必ず屋上でずっと空を見上げている。
・・・それだけ、たったそれだけのことで宇宙人だなんて、ナンセンスだわ。
ふたりで帰る下校道、私はおそるおそる聞いてみた。
「まさみ、宇宙人なんて言われているけど・・・」
「・・・・・・」
長い沈黙の間があって、
「ソウナノ・・・ソッカ・・・デモ・・・モウイイヤ」
と彼女が寂しそうに呟く。
このまま私たちは黙ったまま家路へと近づく。
「じゃ、バイバイ。また明日」
「ウン、サヨナラ」
私はまさみのサヨナラの一言がひっかかった。
夕飯を終え、テレビを観ていてもその事が気になったので家を飛び出し、まさみ家へと自転車を走らす。
おばさんにまさみのことを聞くと、
「誰?」
と、不思議そうな顔をされた。
え?
どういうこと?
まさか?
私は、すぐにあの場所を思いだした。
まさみが大好きな小高い丘。
いそげ。
いそげ。
私の心が警鐘を鳴らす。
全力チャリこぎで丘へつくと、そこは夜なのに金色の光がさしていた。
上空には、大きな円盤が浮かんでいる。
「まさみっ!」
私は親友の名を呼んだ。
「・・・エリ」
彼女は微笑む。
「どこいくのよ」
「オウチカエル」
「ソンナ」
「エリ、イク?」
光輝いているまさみは、私に手を差し伸べた。
ワタシハ・・・。
書いてみました。