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金糸雀 ~カナリア~  作者: 蒼崎琴子
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プロローグ

  


貴方がくれたものは、居場所。

残酷な名前で優しい束縛をくれた。


 全てをなくした私には、それすら嬉しくて。


ずっとこうしていたかった。

 声も出さず、閉ざされたままの世界で貴方だけを見つめて、貴方だけの声を聞いて。


 貴方の出してくれるご飯が大好きだった。

 貴方の少し恥ずかしげに笑う顔が大好きだった。

 淡々とした足音も、少し怖い目つきも、時折気まぐれに弾き始めるチェロの音も、全て。


 いつまでも変わらない世界を夢見ていた。

 何を考えているのか分からない貴方は、いつ私を捨てるかわからなかったから、いつもそればかり考えていた。

 ただ、一言たりとも発さない私に怒ったりしないか、呆れたりしないか不安で。


 けれど、結局彼は一緒に居てくれた。

 それが、どんな理由だったのかは知らない。

 しかし、そんなことは関係ない。

 ただ、嬉しかった。


 けれど、時は来てしまった。

 ここには居られない。

 貴方の側に居続けることは、私には出来ない。

 だから―――



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