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四公爵の恋愛事情  作者: 澄波水音
8/8

8:レセア、私たちのガゼボ

ルナリスとレセアのガゼボ。


「ルナリス…あなたはどうしたいの?グレイ様の事」

呆れて聞く。

「どう…って、グレイは何も覚えていないんだし、どうもこうもないわ」

「そのことじゃないわ。…あなた、グレイ・ヴェントスが好きなんでしょう」

「!?、な、何を言っているの、レセア。そそ、そんなわけないでしょう!あんな、あんな…私の苺を無断で食べてしまうような人!」

「そこ…?」

「ええ!苺はとっても大切なのよ!」

ルナリスは、恥ずかしさを隠すように話を変えようとする。

―まったく、このお嬢様は。

才女で人望もあり、スタイルもいい。シルクのような金髪に、綺麗な海のような瞳は、誰もが見とれる。

…ダメなのは、恋愛に関してだけ、なのよね。

「そんなんでいいの、アクア公爵令嬢。いつまでもぐずぐずしてると、プリンセスに取られちゃうわよ」

「っ!」

プリンセス。それは、そのままの意味。王の娘。王女。

現在、アロノスのプリンセスと言えばただ一人。

リゼ・アロノス王女。

現王には男女の双子がいて、その片割れだ。リゼ王女は、双子の妹のほう。


彼女には、あるうわさがある。

「リゼ王女は、グレイ様のことを慕っているらしいじゃない」

「…」

「あなた、その様子だと知っていたのでしょう?」

「…」

「ルナリス」

「もう、しつこいですよレセア!私は、グレイのことなんてなんとも思っていません!…ただ少し、会うと緊張して顔が熱くなって、体内の魔力の調子がおかしくなるだけ!」

「いや、それもう確定で好きだね?」

「だ、だから違うって言ってるでしょう!」

勢いで立ち上がったルナリスは、公爵令嬢ならぬ慌てようで、紅茶をぐびっと飲み干した。

「行きますよレセア!そろそろ午後の授業の時間だわ」

「はいはい、わかりましたよ」

バスケットを持って、校舎を目指す。

公爵令嬢ルナリス・アクアは、不器用で強がり。

それでも私は、この方が、可愛くて仕方がない。


レセア・グラキエス。ルナリスの部下であり、女騎士であり、そして、一番の友だ。




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