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四公爵の恋愛事情  作者: 澄波水音
5/8

5:ルナリス、忘れ石

びっくりして、声が出なかった。というか、口が開けない状況だった。

「っ」

はっとなって、すぐに離れた。顔が熱い。

「えっと、あ、あの…」

「わざとじゃないぞ…!」

「あ、え、ええ、助けてくれてありがとう…?」

心臓が飛び出そう。

―どうしよう。なんて話を切り出せばいいのかしら…?いっそ、何もなかったことに…いや、この状況でそれは無理…。

「忘れよう」

「え?」

口を開いたのは、グレイだった。

「俺が魔法をかける。ちょうどいいものがあるんだ。じい様からもらった忘れ石。10分間の出来事までなら、きれいさっぱり忘れられる」

「え、あ、そこまでしなくても…」

「ファーストキスは、好きな人と…って、前に言ってただろ。まだ10分も経ってないから、間に合う。急げ!」

「あ…」

確かに、言ったような気がする。

でも…

―なんで、そんな悲しそうな顔をしているの、グレイ?

―そんなに、私とキスしちゃったのが、嫌だったの…?

そう考えると怖い。だから、言った。

「…そうね…。忘れてしまいましょう」


「この石に手をかざせ」

言われるがままに、手を差し出す。そしてその上から、グレイも。

さっきあんなことがあったから、それだけでも、手が熱い。


「忘れろ、忘れろ。グレイ・ヴェントスの名において、10分間の記憶を消すことを命じる」


グレイがそういうと、石は神々しく、白く光って、そして、消えた。


―え?

えーっと、これはどういうことかしら。

私…


記憶、全然残っているのですが…? 

キスしたときの情景、鮮明に映し出せるのですが!?

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