表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
竜輝士 ~Legend of Dragoon~  作者: 天川しずく
第1話 竜騎士として、人として
1/16

プロローグ



 これはむかし、白の王さまと黒の王さまがアークスを治めていたころのおはなしです。


 ある日、空は白色に染まりました。


 ある日、大地は黒色に染まりました。


 ある日、世界は銀色に染まりました。


 次の日、とても大きな地震が起こりました。


 その地震は山々を噴火させ、海を荒立たせ、大地にとても大きな穴を空けました。


 七日目の朝に地震は止みましたが、大地に空いた大穴から竜があらわれ、アークスに住む人々を襲いはじめたのでした。


 竜は大きな体と硬くて鋭い牙や爪を持ち、空を飛び、火を吹き、毒を吐く恐ろしい怪物でした。


 白の王さまと黒の王さまは九つの軍を率いて竜と戦いました。しかし、三度の戦いでも竜に勝つことが敵わず、次第に人間たちは住む場所を奪われてゆくのでした。


 人々が途方に暮れる中、白の王さまは五人の戦士を、黒の王さまは三人の賢者を引き連れ、神さまに助けを求めるための旅に出ます。


 神さまに会うための旅はとても厳しく険しいものでした。雨の日も、風の日も、暑い日も、寒い日も休まず旅を続け、ながいながい月日をかけて、やっと神さまの下へ辿り着きました。


 王さまたちの話を聞いた神さまは、白の王さまから水晶を、黒の王さまからは鏡を、戦士たちからは剣を、賢者たちからは本を受け取ると、一人の騎士をアークスに向かわせることを約束しました。


 その日、空は黒色に染まりました。


 その日、大地は白色に染まりました。


 その日、世界は金色に染まりました。


 次の日、一人の騎士がアークスに現れました。


 騎士は光りかがやく剣と鎧を身にまとい、同じく光りかがやく大きな翼を背中から広げていました。そのいでたちは騎士のようでもありましたが、天使のようでもあり、聖なる竜のようでもありました。


 騎士が光の剣をかざすと、天から無数のいなずまが降り注ぎ、あっという間に竜を倒してしまいました。


 騎士は倒した竜を大地に空いた大穴に落としました。そして、手にしていた剣を光りかがやく巨大な木に変えると、なんとそれを蓋にして竜を閉じ込めてしまいました。


 その後、光の木は大地を癒し潤し、多くの恵みを与え、世界中に希望の光を照らし続けたのでした。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ