依頼
「さて、ちょうど良かった。君たちに少し頼みたいことがあるのだが」
カーフとソーラ一行は、食事を終えた足でギルドハウスに入る。軽い歓迎を受け、カーフは受付から1枚の紙を貰ってきた。依頼用紙だ。
「カフェを開くにあたって、最低でも5種類、コーヒー豆が欲しくてね。この街の店には2種類売られているのだが、残り3種類、街の中だけだとどうしても入手することが出来ないのだよ」
慣れた手つきで用紙に必要事項を書きながら、話を進めていく。若干崩し気味の文字だが読みやすく、あっという間に用紙に文字が記されていく。
「君たちに依頼したいことは、その3種類のコーヒー豆の入手と、街でも入手出来る2種類、計5種類の豆の流通ルートの確保だ。場所はイストウッド南部の原生林。詳しい話は、原生林の脇にある村で聞いてくれ」
書き終えた依頼用紙を、そのままソーラに手渡す。記入事項を読み返すソーラだが、先程の説明と変わったところは見られない。
「村には私の甥っ子が住んでいるし、村長と私は顔なじみだ。私の名を出せば、悪い顔はしないだろう」
「1ついいか?」
話を軽く遮るような形で、コガネが尋ねてくる。「どうぞ」というカーフの返答に続くように、コガネが口を開いた。
「南部原生林は、俺たちもあんたと一緒に何度か依頼で行っている。あそこに住んでいる魔物はおおよそ知っているつもりだが、どれも5thのパーティでも十二分に対応出来るだろう。なぜわざわざ俺たちに依頼を?」
ちょっと短いですが、続きは深夜に。