表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元冒険者のカフェマスター  作者: 白本のーと
13/14

厄介者と厄介払い

「……ふむ、レイアウトはこれで構わないかな。必要と感じたら、買い足せばいいだろう」


その後買い物を済ませたカーフは、買ってきた機材のテストを兼ねてコーヒーブレイクと洒落こんでいた。その間にも店内を隅々までチェックして、足りないものは無いか、逆に過剰に用意したものは無いかの確認をしている。


「必要以上の在庫は、データを取る上でも要らぬ情報になりかねないからね。今はまだ2階を在庫置き場にすることは出来るが、いずれ出来なくなるだろう。適切な在庫管理は、今後必要なスキルになっていきそうだ」


出納帳に買ってきた機材等の出費を記入していく。準備金はまだ潤沢にあるものの、無駄遣いは避けたい。必要なスキルの再確認をしたところで、カーフの腹の虫がなり始めた。


「おや、もうそんな時間だったか。コーヒーだけで腹を膨らませるのもよくないね」


カーフは食器を片付けると、食事のために外に出た。




いつもの酒場か、新しい店を開拓するか。そとに出てぼんやりと考えているカーフのその足は、ギルドの方向でも飲食店街の方向でもなく、街の外れ、街の外の方向へ歩を進めていた。


見られている。それも1人2人ではなく、数十人と思われる視線から。それを感じとっていたカーフは、朝の買い物で捕まえたひったくり犯とその不愉快な仲間たちのことを思い出していた。


「全く、懲りない連中だ」


せっかくの食事を邪魔しないでほしいものだ、とカーフはそのまま、街の出入口である大門まで来ていた。


「おや、カーフさん、依頼ですか?」


門前に立つ守衛に声をかけられる。顔なじみでもあるその顔を見て、カーフはやあ、と一声かけた上で、


「依頼というか厄介払いだね。ちょっと外で大きい音がするかもしれないが、まあ気にしないでくれ」


とだけ言い、そのまま街の外に出ていってしまった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ