第17話 魔王様の引きこもり生活2日目 -朝-
僕がキャロルの件を引き受けた一番の理由は、『新世代』が取り込まれている事にあった。
今日明日と僕は登校出来ないので、今日は繁華街でぶらつくつもりでいる。
「おはよう」
「……チッ」
昨晩少し会話が出来たからイケると思いました。
妹との距離は分厚いね。
僕は特に気にしない風を装い、食卓で朝食を済ませ外へ出た。
「……ねぇ」
マンション入り口で声をかけられ、振り向くと悠がこっちを見ていた。
「何?」
しばらく口を閉ざしていた悠だったが、「……別に」とだけ告げ駅に向かって去っていく。
悠が何を言おうとしたのか分からなかったが、僕は最近会話が多くて嬉しいなぁぐらいにしか考えず繁華街へ向かった。
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三知之島銀座通り。
どの辺りが銀座なのだろうと思うのだが、この通りは土日では歩行者天国もするぐらい賑わう。
渋谷と原宿を足したような一区画なのだが……何故銀座通りなんだろう。
僕は不良学生っぽくブラブラとウィンドーショッピングをし、適当なゲームセンターに足を向ける。
「あれ?」
ゲームセンターはシャッターが降りていた。
あ、そうだった。
平日の夕方4時までは店が開けないんだった。
普段は家でしかゲームしないので忘れていた。
……他に不良の溜まり場とか、どこかあったなかな?
その場で仰ぎ見ると防犯カメラが目に止まる。
(大体はアレでしっかり見られてるんだよなぁ)
防犯カメラと監視カメラは結局同じ事で、最近のだとどこの誰かまでしっかりきっちり特定出来てしまう。
近年では現行犯でなくても逮捕出来る罪が増えている。
住宅街からこの繁華街へ来るにも、何処かしかのカメラに映る事になるので難しいのかもしれない。
(もっと別の……住宅街付近で溜まり場になりそうな場所があるのかも)
僕は繁華街を早々に見切りをつけて、新作のラノベとゲームを見繕って買った。
……良きかな良きかな。
引きこもるのにも準備は必要だよー。
短くてすいません。