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第6話 日常への準備

日常や心情の表現って難しい

 

 今日も朝から色々有ったなぁ。精霊、収穫、狩り、焼肉。特にティルーネとの話は中々興味深い。

 これからの行動指針にもなったし役立つ情報だった。

 夕梨とお風呂に入りマッサージをして、お尻を見たら少し痣になってた。これは痛かっただろう。



 朝から楽しかったな。動物達に精霊もお友達が出来たし収穫も楽しかった。初めて尽くしでワクワクしたけど真面目にやらないとね!食料なんだから。

 ティルーネとお茶して楽しかったし、焼肉も!3人でゆっくりお茶して解散。

 久しぶりに零と一緒にお風呂に入って流しあいこして、マッサージもしてくれた。疲れてるはずなのにありがとうね?お尻を見て貰ったら痣になってるって。消えるかなぁ?零の為にも綺麗な身体で居たいんだけど。

 ベッドに入ったら…………ね?何だか最近、この世界に来てとくになんだけど、そのね…………零に可愛がって欲しくて我慢出来ないの。種の保存的な感じ?ストレス?情緒不安定?発情期?良く分からないけど……零も特に何も言わないから大丈夫よね?







 今日も外で小鳥が囀り合う声が聞こえる……

 昨日もおねだりしてしまったけど、凄く幸せ。身体には負担が掛かるけど、気怠くても安心に包まれてる感じがするの。

 うっすら目を開けると零の頭を胸に抱き寄せて寝ていたみたい。苦しく無かったかな?

 トイレに行くのにそっと出る。あぅ…

 スッキリした後2度寝しようか迷う。体力無いからツライ。外はまだ薄暗いから……やっぱり寝る!零の傍に居たいから。





「おはよ……夕梨」


「…………うみゅ……………………おは……よう……すー」


「あれ?……ねちゃった?ま、いいか」


「うにゅ……………昨日、ちょっと…………激しくて………ごめんなさい。おきる」


「大丈夫?いいよ寝てて。余り体力無いんだから無理するな」


「ううん………ダラダラしても良く無い………起きる。一緒にシャワーしよう?」



 ダルかったけど愛情表現だからね。仲良くお風呂に行く。

 なんだかんだで零は甘やかしてくれる………優しい。でも、私だってやる事はちゃんとやるんだからぁ!


 脱衣場で身体を拭いて、零の背中も拭いて!あっ、そのままズボン穿いてる!

 どうなんだろう?って思ったんだけど、何だかワイルド!惚れた弱みかしら………私はちゃんとパンツ穿きますよ?ブラも着けます。スカート穿いてTシャツ着たら、零が魔法で髪の毛を乾かしてくれたの。ありがとう!私は髪の毛長いから洗うのも乾かすのも大変だけど、零が気に入ってるみたいだから頑張って維持します。


 朝食はパンを焼こうと思ったので伝えると、零も先にやる事有るって言うから時間掛かるけど、朝食はパンにします。ごめんなさい。

 昨日の晩、愛し合った後と思うけど小麦が製粉されてたの。強力粉だからパンにしようかなって。

 寝てる間もこんな事してくれて申し訳ない気持ちと感謝で涙が出ちゃった。私も頑張らないと!

 急いで生地を練って少し寝かせてる間に、洗濯桶に漬け置きして。

 スティック状と容器に入れた食パン風と作って焼く!で、お洗濯の続き。私の下着とか痛み易い物から洗って干すの。零のズボンは汚れてるし生地が丈夫だからしっかり漬け置きね。

 そろそろ焼けるかな?


 焼き上がったパンをお皿に乗せてジャムも出す。レタスとトマト、大根を細切でカットしてサラダね。サラダ油、お酢、昨日のタレを少し混ぜて和風のドレッシングに。お料理やお裁縫は得意なんだから!

 外に零を呼びに行こう。



「零…出来たよ、お待たせ…………こんなのあった?」


「うん、ありがとう。倉庫を増やしたんだ」


 家に入り朝食にする。零の反応を見ていると、出来はまずまずみたい。ホッと一安心。やっぱり美味しい食事を出したいから。そう言えば倉庫?大きいのね?


「うん。備蓄用と作業場にね。糸から布生地も考えてるし紙も加工に挑戦するから。後、ゴムも」


「スゴイ!布が有れば………服もお布団もクッションも作れるね!紙は凄く有難いの!でも………難しいんじゃない?」


「難しいけど夕梨が困るでしょ?もう日本の習慣を無かった事に出来ないだろうし。紙を試してる間に糸の段取りと布織機を考えるよ。ゴム製品は後だね。あ、食用油は綿花の種から作るから」


「うん。有ると助かるわ、特に…………月のモノ………」


「ん、頑張る。後は何か有ると便利なモノって?」


「そこまで考えててくれてるなら………器や容器かな?後は…調理器具の小物と………紐ゴムと糸ゴム!服や下着を作る時に。特に私の………」


「そっか、夕梨の服や下着はゴム使うもんな。小物食器類はすぐ作るよ。午前中は夕梨と確かめたい事が有るから用事が済んでから声掛けて。その時に、一応ティルーネも呼んで」



 そう言って零は倉庫の方に行ったので、私は朝食の片付けをしてからお洗濯の続きを行う。

 さっきのお話………私と確認って何だろう?ティルーネも?昨日のお話の事?それともティルーネに会いたいのかな?ちょっとモヤモヤ………零を信じなきゃ。や、やっぱり聞きに行こっ!


 私も倉庫に行くと、既に陶器のセットのカップとソーサーやお皿、ガラスのコップに器と瓶、金属製の器や調理器具が何種類も出来ていて、大きな機械?をつついていた。

 零がどうした?って近付いて来たので抱き着いてから先ほどの考えを言葉にしてみた。


「そんな訳ないだろ?こうやって夕梨が居てくれてるのに態々他の女の子になんて。大丈夫だよ?夕梨が奥さんでしょ?自信を持って。不安ならこうやって言葉で聞いてくれたら良いんだからね?ちゃんと聞いてよ?それにね。俺と夕梨の出会いには意味が有ると思ってるから心配しないで」


 うん………分かってる。分かってるけどモヤモヤしちゃって………何か気持ちがソワソワして落ち着かなくなるの。だって、彼女綺麗だし良い子だし頭も良いみたいだしスタイル良いし。他の子でもやっぱり零に近付いたら不安になると思うの………私がダメなのは分かってるでも………無理だもん………


「それなら不安に思ったら直ぐ教えて?ちゃんと言葉にして抱き締めたら安心でしょ?」


 そう言って私を抱き上げて歩き始めると倉庫の奥と家の廊下がみるみる繋がってリビングのベンチに抱いたまま座って頭を撫でてくれて………私は自分が情け無いのと零が優しいのと両方で、更に抱き着いて泣いちゃった。

 折角だからって、お昼までこのままお話しようって。ありがとう零。

 私が嫉妬深い事。小心者の事。おバカちゃんな事。向こうの両親と茜が心配な事。戻れた時の事と戻れなかった時の事。先が見えないからどうしても不安になるし。

 私なんかが零に釣り合うのかとか………色々とお話して、答えは出なくてもこのお話は不安になったら直ぐに零に伝える事。とかね。

 うん。少しスッキリした。やっぱりスキンシップは大事ね。えっちは勿論大事だけど、言葉と触れ合いのコミュニケーションも取らないとね。




 お昼が近づいて来たから昼食の準備しなきゃ。

 キャベツたっぷりのロールキャベツにしよっ!中は鶏肉にして、スティックパンを斜めに輪切りにしてマヨ塗ってツナと玉ねぎを乗せてパセリをかけて焼こう!

 パセリ位、お庭に無いかなぁ?廊下を歩きながら、田畑が前に有ればいつも取れたてなのに…なんて考えながらドアを開けたら………………………………………目の前の草原が水田と麦畑と野菜畑になってる…………


「零、れーい!来て!」


 焦って走って来た零もこの光景を見て唖然としたけど一瞬で、苦笑いしながら聞いて来た。


「夕梨、さっきまで畑が前に欲しいとか、アノ野菜がとか思ってなかった?」


「…………え?うん………そうだけど…………どうして」


「ティルーネ?居るんだろ?「はい。こちらに」多分、夕梨が望んだことは現実に起こる。主に大地や植物に関る事が。そうなんだろ?」


『禁則事項で御座います。』


「もう、それ答え」


「え?…………私。私なのティルーネ?」


『…………禁則事項ですよユーリ様』


「もう、本人も自覚してるっぽいから意味ないって」


「そんな事よりティルーネ?お野菜取りましょ!サラダ用に。お昼一緒しましょ!しましょ!さあ」



 何か良く分からないけど、助かったのは事実。ティルーネを引っ張って…………アスパラと胡瓜とプチトマト。パセリも!早く準備しよ?



 家に入って野菜を洗いカットしてマヨ和え。パンも焼いて煮込んだロールキャベツを器によそって出来上がり!お茶は緑茶にして配膳したら


「「『いただきまーす』」」


 うん。まずまずの出来上がりね。2人の反応はどうかしら?

 零は満足そう!嬉しい!ティルティルーネは…………モリモリ食べてるわ。


「て、ティルーネ?お代わり有るわよ?」


『じゃあ、お代わり!ユーリ様、凄く美味しいです。このキャベツの煮込みって鶏肉が入ってるけど、全然気にならなくて…これなら精霊でも喜んで食べちゃいます!』


「はい、お代わり。本当に?良かったわぁ。ティルーネも呼ぼうと思ってたから具のお肉に少し気を遣って良かったぁ。ハーブを練り込んでオレンジも絞ったの」


『ほんと、ユーリ様は料理上手よね。お菓子も習いたいわ』


「そうだね。夕梨は料理が上手だよ。有る物で工夫して美味しく作ってくれるし、感謝してるよ。これは夕梨の才能に努力を重ねた結果だから胸を張れる事だよ」


「私……お料理やお裁縫って好きだから。胸は…………私おっぱい大きいから…胸を張ると恥ずかしいの」




 途中、意味不明な返事もしていたけど、夕梨が楽しそうだからいいか。

 後で確認はしておこう。何が出来て、出来ないのか。

 食後、近くの木を伐採して倉庫に運び込む。風魔法で切断して灰汁と攪拌層に入れる。

 火魔法で高温加熱しながら攪拌し噴射口から風魔法で噴霧して専用の網に吹付て熱したローラーで伸ばしながら乾燥させる。

 試作1号はどうかな?触ると少し硬いな。千切れやすくて水には溶ける。が、少し時間が掛かる。

 配合を変えて、薄く作ってみる…………んーもう少しかな?再度挑戦。


 あれから6度目の物が一応合格品かな?ロール芯に巻いて切断して完了。

 夕梨に見せてみよう。

 その内、化粧品や洗剤、石鹸、シャンプーとか言い出すんだろうな。この世界の文明では似たり寄ったりだろうから、代替品の開発は考えておかないとな。



「夕梨、これなんかどうだい?」




 昼からはティルーネも一緒にキッチン周りの食器を片付けて、調理器具の使い方を教えながらしまいこんだりして、実際にパンケーキを作ってみた。

 その際に話を聞くと何とかなるらしいので蜂蜜と卵、ミルクを持って来て貰った。

 間にホイップクリームと苺とオレンジを挟み上にもクリームを乗せて完成。紅茶を一緒に用意していると零が入って声を掛けてきた。トイレットペーパーが出来たみたい。さすがです!


「うわ!すごーい!日本のと変わらないね。あ、トイレで使ってくるー」


 トイレに駆け込み、パンツを下ろして解放感に浸る……さて、初使用。うーん。ちょっと硬いかな?でも我慢出来ないほどじゃないね。スゴイ!後は水に溶け…大丈夫!さすがのクオリティ!


「ありがとう零!さすがなの!ちょっと硬いだけで全然問題無かったよ!一安心…………あ、皆でお茶しよ?パンケーキ2人で作ったの」


 トイレットペーパー作れるとか本当、神様かしら?凄くうれしい。さ、さ、食べよ?え?零は一口でいいの?むぅー。なら、はい。あーん……どう?おいしい?

 あ、零?あのね?あの……卵とミルクってウチでどうにかなるかなぁ?有ればお料理がぐっと広がるんだけど……そうよねぇ。動物が必要だもんね。え?ティルーネが何とか出来るの?お友達に頼むの?

 うん。じゃあお願いね?無理なら仕方無いしね。え?連れて来るの?明日ね?うん、分かったわ。

 ティルーネは友人に頼みに行くとかで帰ってしまったので2人の静かな時間。


 お茶以外は片付けて、リビングの床に敷いて有る毛皮の上にお姉さん座りで腰を下ろして、紅茶を飲みながらノンビリと綿花の作業の続きをします。

 毛皮のおかげでお尻が冷えなくて助かわね。


「夕梨の能力?大自然の加護のおかげで作物の心配は無くなったね。後は加工が必要なものの作業と狩りを俺が頑張れば何とかなりそうだ。洗剤関係と化粧関係も何とかするよ」


「わたし……イマイチ自信無いけど…零が言うなら大丈夫か。あのね?零が……頑張ってくれてるのは凄く嬉しいし…感謝もしてるけど、無理はしないでね?悲しいから…………」




 その後は2人で収穫済みの綿の作業を済ませてベッドマットを仕上げた。これでフカフカだね!

 また綿花を収穫して、掛け布団や枕にクッション、ソファーとかを頑張って作らないと。


 お茶の時間が遅かったから、晩御飯は少なめの野菜炒めで簡単に済ませてから私は洗い物や片付けをしてる間に零はお風呂に。

 私はお風呂に長めに浸かって肩凝りをほぐしたの。手作業もだけど胸のせいで肩がね……良くほぐして温まってから出る。

 身体を拭きながら肌を見て、気になったから化粧水をしっかり揉み込んでボディメンテしないと零に嫌われちゃうと困るもん!

 私がお風呂から出ると零は刀の手入れをしてたけど、目が合うとぼーっとこちらを見てるの。どうしたの?刃物だから危ないよ?


 なんだか見られてると恥ずかしくなって……赤くなって下を向いてたら、手を取られて寝室に。

 零の方から求めて貰えて凄く嬉しい……丁寧に扱って貰えて。そのまま幸福に包まれて…………

メリハリを付けたいけど…なかなか

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