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第3話 尋問の後は・・・

 

 真っ赤な顔で一生懸命に話す夕梨は可愛いよな。

 下を向いて恥ずかしそうにモジモジしているけど・・・その、なんだ、パジャマが小さいのか胸が大きいのか、ソコがな・・・強調されて先端が・・・

 いかんいかん。今はちゃんと話をしないと。切り替えてと。




 あぅ~零に胸見られてる・・・余計恥ずかしくなって・・・でも熱くなって・・・

 ダメダメ!今はちゃんとお話しの時間!




「・・・先ずは転生と転移かな?これは昨日も言ったけど俺には分からないんだ。何故こんな事が続いているのかは。今の人生の前はアノ地球のアメリカで生きていたんだ。南北戦争の頃だね。銃で撃たれた原因か身体が弱って行ってね、50代で死んだ・・・その前はアノ日本の地方都市に1970年代に生まれてサラリーマン人生。社用車で日帰り出張中に高速道路で事故に巻き込まれて死んだ・・・その前は地球じゃない星で剣と魔法が全ての世界だった。あまり文明が発達していなくて奴隷も殺人もレイプも普通にあって、俺は魔法も使える魔法戦士として凶悪魔獣討伐の専門家だった。最後は神話級って言われる竜のような魔物と相打ちで死んだ。この世界は転移でね、転移の前もどこか違う星で荒野しかない荒れた世界で巨大魔獣と人間の生き残りの日々だった。唯一は月が3つ有って綺麗だった事かな・・・その前はサムライ、その前は異星人に侵略で死滅した星、その前はイギリス貴族、その前は銀河間戦争やってる世界でパイロット、その前は人と妖精が共存してる平和な世界、その前がたしかココ。剣と魔法の世界・・・」




「大体はこんな感じで世界を渡り歩いたね。でも、今回みたいに転生や転移にアノ黒いモヤモヤが絡んだ事も無いし、見た事も無いんだ。だけど見た瞬間にマズイって思ったのは確かだよ?直感かな?」



「・・・そうなんだね・・・何だかスゴ過ぎて平凡な私には良く分からないけど・・・死んじゃったり飛ばされたり・・・辛かったんだろうね・・・・・あの・・・あのね?その・・・今までに・・・奥さんとか・・・・そう言う人は居たの?・・・」


「・・・うーん・・・居なかったかな。不思議と。でも、何でだろう?自分でも避けてた様な気もするけど・・・夕梨が初めてかな。ココまで親密になった女性は」


「そ・・・そう、なんだね・・・ちょっと・・・安心しちゃった・・・じゃ、じゃあ日本では?」


「それこそ、夕梨が居るのに他が居る訳無いだろ?」


「でもでも!・・・学校とか、沙織さんとか・・・たまに零って居なくなっちゃうし・・・」


 何だ?この浮気を問い詰められてる旦那みたなシュチュエーションは・・・まぁ、不安は取っておくか。



「学校だろうが何だろうが全部断ってるよ?興味ないしな。夕梨だってそうだろう?」


「・・・そ、そうだけど・・・私は零だけだし・・・沙織さんとも仲良いし・・・」


「ん?沙織?あいつはバイトだろ?それに去年ちゃんと断ってるぞ?」


「・・・わかってるけど・・・不安だったんだもん・・・年上だし、カワイイから」


「悪かった。でも、もう大丈夫だろ?ここには俺達2人しか居ないんだし・・・他には?」


「・・・ウチの両親が帰って来ると、いつも何日か居なくなるのは?」


「そこか・・・それはな、次元のオッサンが日本に来て俺のトレーニングとかバイト先の偉いさんに一緒に挨拶とかの為なんだよ。余り言える内容じゃなかったし、おじさんとおばさんが帰って来るタイミングじゃないと夕梨を1人にしちゃうだろ?だからだよ。たまに夜出掛けてたのも、そのバイトだよ」


「・・・そう、なんだね・・・何か私ね・・・お母さん達も知ってる風なのに・・・何も言わないから・・・聞いちゃダメなんだと思ってて・・・少し怖かったから・・・免許が有るのも関係してる?」


「・・・ま、確かに聞かれても説明には困っただろうから・・・悪かった。免許の事もそうだよ」


「・・・えっとぉ・・・聞いても大丈夫?」


「今ならもう、異世界だから良いよ。んーっと、アイツの仕事は知ってるだろ?軍人はカモフラージュで政府の諜報工作員なんだよ。で、いきさつは省くけど俺はその非合法な手伝いをしてたんだよ。免許は正式なモノ。納得した?」


「・・・・・大体は・・・だって零って、いつか居なくなっちゃいそうで・・・怖かったんだもの・・・だから今回、異世界まで一緒だから・・・嬉しいかも・・・だから納得してあげるね?」



 やっと収まったか・・・確かに謎は有ったんだから、そこは申し訳ないけど。

 だけど、中学生の女の子ってこんなに思い詰めるものなのか?男だから考えても分からんが、個人差も有るし夕梨は見た目と同じでかなり早熟なのかもな。

 えーっと、何の話だったか分からなくなってきたぞ?



「・・・それでね?・・・͡コノおうちはどうしたのかなって・・・・」


「あっ、そうだった。これは魔法だよ」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



 折角、色々と聞けて何となくだけど分かってきたのに、また謎ワードが飛び出しちゃった・・・

 私が焼きもち焼きで小心者でおバカなのが悪いんだろうけど、魔法って。ハァ・・・零って疲れが溜まってるんじゃないかな?他にも溜まってないかな?なんて・・・私が癒してあげないとダメなんだよね?



「ま、色々と説明するより先ずは実際に見てみてよ」



 零はそんな事を言ってるけど、何を見るの?

 右手を出してきて掌を上に向けて・・・・・・・・・・・・ナニコレ・・・・


「・・・・ひゃうん!・・・・」



 あんまりビックリしてイスから落ちちゃった!イタタタ・・・

 あ・・・・・・・・おしっこ漏れちゃった・・・・・止まらない!止まって!

 ちょっと見ないでぇ・・・・・お願い・・・死ぬ程恥ずかしいから見ないでよぉ・・・グス











 暖かいお風呂を準備してくれて・・・・・有難いのよ?

 髪の毛も洗えたし、落ち着いたし、お尻痛いし、恥ずかしかったしぃ・・・今も零は私のお漏らしを綺麗に掃除してる真っ最中のハズ。

 穴が有ったら入りたいとはこの事よね・・・・・凹むなぁ・・・私って足しか引っ張ってない気がする。

 こんなんじゃダメよね?私はお風呂に浸かってるだけ。もっとシッカリしなきゃ。

 それにしても魔法かぁ・・・本当に異世界なんだ・・・・ビックリだけど使えたら便利かも。私も使える様になるのかな?


 なんか・・・色々考えて落ち込んでたらのぼせてきちゃったみたい・・・ダメ・・・沈んじゃう・・







 なんだかなぁ・・・あんな色々考えて、焼き餅焼いて、悩んで、テンパって、恥ずかしがって、ハハハ。

 ま、そこも可愛らしいんだけど・・・おしり大丈夫かな?結構強く打ったようだけど?

 そう言えば長風呂だな?様子でも見に行くかな・・・


 おーい!・・・あれ?返事が無いぞ?覗いて見るか。



 案の定、のぼせて沈みかけてました。大変でしたよ・・・

 慌てて抱き上げて水吐かせて、身体を拭いてパジャマ着せてベッドに寝かせて。

 今日は周辺調査と狩りもしたかったけど、一緒に居てあげないとダメだなこりゃ。

 今のうちに魚と近くに何かの実が有れば調達してすぐに戻って来よう。


 と、言う訳で森の外の低木付近を駆け足で偵察。

 あ、何か野菜?が有るぞ?近寄ってみるとトマトに似ていたから齧って口に含みしばし待つ。

 毒は無さそうだから何個か採取。少し行くと蔓と見たような葉が。芋かな?掘りながら引っ張ると芋がゴロゴロ出て来た!何芋かは戻って調べよ。

 あ、向こうに果樹が有る!葡萄だ!これはラッキーだよ。数房取って朝の魚を回収してから家に戻る。


 炊事場に入り収穫物を広げる。これは期待できそうだ!

 の、前に。奥に更に魔法で地下へ向けて階段を作り地下室も作る。で、水魔法で内面を凍らせてから石の棚を作り、葡萄を置く。冷蔵の貯蔵庫だね。

 上へ戻り芋を調べる。やはりジャガイモに似てる。

 晩飯の食材は揃ったから、夕梨の寝ている横にイスを作り座って様子を見る。


 暫く様子を見ていたけど、大丈夫そうなので洗濯しよっかな。

 風呂場に行って魔法で石の桶と洗濯板を作り湯を張る。洗剤を入れて先に夕梨の下着と服を洗ってから俺の物を洗う。

 脱衣所を出て新たに横に小部屋を作って洗濯場兼、物干し場にする。上に石の棒で干せる様に、小物は下に棚状の物で。

 火魔法で熱して乾燥を促してから部屋を出る。


 夕梨の様子を見に寝室に行って寝顔を見つめる。

 うん。可愛い。異常も無さそうだし、もう安心かな?


 少し思案する。この世界に人が居るんだろうか?居たとして文明のレベルや人口、距離がどうなのかで準備も変わるし、その為には生活基盤も整えなきゃならないし。

 言語や文化も気になるよな?俺が居た時とは時代がかけ離れてると思うから、色々違うはず。

 あ、魔素が有るって事は魔物も居るのか!これはかなり注意しないと危険だ・・・夕梨が心配だ。


「・・・ぅ・・・わ・・たしが・・心配?・・・」


「ん?声に出ていた?身体はどう?」


「うん・・・だるい・けど、だいじょうぶ・・・」


「そうか。晩飯の支度するからもう少し寝てな。水を持って来るよ」


「・・・ごめんね・・・」



 水を飲ませた後は炊事場で食材を広げる。

 先ずは・・・魚は芋とトマトで煮込もう。スープはコンソメにして、米は・・・止めて小麦粉が有るから生地に練ってツナ缶とコンビーフとトマトソースでピザ風に焼こう。

 葡萄も絞ってジュースも作ろう。



「「いただきます」」


「・・・うわぁ、トマトどうしたの?葡萄のジュースまで!」


「うん。近くに自生しててね。ラッキーだよ?中々こんな事無いと思う。明日から少しづつ範囲を広げて捜索していかないとな。タンパク質も必要だから狩りもしないと」


「すごいね・・・お野菜が有ると助かるね・・・私も一緒にいい?」


「野菜や果物とか野草の時はいいよ。狩りは俺1人が良いかもね」


「うん・・・それでもいいから・・・美味しいね!」


「そうか、良かった。明日から少しずつでもそんな感じで動こう。夕梨は水分を摂っておくんだよ?」


「・・・うん・・・でも、もう元気だよ?」




 美味しくご飯を食べ終わって、私は水分補給も兼ねてお茶を飲んでます。

 片付けは零がやってくれているんだけど、ここは静かで娯楽も何も無いの。だからイスに座ったまま炊事場の零を眺めてるの。

 だってなるべく一緒に居たいし、折角2人きりの世界なんだからイチャイチャしたいもん!


 さ、明かりはもう全部消して、早くベッドに入ろ?ね?

 うん。落ち着く・・・零の左腕を挟んで・・・くっついて・・・足も絡ませて・・・

 あ、気付いてもらえた・・・ね?






 私は・・・心地よい気怠さの中で眠りに落ちていくの・・・・




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