第10話 日常も変化の毎日
朝…………目が覚める…………零!!
ハッとして横の零を見る。恐る恐る毛布をめくり、傷を確認する…………よかった。無かった。
あれは夢だったのかと思ったり、零の怪我が酷くなってないか心配で…………抱き着いて離れたくないよ……
そんな訳にはいかないので、体温を堪能してベッドを出てトイレに。
バケツを持って小屋に行き、挨拶してからミルクを貰うの。扉は開けて鶏さんはおはようをすると外に出て行くので卵を貰って家に入り、洗顔と髪を整え服を着替えに行く。
いつもの様に空気の入れ替え、漬け置きが終わってキッチンへ行って朝食を考えるの。
オーソドックスだけどパンかな?…………どうも怠いわ。やる事も考える事も多いのに…………
頑張ってパンを焼くの。で、卵を茹でて剝いて崩してマヨと混ぜて…………
薄くカットしたパンにからしを少々塗って、レタスを置いて練った卵を挟んで!
鶏肉のささ身を茹でて、ほぐす。こちらもレタスを乗せケチャップとささ身でサンド!
サラダかな?胡瓜、トマト、茹でた牛蒡をスライスしてゴマでドレッシング作ったからたーっぷりかけて完成ね!後はコーヒーを入れるだけ。
零を起こしに寝室に来たんだけど……寝てる。やっぱり怪我のダメージが有るのかしら?
結構長い時間痛みに耐えてたと思うし、狩りをして一日森を歩いて…………疲れない訳ないよね?大体、自分で糸で縫うってどんだけ?あんな深い傷なのに、平気な顔して……どれだけ我慢強いのよ!
私が心配すると思って耐えてたのでしょうね…………ありがとうね。
「…………零……いつも、ありがとぅ…………大好きよ……ちゅ」
………………うわ~なんか、、こういうの恥ずかしい~…………でもでも、感謝は大事です!
「む?…………朝か。疲れていたのか?おはよう夕梨。俺もいつも感謝してる。怪我も無くなったしな」
「……わたし、こそ…………感謝だよ?子供の頃から…………一緒だったの、零でよかったもん」
「それは俺もだ。よし、起きよう」
キスを交わして、零が支度を済ませるまでにコーヒーを入れて準備を済ませて…………
うん。今日の朝食も褒めてもらえた!やったぁ!
お行儀悪いけど、食べながらお話してる間も私の好きな空気。ぽつぽつした話し方も零はちゃんと聞いてくれるし。
今日は1日居てくれるみたい。糸やゴム、毛皮の事するんだって。後、私の魔法の練習…………
まほう。魔法かぁ……実感沸かないのよね。だって…………わたしだよ?平凡で取り柄と言えば、勉強と…………おっぱい、大きい位です。小心者だし。
さ、食器を片してお洗濯とお掃除!
窓を開けて埃をはたいて、箒で掃いて、拭き掃除!うん。気持ちいい
お花を摘んで、香りを楽しんで~リビングダイニングと寝室にお花を生ける。空気が清々しく感じるわ。ついでに、私の髪にも白とピンクをさして……カワイイかな?
で、カップサイズのスポンジを4つ焼いて……3時のおやつね。お茶を入れて、零を呼んで……
倉庫に呼びに行くと、沢山の糸ゴムが大小様々に出来ていた。すごーい!ここまで出来るなら、糸と織り込んで伸縮布が出来るから下着とかも大丈夫っぽいね。
色んな物がつくれそう!あ、巻糸もある……沢山いるよね……お願いします。
お茶入れたから…………休憩しよ?
「すごいね……あんな出来てたんだ……楽しみ」
「今日も巻糸。毛皮を燻して発電機と蓄電器を作るよ。いつまでもランプじゃ不便だし、冬を考えると夕梨が料理や洗濯の時に寒いだろ?簡単な暖房なら作れる。電気が通れば水道管にして温水器も作れば、お風呂も水仕事も楽だろ?床下暖房も出来るし」
「え?……凄いんだけど。電化住宅だよ……段々日本と変わらないね。懐かしい感じ……皆、元気かな?」
「電気さえ作ればね。日本か……確かにな。俺達が消えた事も余り騒がれて無いだろうな。せいぜい、おじさんとおばさん、茜位だろう。恐らくだけど政府と言うか次元のオッサンが騒ぎにならない様に誤魔化して探っていると思う。まず、戻る事は出来ないからな…………皆の無事を願う位だな」
「そう……なんだね。私は……零が居れば……だから、ここで頑張る。赤ちゃん育てる…………」
「夕梨がそこまで考えてるなら、俺は守るだけだよ。後は、黒いヤツがどう関るかだな」
零は倉庫で作業の続きに戻って、私は栗を潰してマロンペーストとホイップを作ってる。
3時のおやつにモンブランをつくるの。ティルーネとシュラーナも暇なら一緒にお茶したいから。喜ぶ顔が目に浮かぶ…………ぅㇷㇷ
あっと、お昼の用意もしなくちゃ!おうどんとかき揚げにしよ!うまく打てるかなぁ?一応、おむすびも作ろっと。
零を呼びに行こうとしたら、ちょうど入って来たの。切りが良かったみたい。
いただきます…………どうかな?…………自信無いんだけど……
高評価を頂きました!これからも麺類、頑張ります。
和食だったから、緑茶でマッタリ。ふぅ……ちょっと疲れたわ。頭を零の左肩にコテン。
「どした?具合悪いのか?」
「うん……少し怠いの」
「大丈夫か?無理せず昼から寝てたら?」
「うん……そうしたいけど………ケーキ作って……2人を呼びたいなって」
「じゃあ、それだけしたら寝たら?」
「うん………そうする……ゴメンね」
なので、先にモンブランを仕上げて仮眠する事に。
昨日から、なんだか怠い。どうしたんだろう?
病気かな?零に負担が掛かっちゃうよ。どうしよう…………
2人共に呼び掛けたら出て来てくれた。
モンブランを見てビックリで一口食べて
「あんまーい!うんまーい!」
と、絶叫して喜んでくれたので嬉しかった。今度は一緒に作る事に。楽しみ。
女子トークで盛り上がって楽しい。精霊も同じなんだね?
ネタとして零が怪我してビックリしたのと、魔法が使えた事を話すと
「トーゼンです。ユーリ様なんだから」
「魔法であって魔法でなく聖なる力です」
「世界の理です」
など、意味不明なコメントが帰ってきて役に立たなかったの。
て、言うかね。結構本気で教えて貰おうと思ったのに。
「ある意味、それが真実かもな」
って零が言ってたけどなんの事??
それはそれとして、零が居ない時は不安だからなるべく来て欲しいと伝えておいた。
じゃあ、ここに住みましょうか?と、冗談が来たからお願いね。と返した。………冗談よね?ま、いいけど。
あれ?本気?お布団どうしましょ?
一緒に寝ればいい?や、それは流石に………いやいや!零は私の旦那様です!ダメ!
段取りするから。住むのはそれから。え?からかっただけ?う~も~
部屋はあるからお布団仕上がってね。
2人は零と一緒に行って見学。私は片付けてから仮眠。何だか眠いの……
「珍しいな。君達が夕梨と居ないなんて。どうした?」
『他意は御座いません。今はユーリ様が優先ですが、基本的にここは安全ですので』
『ゼロ様は何処まで御存知でしょうか?』
「何も御存知じゃないな。夕梨のあれは魔法と言うか夕梨の力だな。後、俺は守る逆でヤツとの接触が必要ってとこか」
『流石で御座います。後は時が来れば』
「そっか。俺はどうなる?時とは何時なんだ?」
『それは詳しく聞かされておりません。時期は相手次第で未定です』
「だけど何者かは知っているな?まったく。時期は未定か……そう遠くも無いんだろうけどな。俺の正体については……察しはついてるから、君達が言えないのも分かるけどね。白の間の住人だった記憶が有るからさ。俺は夕梨と平和に生活出来れば、それだけで良かったんだけどな…………俺が覚醒したら自我が残るか別として夕梨はどうなると思う?」
『っ…………申し訳ございません。御容赦下さいませ!!精霊神様方も恐れ多いのは理解してのご指示ですので!!』
『ユーリ様とゼロ様のお心次第かと!!』
「責めるつもりは無いんだ。ただ…………夕梨が、悲しむ事が無いなら。守りたいだけなんだ。だから、その時の為にも君達には夕梨の友人として、今後支えてあげて欲しい。どうかな?」
『勿体無いお言葉です。是非にでもお傍に置いて下さいませ』
「部屋の準備は数日内で済ませるから、一緒に住もう」
『『はい。ゼロ様のお心のままに』』
俺は認めたく無かったことを自分で口にしてしまった。あの娘達も否定しなかった。つまりはそう言う事か。そこは間違いなさそうだ。
その後は無心で作業した。銅線を作りゴムで被覆した。発電機を作りプロペラと水車に接続。大型バッテリーを作って並べる。玄関まで電管を伸ばし遮断機。そこから各部屋に線を伸ばしてスイッチを各個付ける。
電球を作ってセット。これで照明は完了だな。
倉庫に戻って出来た巻き糸を織機にセットして布地製作を始める。これで巻糸のセットだけである程度は自動で布が出来るから、糸と糸ゴムを交互に織り込む伸縮布もセットする。
夕梨が晩飯を呼びに来たので休憩するか。
今日も美味しそうだね?回鍋肉と餃子、スープか。いただます。
うん!うまいな。怠いのはどう?少しいい?そのままゆったりしてな。寝るまでに水道管も新たに配管するから洗い物も俺がやっておくよ?
そう。床も配管して夏涼しく、冬暖かいっててやつ。床は板を張ってフローリングにするから。
明日の朝には布が何枚か出来てるよ。うん、伸びるモノもね。
寝るまでには辞めるよ。一緒に寝ないと。
2人にも同居を勧めたから早く部屋にしてあげないとさ。ん?夕梨が1人の時に心配だし、女の子居た方が夕梨も楽しいでしょ?
俺はどっちでもいいけど、夕梨の為にね。ええ?狙ってないって!夕梨が良いんだぞ?ん?じゃあ早く寝よう?いや、嬉しいが。
あ!こら、まだやる事が。風呂に入る?いやいや、ちょっと落ち…………落ち着いてる?まぁ…………いっか。
結局、そのまま風呂に入って営みに励んだ。寝室でも頑張った。彼女は満足顔で俺にしがみ付いて寝ている。抜け出そうと試みたけど無理だった。朝は早起きしてやる事やるか……
文章って……むずかしい