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忘却と裏切られし英雄と歪められた真実  作者: 境夜
第1章 始まりにして....
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第五話

リリィと名乗った見た目12~13歳くらいの少女は腰まで届くほどの金糸の様に輝く美しいブロンドの髪を左右で束ね、エメラルドのような透き通る緑色の瞳、左右に伸びる人とは違う尖がった耳と少女特有の幼さは残るがしっかりと整った美少女と呼ぶにふさわしい容姿をしており手足はすらりと長く、全体を包み込むように黒いローブと緑色と白いフリルをあしらった可愛らしい上着の上からもわかる程度の胸のふくらみ、黒ぽい色のショートパンツに黒のニーソックスを履いており、どことなく活発そうな雰囲気を纏っている。


(だけど今はなんだか凄く悲しそうな雰囲気)


目の前の少女は私に質問を色々と聞き、その答えを聞いた所から顔に影が差し始めて今は少し涙目になって両手を強く握りしめ、下唇を噛んでいるせいで折角の可愛らしい容姿が台無しになるほどだ。


(もう....私の前で誰かが涙を流すのは見たくない)


今にも泣きそうな少女に笑って欲しくて目が覚めたばかりなのか、それとも別の理由があるのかは分からないけれども何とか重い身体を起こし、そっと優しく少女の頭を撫でることしか今の私には出来なかった。


(どうして誰かが涙を流すのを見たくないのかな?思い出せないけどきっと忘れたらいけなかったことの一つな気がする....)


そう少女の頭を撫でながら考え込んでいるといつの間にか目の前に手のひらに収まるぐらいのサイズでいながら透明感のある美しい純白のグリップ、剣の鍔のようなデザインで居ながら美しい白を引き立てるように施された白銀の装飾と鍔の中央と柄にはめ込まれた光の加減で様々な色を見せる宝石。鍔のような物があるのに刀身のない事から短杖が目の前に浮かび、まるで手に取れと言わんばかりに淡く七色の光を発している。


(例え思い出せなかったとしても目の前で誰かが涙を流して欲しくないと思う想いはきっと大切な事だから私に力をかして?)


少女の頭を撫でるのをやめるのと同時に目の前に浮かぶ物に手を伸ばし、グリップを握り込むと七色の光は一層輝きをまし、その光が私と少女の周りを漂う七色のクリスタルで出来たような蝶が舞い踊る幻想的な光景が広がり、短杖のような物は形を変え、服と合わせた白黒のヘッドドレスへと姿を変える。そして幻想的に舞い踊る蝶が左の薬指へと集まり、四つ葉のクローバーのような指輪へとその姿を変える。


ーやっと繋がったようね?-


『もしかして夢の中の声の人?』


ーええ、そうよ?ー


ー私の名前はそうね....メールとでも名乗っておくわね?ー


『メールさん..ですね。 ところでお話は変わるのですがこの指輪とヘッドドレスは何ですか?』


突然形が変わりヘッドドレスと指輪へと姿を変えた物の事が気になり質問することにした。


ー指輪は【聖具:メモワール】でヘッドドレスの方は【精霊宝具:ケーニッヒ】どちらもフェア専用の魔導宝具と言うよりは聖導宝具なのだけれど記憶を失う前のフェアが築き上げた絆の証にして、フェアの【記憶を封じているのよ】ー



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