14
「……っ!」
焼け付くような痛みが、背中を襲う。
斬られた。
他人事のように、そう思う。
「お姉ちゃん!」
リーヌが叫ぶ声が聞こえた。
「……許さない」
倒れ込むわたしを必死に支え、リーヌが呟く。
この時、わたし達を襲った子達は既に戦意を喪失していた。
背中に魔術を受け、血を噴き倒れ込むわたしを見て怖じ気づいたのだ。
だから、ここで終わらせるべきだった。
わたしは怪我をしたことについて適当な理由を述べて叱られ、あの子達はしばらくの間おとなしくしている。
妥当な落とし所だ。
わたしの失策の二つ目は、わたしが傷を負ってしまったこと。もちろんリーヌが傷つくよりよっぽどいいのだが、問題はそこではない。
わたし達は、常にお互いを守り合ってきた。自分のことよりも、相手のことを優先してきた。
故に。
わたしを傷つけた子を、リーヌは許さなかった。
三つ目の失策は、それを失念していたこと。
「だめ……」
出血に朦朧としていて判断の遅れたわたしの制止は、間に合わなかった。
リーヌは。
「許さない!」
魔術を発動させた。
人前で、使ってしまった。
それも加減なしでだ。
結果としてわたしは、自分に怪我を負わせた子を守る為に、これまでひた隠しにしてきた魔術を披露するという無様を晒す羽目になった。




