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後日談

二章は終わりになります


中途半端と思われるかもしれませんが、ここで終わるのが一番いいと思いました

その後の話には姉達が関わったことも出てくる予定ですので


修正点はドシドシ応募します

出来れば既出の指摘以外だと見直して読み直す時に時間が取られないかと思います

 後日。

 俺は正式にSSS級冒険者と認定され、注目を浴びるようになってしまった。元々顔が醜いために目立っていたので、新入りがいきなりSSS級冒険者になったと言う噂は瞬く間に広まり、蒼衣を羽織った両刃片手剣使いと言えば俺のことだと言う風に認識されてしまい、剣とコートは普段アイテムボックスに収納し普通の格好でいることにした。……それでも目立つのは顔のせいだろう。恨めしい。尤も恨めしいと言う感情はないのだが。厄介だな、と思うくらいだ。

 と言うか顔が目立つなら隠してしまえば良い、と髪ゴムを解いてやったら最初こそチラチラと視線を向けられたが、少し経つと目立たなくなった。……その代わりフーアや受付嬢としてよく会うフィシルやルーリエ、俺が最初に来た時声をかけたギルド嬢のイルナに誰か分かってもらえなくて少し困惑されてしまったのだが。

 フーアは俺が預かることにしていたので一緒にいるのだが、顔を隠した俺とは話さないと言う謎の意思を見せたため、仕方なく二人で行動する時は髪を留めなければならなくなった。あまり偽ると言うことが好きではないらしいことは、この数日で分かった。……確かに目元まで覆うような前髪をした地味なヤツがフーアのような可憐な美少女と一緒にいたら不審がられるだろう。どっちにしろ目立つので、仕方がないかとも思っている。フーアを見捨てて指名手配でもされたら面倒だからな。目立ってしまったのは仕方ないが、居場所を探られるのは面倒だ。

 金銭的な報酬はギルドからたんまりと貰ったので、潤っている。フーアの分も俺が一応管理することになっているので、生活には当分困らない。服や下着などを買い集めてもまだたんまりと残る。フーアはあまり装飾を好まないので無駄に金を使うことがなく、ドラゴンなので少し人より多く食べるがそれは楽に許容出来る範囲だ。ただ俺があまり寝泊まりしないせいか寝不足だと元気がない。なので早急に宿を取る必要があるだろう。

 それは今からギルドへ行ってどこかに良い場所はないか尋ねてみることにする。


 フーアには私服と冒険者としての軽い装備を買わせており、護身用に片手剣を持たせている。フーアはドラゴンだけあって幼竜だがステータスが高く、動かないだけで近接も遠距離もいける万能タイプだ。技術さえ覚えればSSS級冒険者も夢じゃないと新旧SSS級冒険者達に太鼓判を貰ったので、かなり凄いと言う。

 頼めば十騎士も(報酬は貰うらしいが)稽古を付けてくれるそうなので、フーアがやる気になったら俺も一緒に習おうと思っている。俺の剣術(とは呼べない何か)は素人のモノであり、トリニティ・トライデントには活かせないとは言い切れないので習う必要がある。それと目立ちたくないなら剣を二本持つべきだそうだ。それと今回は予想外の敵だったフェザードラゴンなどのドラゴン相手には、トリニティ・トライデントや十騎士、SSS級冒険者達が持つ武器などの魔法武器が効かないので、ただの武器も購入すべきだとアドバイスを貰っている。

 フーアの片手剣はリディネラに紹介してもらった腕利きの鍛冶屋で作ってもらった一品だ。かなり良い武器であることは素人目にも明らかだった。初回限定サービスと称して安く済ませてもらったが、二回目からは財布に痛い出費となるだろう。

 フーアの装備や俺の冒険者として長ズボンと長袖シャツも、リディネラに紹介してもらった腕利きの装備屋に作ったもらったモノで、かなり良い装備となっている。見た目の派手さはないがかなりの性能も持つ良い装備だったので、有り難い。黒の長ズボンに白の長袖シャツを三着ずつ購入した。フーアも私服を含めて三着ずつ程度だ。俺は私服としても使えるシャツとズボンを選んだので服は汚れたズボンを捨てて三着となった。フーアは私服を含めて六着程購入した。フーアがファッションに目覚めればまた購入するかもしれない。それに女子が三着だけしか服を持っていないと言うのもあまり聞かないので、何着かは追加で購入するべきだろう。出掛ける時はオシャレしたいかもしれないしな。


 と言う訳でとりあえず、ギルドに来ていた。フーアも同行しているため、髪留めをしている。そのためチラ見されては逸らされると言うのを何度も繰り返されてここにいる。ここでもそうなのだが。


「……あっ、カイトさん。今日は何のご用ですか?」


 真っ先に俺達に気付いたのはイルナだった。作り笑いで顔を綻ばせて聞いてくる。


「……フーアが安心して住めるような、それなりに良い宿屋を紹介して欲しいと思ってな」


 少し過保護かもしれないが、フーアはまだ子供である。と言うか生まれたばかりで生後二週間もない。フーアを放置して立ち去りでもすればギルドと騎士団が怒って俺を指名手配しかねないので、その辺りはしっかりすることにする。


(……じーん)


 それでもフーアは感激してくれたようだが。愛情などと言う人間らしい感情が残ってないのは兎も角、子供が嫌いと言う訳ではない。寧ろ怒りの感情が表れない分育てやすいのではないかと思うくらいである。


「……それでしたら確か、カイトさんはステータスカードの更新がしたいとのことでしたので、ちょっと安めですがちゃんとした人がやってるのでオススメな場所がありますよ。丁度神官の人が宿泊してますから、女将さんに頼めば会わせてくれると思います」


 イルナはそう言って何やら紙の束を捲り、一枚を手に取って別の真っ白な紙と合わせ、「コピー」と唱えて文字を真っ白な紙に浮き上がらせた。コピーする魔法らしい。便利な世界だ。魔力さえあればどんなことでも出来るのではないだろうか。

 イルナがコピーして渡してきた紙には簡単なギルドからの地図と宿屋の名前、そして一日と一ヶ月の大体の宿泊費などが記載されていた。……風呂付きの部屋でもかなりの安さではある。どうやら木造建築のようで、高級食材は使ってないが美味い食事を用意してくれるのが売りらしく、宿泊費を安く抑えていると言うことだ。だが要人を泊めることもあるため、ギルドを介してでしか泊まれないのだとか。この辺りの事情はイルナに聞いた。


「こちらから念話で連絡を入れておきますので、行ってギルドカードを提示すれば泊まれますよ」


 イルナはニッコリとそう言った。……有り難い話だ。ギルドと言うのは様々なことを支援してくれるらしい。酒場兼料亭のように食事や酒なども頼めば買えるし、宿も紹介してくれる。しかも仲介までしてくれる。まあ命を懸ける仕事だから、致せり尽くせりなのも頷けるが。


 俺はフーアを連れて、イルナから紹介された宿へ地図を見ながら向かった。

三章は美夜視点でいく予定です

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