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G級冒険者

ランキング、ありがとうございますm(__)m


それよりも嬉しいことがありました


密かに目標としていた一万ポイントを超えました!


一万ポイントを超えられて歓喜の舞いを踊り――壁ドンされそうで怖かったのでしませんでしたが、内心で小躍りです

ありがとうございますm(__)m

「……カイト。G級冒険者だ」


 俺は全員にチラチラと注目される中、無愛想に言った。すると全員、特に騎士十一人とキルヒが「はあ!?」と言う顔をして俺を見る。……若干一名表情の読めないヤツが居るが、雰囲気で何となくだ。


「じ、G級冒険者だと? 冒険者に成り立てではないか! 何故そんなヤツがこの場に居る!」


 一番動揺していたのはエリオナだった。怒鳴りリディネラを睨み付ける。


「落ち着け、騎士団長。確かに冒険者になってからの日は浅い。だがこいつ一人で十階層まで突破したと言う実績がある。今回の探索で二十階層までついてこられるならSSSへの昇級を考えてるところだ」


 リディネラは少し自慢げに俺を紹介する。すると騎士の中にさっきとは異なる動揺が走り、疑いの目を向けてくる。


「信用出来ないと言うなら最初の方はカイト一人にやらせるが? カイト、何階層までなら一人でいける?」


 リディネラは騎士の反応を見て予め推測していたらしく、スラスラと提案する。


「……十五……と言いたいところですが十階層を突破するまでに二日程かかったので武器を手に入れたとしても独りで直ぐに突破出来るのは五階層までかと」


 俺独りなら何日かかってでも二十階層まで突破するが、今回は団体だ。コミュ障の俺に連携なんて求める方がおかしいのだが、ここは控えめに言っておこう。


「そうか。ではそう言うことで、迷宮に向かおう」


 リディネラが言って、まだ疑っているような騎士達を連れて迷宮のある盛り上がった洞窟に向かった。


 ……門を出る時、物凄いメンバーが来て衛兵がガチガチに緊張していたが、そのメンバーに囲まれた俺を見てポカンとした表情を浮かべていた。

 数分で迷宮に到着。ダンジョンって何かこう、森の奥とかにあるもんじゃないのか。地下と言えば地下だが、街から近すぎてコンビニに通うような感覚だ。

 ……一々コンビニに行くのに命は賭けたくないが。


「では行くぞ」


 エリオナが言って、騎士、冒険者、俺の順で迷宮へと足を踏み入れる。足を踏み入れれば迷宮内に転移するようなので直ぐなのだが。


「……報告通りの三種類か。ミノタウロス、オオロロチ、ホワイトバックだな」


 エリオナは迷宮を奥まで見渡して視認すると、フムと頷いて言う。……三つ首の大蛇はオオロロチって名前なのか。適当すぎるだろう。


「カイト、やれるな?」


「……俺は言ったことは守る」


 リディネラが尋ねてくるので、俺は面倒だと思いながらも仕方なく一番前に歩み出る。嘘をつく意義が見当たらないから事実しか言わない。感情がなければ虚勢なんて張る意味を見出せないからな。


「本当に出来るのか?」


 エリオナが疑いの視線を向けてくる。……まあ、冒険者になって二日ぐらいのヤツがボス級モンスターの跋扈ばっこするこの迷宮で生き残れる筈がないと思っているのだろう。


「……魔力は節約して武器の力で戦うからな」


 俺は答えになっていないような答えを返し、トリニティ・トライデントを右腰から抜き去る。


「その剣は? 業物と見受けるのだが」


 エリオナがトリニティ・トライデントを見て少し眉を寄せる。……やっぱり良い武器には目がないのかもしれないな。


「……トリニティ・トライデント。この迷宮の十階層ボスを討伐した時に手に入れた聖域級(セイクリッド)武器(ウエポン)だ」


 俺は簡潔に言って、剣を両手で持ち左肩に構える。……段々と速くしていかないと天井か壁にぶつかって失速してしまう。当たらないギリギリを狙って振るわなければな。

 武器のクラスを告げたのは、どの程度の強さか分からないからだ。かと言って把なら秘密にしておく訳にもいかないだろう。誰かが「上から何番目」とか言ってくれれば良いと思ってのことだ。……まあそれも図書館のような場所があれば万事解決なのだが。


聖域級(セイクリッド)か」


 エリオナの瞳がキラリと光った気がした。……武器のクラスとか俺は知らないからな。聖域級(セイクリッド)ってのがどのくらい強いのか分からない。

 結局どれくらいなのかは分からなかったが。


「……」


 俺は集中し、分かれ道を無視して直線的に剣を振り下ろす。……段々と速く、道に居る全てを倒す方が効率が良い。枝分かれはしないのでどうしても片方の道だけにはなるが。


「「「……は?」」」


 俺が剣を振るうと、トリニティ・トライデントは『無限射程』のスキル効果で勢いよく伸びていき、超長い剣が振られたようになる。振り切って止めると、斬られたモンスター共が袈裟斬りされるような形で切り口に沿って身体をズラし、力なく落ちていく。

 かなりの広範囲攻撃だからだろうか、全員が目を見開いて驚いていた。


「……とりあえず片道の範囲は片付いたか」


 俺は上手く壁に当たらず剣を振るえたことに満足してシャラン、と言う音をさせて刃を元の長さに戻す。


「「「今のは!?」」」


 俺が剣を一旦鞘に戻してこれからどうするのかを聞こうと振り向くと、我に返ったらしい全員が一斉にそう聞いてきた。


「……トリニティ・トライデントのスキル、『無限射程』の効果だ。振るった力に合わせて刃が伸びる」


 俺は簡潔に説明する。……それよりもクネクネと伸びることの方が俺としては変則的で楽しいんだが。


「……聖域級(セイクリッド)でその強さか。しかもボス討伐で、だ。これは隠し武器含め、期待が高まるぞ」


「未だ見つかってないからこそのこの探索隊とも言える。一階層から隅々まで調べる余裕があるメンバーの筈だからな。――それよりカイトの実力についてはこれで良いか? ボス相手では連携が必要になることもあるだろうから、一人ずつちょっと戦ってみてくれ」


 リディネラが考え込むようなエリオナに応えつつ、提案する。……流石にこのメンバーとは言え、各階層を隅々まで探索するとなれば余裕がなくなる場面も出てくるだろう。

 リディネラの言うことは尤もなので、エリオナも頷く。


 こうして十六人の最強パーティによる、超高難易度迷宮攻略が始まった。

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