表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/79

離別

五時頃から寝ていて、今起きました(゜-゜)


新生活に慣れれば更新も安定してくると思います

「……噛み切れ、黒獅子」


 蟲や蛇とは違い大きいため数は五体だが、一体一体が強力な赤い目をした黒い獅子。


「……噛み砕け、黒鰐」


 黒獅子と同じく数は五体だが、一体一体が強力な赤い目をした黒い鰐。


 黒獅子と黒鰐では走る速度が違うので、黒獅子が先に巨人へと向かい、攻撃を避けながら噛み付いたりして攻撃を重ねていく。一回直撃をくらっても切り裂かれない頑丈さがある。

 そこに黒鰐も加わり、足元から喰らい付いていくため巨人が押されていた。


「……喰らえ、黒蟲」


 俺はそこへ先程から巨人に薙ぎ払われてばかりの黒蟲をぎちぎちと出現させる。強力な黒獅子と黒鰐だが、効果的なのは黒蟲や黒蛇だ。

 大量の群れを成して十体に苦戦を強いられている巨人へと向かっていく黒蟲。

 黒蟲が巨人に到達すると、肉を喰らって次々と小さな穴を開けていく。だがそれが群れであるが故に、巨人の右腹部は大きく黒蟲にむしばまれている。


「グオオオオァァァァァ!!」


 激痛と鬱陶うっとうしく自分に攻撃してくる十体に苛立ったのか、大きく咆哮し全身に赤黒いオーラを纏う。……『力魔法』の発動か? いや、これは恐らくスキルの一種だな。


「ッ!」


 そいつは十体に噛み付かれたまま大きく跳んで俺に向かってくると、着地と同時に右腕一番上で持っている戦斧を振り下ろしてくる。……俺はそれを後方に跳んで避けるが、その一撃で地面は抉れ砂埃が舞う。


「……」


 俺は無言でそいつに『紫電』の落雷をフルパワーでくらわせる。そいつは少しよろけるが、何事もなかったかのように俺に向かって突っ込んできた。……レベル差がある上にスキルで強化されているから効果が薄いのか。


「……良いスキルだな。――俺に寄越せ」


 俺は言って、自身に黒を纏う。すると身体が黒を吸収していき、肌が浅黒く変化する。……ふむ。まあこれでステータスがかなり上昇する筈だ。


「……」


 俺は両手に一本ずつ黒い剣を出現させると、それに『紫電』を纏わせ強化して突っ込んでいく。……身体が軽い。と言うか、相手がかなりスローモーションで見える。一挙手一投足がゆっくり見える。それだけ俺が速くなっていると言うことだろう。

 だからゆっくり動いているように見えるそいつの両腕――六本共全てを肩から斬り落とした。


「グアアアアァァァァ!!」


 やかましく叫んだ。俺は煩くて嫌なので、


「……喰らい尽くせ、黒龍」


 巨大な黒く赤い目をした身体が長い龍を出現させ、龍に巨人を喰わせることで巨人を完全に消滅させる。俺は身体強化のスキルを全て解いた。


「……っ」


 俺の身体に力が湧き上がるのを感じる。……レベルが上がったようだ。


 俺が早速ズボンの右ポケットからカードを取り出してステータスを確認すると、30丁度だったレベルが33に上がっていた。それに応じてステータスも伸びている。……才能の数値はあまり高くないが、巨人モンスターのステータスを奪ったためかなり上昇している。特に筋力と体力と反射神経だ。まあ魔力と魔力の質は相変わらず「――」なので変わらないが。

 新たに追加されたスキルは『鬼神』と『阿修羅』と『鬼頭(おにがしら)』と『重力操作』。

 『鬼神』はさっき巨人が使っていた体力と筋力と反射神経を底上げするのを含む、身体能力強化が使えるが、『力魔法』の魔法じゃないスキルバージョンで更に強力、って感じだからかなり応用が効く。

 『阿修羅』は六本腕になって武器を召喚出来るようだ。しかもステータス補正がある。

 『鬼頭』は鬼の頭をしたモノを出現させ自動攻撃を行える。しかもスキルランクが上がれば全属性で攻撃出来るようだ。鬼の頭一つに付き一属性みたいな感じで。……巨人もこのスキルはあまり使わないのか初級(ビギナー)と低いので火の吹く鬼の頭しか出現させられない。

 『重力操作』は簡単。重力を加算させる、無効化するなど、重力を操ることが出来るスキルだ。これも初級(ビギナー)。恐らく最後の二つはいざと言う時、かなりピンチになってから使う筈だったスキルだろう。『鬼神』を発動してからは俺が直ぐに倒してしまったから使う機会がなかったようだが。


「……なるほど。今の俺が3も上がるとは、やっぱり美味い経験値だったな」


 俺はうん、と頷く。


「「「……」」」


 そして全員が俺を畏怖したような目で見ていることに気付く。……いや、気付いてはいた。だが戦闘中に別のことを考えるのは無駄なので、頭の隅に追いやっていただけだ。

 おそらく圧倒的そうなモンスターを無傷で倒した俺と、「殺し」に躊躇なくしかもあっさりとする程の反応しかしていないからだろう。

 そこで俺は職業を手にしたと言う報告と種族を手にしたと言う報告があるのを見つける。……ふむ? 種族はよく分からないな。だが俺は構わず種族をタッチする。


「……」


 自分起こった変化は自分では見えない筈だが、何故か頭では分かっていた。元々日本人なので黒い髪をしているが、更に深い黒へと変わり、瞳が紅く染まる。


「……じゃあ俺はこれで」


 他のヤツが引いているので簡単に単独行動を許してくれるかと思い、チャンスなので軽く手を挙げて立ち去ろうと森の方へ歩き出す。


「待て。どこへ行く?」


 だが諫山先生が俺を呼び止めた。


「……どこへって、森を出るんですよ」


「何故何も言わずに行こうとする? 全員で行けば良いだろう」


「……いえ。見ての通り、と言うかレベルに差が大きくなってしまったので他のヤツが居ると足手纏いです。と言うか金輪際関わらないで欲しいんですが」


「桐谷」


 俺が遂に本音を晒すと、諫山先生は目を細めて険しい表情をする。


「……まあどうしてもって言うなら――」


 バリッ。


「「「っ!?」」」


 俺は地面に『紫電』を這わせ、全員を麻痺状態にする。


「……麻痺させるんで別に良いですけど」


 俺は麻痺し地面に膝を着く全員に言い、俺は再び歩き出す。


「……俺の後を追おうなんて考えずに、協力して森を脱出して下さい。俺は独り第二の人生を歩みたいんで」


 俺は言ってヒラヒラと手を振り歩き出す。勿論歩き出す方向は窓側だった方向の左だ。人里のありそうな方向へ向かう。


「……」


 俺は麻痺で動けないヤツらを他所に、『紫電』を纏い黒を纏って(肌が浅黒くなるまではいかないヤツで)身体強化をすると、思いっきり跳躍して空を飛んだ。

一応次話から新章です

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ