7きつね
もう、自分で読み返すのが恥ずかしい
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俺が神奈子のところに世話になってから数週間が経った。特に大きな事件も無く、たまに神奈子と近場で悪い妖怪を退治しに行くくらいだった。
神奈子の戦い方を観察すると大きな柱を軽々と持って薙ぎ払うパワータイプだった。なんだっけ、オンバシラって言ってな。
ここでの日は、無理やり酒を飲まされたり神社の掃除に駆り出されたり巫女さんと談笑したりと平和な時間を過ごしていた。
そして今日も・・・
「凌さんは色々知っていますね。勉強になります!」
「まぁね、これでも結構生きてるし」
巫女さんと縁側でお茶を飲みながら話している。巫女さんの入れたお茶はとても美味しいのだ、茶屋と同レベルで美味い。
「凌、少し話があるんだが・・・」
不意に後ろから声をかけられた、
「ん?神奈子、どうしたの?」
「ちょっと来てくれ」
そう言って引っ張られる
巫女さんは小さく手を振っていた。
あぁ~、まだお茶残ってたのに~
~
「で、なんかあった?」
庭の池を見ながら聞く。
今日も月がきれいだな~
「実は、洩矢と戦があるんだ。そこの土着神が自分たちの信仰に誇りがあるみたいでね、信仰を奪われてたまるかって完全に決裂したんだよ」
「ふむ・・・」
腕を組んで静かに考える。
なんでも神というのは信仰が全てらしい。一つの国に一つの神がおり、国民からの信仰によって存在しているらしい。神奈子は周りの諸国を吸収し大きな信仰を得ている。それではその国の神は消えてしまうのかというと違う、神奈子の下につくことで信仰のおこぼれを貰い生きているらしい。おこぼれといっても大きな信仰があればそのおこぼれも大きいのだ、それを理解している国もあり進んで合併するところもあるようだ。
洩矢の国は大和の国よりは小さいが大きな信仰を得ていると聞いたことがある。お互い信仰を勝ち取るために戦は避けられないのだろう。
「で、俺にどうしろって?」
「いや、その・・戦いに参加してくれっていうわけじゃないんだ。私が戦っているところを後ろから見守っていて欲しいんだ」
「見守るだけでいいのか?そんなことでいいならいいよ」
「そうか!ありがとう!」
個人的に戦は嫌いだった。いや、戦が嫌いというより自分が殺しあうことが嫌いなのだ。戦を見るのは平気なんだけどな。今回の神奈子の頼みは都合がよかった、洩矢の神にも興味があり一度見てみたいと思ってたからな。
「戦いはいつなんだ?」
「あ、ああ、大事なことを忘れていたな。戦いに出発するのは3日後だ」
「3日か、了解」
「凌・・・ありがとう」
「な、なんだよ。改まっちゃて、らしくないな」
「ふふ、そうだな。今日はいい気分だ!飲もう!凌!」
「え!?ちょっ、待って!俺は酒飲めないんだよ~・・・」
無理やり手を引かれて部屋に連れて行かれた。
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神奈子視点
やはりな。
神奈子は内心そう思う。
今は洩矢神との話し合いに来ていた。
「悪いけどウチも信仰が欲しいんだ、そっちに渡すなんてありえないね。お前が私の傘下に入るってなら国を吸収してやってもいいぞ」
洩矢の神ーー洩矢諏訪子はケラケラと笑いながら言ってくる。
「そうか・・・そっちがその気なら、奪うまでだよ」
「へえ~やれるもんならやってみな」
「戦は3日後、覚悟しとくんだね」
「そっちこそね」
神奈子は洩矢の国から出ていく、さっそく周囲の国に戦の準備をさせなければな。
神奈子は諸国を回って戦の報告をして自国へと戻ってきた。
~
凌は快く頼みを聞いてくれた。
何でこんなことを頼んだのか自分でもよくわかっていない、なんだろう・・・凌が見守ってくれているなら負ける気がしない。そんな気持ちがあった。
一緒に過ごせば過ごすほど不思議な妖怪だと思う。妖怪でありながら人を襲わず、人を食らわず、村民と楽しくおしゃべりをする。そんな不思議な彼に少しづつ興味を持っていたのかもしれない。
「妖力も少ないし、私がしっかり守ってやるからね」
静かに眠る狐に向かって呟く、流石に一升瓶で飲ませたのは反省している。今日も尻尾に抱き着いて眠ることにした。
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戦い描写とか苦手なんで大幅カットするかも。
これ書いてたら700pv超えてました本当にありがとうございます。
文章力は上がりませんのであしからず。