62きつね〜食〜
あけまして、おめでとうございます〜
今年もぐだぐだっと続けていきます
「ねえ、紫?」
湯呑みを傍に置き、ジッと真剣な表情で見つめてくる
彼女がこんなにも真剣な表情をするとは......大事な話なのだろう
私も少し真面目になり、答える
「何かしら」
私も湯呑みを傍に置いて見つめる
私達がこんな真剣なのは何時ぶりだろうか、幻想郷を創造して初めの頃以来かしらね...
幽々子にもかなりお世話になったわね、あの時は。
おっと、今は思い出に浸っている場合じゃないわね。なにか重大な用があるに違いないわ。
「ねえ紫、凌の店に連れて行ってくれると言ってから随分経つのだけど、一体何時連れて行ってくれるのかしら?」
「......はぁ...大事な用だと思って真剣になり過ぎたわ......」
「何言ってるの?私にはとーっても大事な事よ、美味しいと聞いてからずっと行きたいと思ってたんだから」
「まあ、私も最近ご無沙汰だったから食べに行きたいわね......明日でも良いかしら?あと、妖夢も必要ね。いくら手際が良いと言っても貴女の食べるスピードには追いつかないわ」
「そういうことなら扱き使ってイイわよ〜」
はぁ......団体1名様、ね
凌、ごめんなさいね。明日は重労働になりそうよ...
〜
何とも寒い一日だ、朝起きて真っ先に思う
布団から出たくないという思いがいっそう強くなる
現在、背中には舞が抱き付いている
あの日以来こうすることが多くなった......と言うかほぼ毎日である
こちらとしても暖かいのはありがたいが、理性を保ちドキドキしながら寝るのは些か辛いものがある
舞は抱き付いて寝るだけだ
無理に襲ってこようとはしなかった
「はぁ〜......起きなきゃ...、おい起きろ〜」
「ふぅぅん.....ふぇ?まだこんな時間ですよ...?」
「今日は朝からお客さんが来るんだろ、幽々子が」
そう言うと舞は目を見開く、使うとなれば覚醒したという言葉か
なにやら額に大粒の汗を掻いている、この寒さに汗とは...鬼の体温はどうなってるんだ?
「は、早く準備しなきゃ!!凌さんはありったけの下準備をお願いします、私は食材を持ってくるので!!」
「お、おう。そんなに慌てなくても...」
ふむ...未だに事の重大さが分かっていない。幽々子がよく食べるコトは知っているが....舞がここまで慌てるということはヤバイのかも
先日、紫が持ってきた食材の量もおかしかったが。実に1週間分の食料だ、毎日店を開いたとして1週間分だ
「考えても仕方ないな...さっさと準備しよう」
〜
カラン...と鐘が鳴る
ん?約束の時間まで1時間程あるぞ?一体誰だろうか...
静かにドアが閉まる、準備を一度中断し台所から覗いてみる
見るとそこには白玉楼の庭師、妖夢がドアを閉めている姿があった
「おぉ?どうした妖夢、まだ時間じゃないと思ったけど」
「あ、凌さん。妖夢ちゃんは助っ人ですよ、紫さんと幽々子さんに言われてたの忘れてました」
「えっと...今日は幽々子様のわがままにお付き合い頂きありがとうございます、精一杯お手伝い致しますのでよろしくお願いします!!!」
と言って90度ピッタリの完璧なお辞儀をしてくる、流石従者だなぁ...と内心思ったり
「ああ、堅苦しいのは抜きにして良いからね、早速だけど手伝ってもらえるかい?」
「はい!!了解です!!」
3人いれば何とかなるだろう
と言うか妖夢は毎日幽々子の食事を作ってるんだし、千人力と言っても過言ではないか
と言っても今回のメニューやら何やらでメインは俺だ、妖夢曰く「私が主で作ったら凌さんの料理じゃなくなるじゃないですか、指示通り作りますから味見はよろしくです!」
だそうで
〜
「来たわよ〜」
スキマからぬるりと現れる幽々子と紫、幽々子は和気藹々な感じだが...一方の紫は申し訳なさそうにしている
「いらっしゃい、今日のメニュー表だよ。その中から選んでね〜」
うちの店は日替わりメニューである、その日にある材料によって変わるからね
と言っても先日紫が沢山持ってきたから大抵のものは作れる、海老とか蟹などの海鮮物もあったのには驚いたな
「凌、頑張ってね」
「ちょっと紫さん、私には声援無いんですか?」
「ガンバレー」
「くっ...これが終わったら約束守ってもらいますからね」
「はいはい、分かってるわよ」
「注文いいかしら?」
幽々子がメニューを見ながら口を開く
俺は注文内容を書くメモ帳を取り出して注文を待つ
「そうねぇ...、ここから〜ここまで♪」
そう言って幽々子がメニューを指差しながら言ってくる、デザートを除いて全部じゃねーか!!!
「...えっといじょ「を二つずつお願いね」......分かりました、少々お待ちを」
二つずつは予想外でした....
メモ取る必要もないな
厨房に戻って二人に内容を伝える
「やっぱり...」
「普段の何倍食べるんですか...幽々子様...」
「愚痴言っても仕方ないぞ、テキパキいこう...」
「美味しかったわ〜」
幽々子はそう言いながらデザートのプリンを平らげ、スプーンを置く
あの量を食べてデザートを頼んできたのは驚いたよ、どこに入るんだお前?
全ての料理を作り終えて俺たち3人はテーブルに突っ伏している
水を持ってきてくれた紫に感謝しつつ身体を起こして一息つく
「疲れたぁぁぁぁ」
「戦いより疲れるって何ですかもう....」
「うぅ...こんなに疲れたの生まれて初めてです...」
手を伸ばして屈伸する
背中とか腕からパキパキと骨が鳴る音が心地いい
「お疲れ様、後はゆっくり休んでね。私は幽々子達を送るから、妖夢行くわよ」
「はいぃ....」
「妖夢もお疲れさん、今度は食べに来てね〜」
「今日はご馳走様、後で遊びに来なさいね。今度はご馳走するから」
「それって作るの私ですよね!!?」
「はいはい、今度ね」
むぅっと頬を膨らませ、ペコリと頭を下げて小走りで幽々子の側に向かう妖夢
幽々子は小さく手を振りながらスキマに飲み込まれて帰っていった
「さっさと寝...っと、その前に風呂だな...」
舞は突っ伏したまま寝ているのか、動きがない
あれだけ働いたのだ、そっと寝かせておこう。
鬼の体力と回復力があればすぐ起きるだろうし。言うて俺も体力付いてきた感じがするぞ、後で手合わせお願いするか...?
〜
「ふぁ〜......このまま風呂で寝たらダメ、だよなぁ....」
子供の頃に婆ちゃんが言ってたからね、風呂で寝るのは自殺行為って
本当のところどうなのかは知らんけど、体に悪そうな感じはする
はぁ...そろそろ上がろう
そして早く寝るんだ...
「ぁ...凌さんお疲れ様でした」
「ふぇ?」
湯から上がろうと思った瞬間、舞の声がしたので止まる
舞が入ってきたのにも気付かないくらいに疲れていたのか...
じゃなくて、なんで入ってきてんだコイツは...
「良いじゃないですか、私だって早く寝たいんですもん。さあ一緒に入りましょう」
「いや、俺はもう上がるから」
「まあまあ、もう少しだけ」
「いや、これ以上は暑くて倒れるから...」
「倒れたら私がしっかり寝かせてあげますから〜」
「そんじゃ先に寝てるから」
「むー...」
さーて、寝ましょ...
明日は....いいや、明日のことは明日に決める......寝よ。
良いお年を〜(◜◡‾)ノ




