32きつね〜開店〜
今回も書いていきましょう
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チュンチュンと小鳥のさえずる音で目が覚めた。少し気だるいがゆっくりとまぶたを開ける、すると俺はピシッと整った布団の上に寝ていることに気がついた
「・・・あれ・・・?」
不思議に思った、俺の予想では布団は乱れ浴衣も乱れていると思ったからだ。だが、布団は整っているし浴衣も綺麗なままだ
ここで1つの希望が浮かんだ、もしかすると昨夜は何もせずに帰ったんじゃないか?そんな希望だ
とりあえず起きあがって部屋を見渡す
「扉作んないと・・・」
そう言って密室の状態だった寝室は元の状態に戻してやった。
寝室から足を踏み出して客間へと向かうことにした。
〜
「あら、おはよう」
「お、おはようございます凌さん///」
「ようやくお目覚めね〜」
3人は客間の椅子に座りながら俺に声をかけてきた。なんだろう、顔がツヤツヤしてる
「・・・・・」
パタリ
扉を閉めて深呼吸
ギィ・・・
「おはよ・・・」
「元気が無いわね」
「・・・はぁ」
「り、凌さん・・・いきなりあんな事をしたのは謝りますから、元気だして下さいよ」
「舞・・・もう言わないで」
「ごめんなさい凌君〜」
やってしまったものは仕方がない、こういう嫌な思い出は消してしまう方が楽である
「昨夜は何も無かった何も無かった何も無かった・・・・・」
「凌さんどうしたんですか!?」
舞が俺の肩を掴みガクガクと揺らしてくる
「自己暗示で忘れる気ね」
「そ、そんなに嫌やったんかな〜」
「寝てる間ずっと泣いていたからね・・・ちょっと悪い事しちゃったかしら・・・」
〜
「おはよう!」
「消したわね」
「消えましたね」
「消えとるね〜」
なんと言われようと思い出さぬ
記憶の奥底に鍵をかけてしまった!
「まあ、この方が良いかもね」
「私達だけの思い出ですね」
「これでいつも通りに戻るなら良えわ〜」
「それじゃ、朝ごはん作るよー」
と、まぁ全てを忘れて俺は朝食作りを始めた。食材は紫から提供された海魚である、幻想郷に海はないので大変珍しいものである
刺身や焼き魚、アラ汁など魚尽くしである
〜
さてさて、朝食も終わり4人でお茶を飲んでいる。すると華羅が何かに気付いたようだ
「凌君、お客様よ〜」
「へ?」
「あややや、これは舞様じゃありませんか・・・何故皆さんが寝巻き姿なのかは聞かない方が良さそうですね・・・」
「また謹慎になりたくなかったら聞かないことよ」
「文ちゃんは好奇心が強い子でね〜」
「今回は諦めますか・・・それで凌さん、新聞の内容なんですが・・・こちらになります」
ゴソゴソと新聞を取り出してテーブルに広げる。文々。新聞 これが文の書いている新聞なのだろう。
内容を見ると俺の店の情報、文の味の感想などが載っている。これなら大丈夫だろう、少し心配だったが安心した
「うん、良い新聞だよ。ありがと」
「それでじゃ!ばら撒いて来ます!」
そう言って文は翼を広げて風のように飛び立っていった
「さて、やっと開店だ」
「あのー、1つ質問が」
「なんだ舞?」
「ここって妖怪の山じゃないですか、人間が来るにはちょっと厳しいんじゃないかなーと・・・」
「ああ、それに関してはもう大丈夫だ。ここまで来るための道を作っておいたからな、もちろんその道中は妖怪が襲わないように協力してもらった」
俺の店は人間も妖怪も立ち入り出来る店だ。なので俺の店にいる時は暴れないと言う事がルールの1つにある。
もしも暴れたら・・・考えてなかったな・・・どうしようかな。舞の鉄拳で良いか・・・
「そうなんですか、なら安心です」
「ねえ凌、私が来ても良いのかしら?」
「食材提供者には無料でサービスするよ」
「無料で食べられるなら私も何か持ってきます!」
「私も〜」
ありすぎても困るのだが・・・まぁ大丈夫だろう。もしもの時は宴会を開けばいいのだからな
「はいはい、それじゃよろしくね」
そして、内装外装の飾り付けをしたり店内の掃除をして夜を待った
〜
屋根の上に大きな狐火を出す、それは青白く燃え盛りとても明るい。半径数十メートルは炎の灯りで照らされている
店に戻ってお客が来るのを待った
「やっと開店ですね〜」
「あれ、他の二人は来てないのか?」
店に戻ると華羅が1人座っていた、テーブルの上には新鮮な野菜類肉類がいくつか置いてある
「まだ来てないんよ〜」
「そっか、・・・もしかして食材提供かい?」
「お腹すいたわ〜」
「待ってて、今作るからさ」
そう言って俺はテーブルの上の食材を手に取り台所に向かった
「何か食べたいものある?」
「凌君の得意なもの〜」
ふむ、俺の得意料理か・・・得意料理といっても何もないんだが・・・まあテキトーに作るとしよう
〜
鶏の唐揚げ、オムライス、アスパラとウインナーの炒め物、豚の角煮
などなどテキトーに作ってやった
尻尾に皿を・・・乗せずに手で運ぶ。流石に尻尾で運ぶのは店としては駄目だと思ったからだ
「相変わらず美味しいな〜」
「ふふ、ありがと」
カランコロン
「来たわよ凌」
「ここがあいつの店ね、なかなかお洒落じゃない」
「永琳に輝夜か、珍しいな」
「ふん、あの天狗が美味しいって言ってるし、永琳が行きたいって言うからわざわざ着いて来たのよ」
「そう姫様は言ってるけど、実際は自分も凄く楽しみにしてるのよ」
「な、ななななんで言うのよ!」
「そっかそっか、じゃあテキトーに座ってよ。・・・それで何か食べたいものはある?」
「・・・・・」ムスー...
ぷーと頬を膨らませている輝夜
「そうね・・・お酒とおつまみをいくつか頂戴?」
「了解」
台所へ戻り酒を片手に持つ。テーブルの上に酒を置いて再び台所へ。
〜
「お待ちどー」
焼き鳥(塩だれ)、キャベツ餃子、手羽狐火焼き、牛ネギ味噌炒め
以上4品
テーブルに持っていくと、輝夜は「へぇ・・・」と呟いて餃子を手に取る
「相変わらず美味しいわね」
「や、やるわね・・・うちのご飯より美味しいかも・・・」
カランコロン
今度は人里から来たみたいだ、男性2人が店に入って来たと思ったら更に3人組の女性が入って来る。初日から満員御礼になりそうな勢いだな
カランコロン!!
「来たわよ凌!」
「食べに来ましたよ!」
相変わらずの馬鹿2人、ドサァ!と背中の荷物・・・大きな風呂敷を床に置く。
あ、風呂敷からいろいろ飛び出した
「お前らその荷物は台所に持ってけ、今から作るからさ」
うーむ、従業員募集はないと言ったが・・・この忙しさだとあと一人は欲しいかもな、後で誰か誘ってみるか
そんな事を考えながら調理を開始した。
その後は何名も来店した。初日と言うことで多くの客が来た。妹紅と慧音が来た時は輝夜と喧嘩になりそうだったので、ルールを破った時の罰を聞かせてやったら大人しくなった。
更に紅魔館メンバーも来た、美鈴が居なかったので聞いてみると「あの子は1人で留守番よ、こういう時はいつもの事よ」と咲夜さんが言う。
(後で差し入れしてやろう・・・)
その日は夜中の3時まで忙しかったので本格的に従業員が欲しかった。今日の売り上げで明日は人里に遊びに行こうかな・・・
店の片付けもほどほどにして、風呂に入って寝ることにした。事前に全員帰ったのを確認したし、あの3人は部下である藍、勇儀萃香、文に連れて帰ってもらった。
「はぁ・・・やっとゆっくり寝れる・・・」
そう言って布団に潜り込んで眠った
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鈴谷亭開店です
ちょくちょく店を開ける感じで
自由気ままなんですよ




